グザビエ・ドラン「マティアス&マキシム」予告編 「君の名前で僕を呼んで」に感銘を受け創出した愛の物語
2020年7月16日 08:00

[映画.com ニュース] 第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された、グザビエ・ドラン監督の最新作「マティアス&マキシム」の予告編とポスタービジュアルがお披露目された。1980年代のイタリアを舞台に、青年たちの恋を描いた「君の名前で僕を呼んで」に感銘を受け、ドラン監督が作り上げた愛の物語。ポスターでは、友人が撮る短編映画の中で演じたキスをきっかけに、幼なじみの青年ふたりの友情が恋へと変わる瞬間が切り取られている。
カンヌ国際映画祭の常連であり、映画界の革命児として躍進してきたドラン監督が、「わたしはロランス」「Mommy マミー」など初期の代表作品を彷ふつとさせる繊細な心理描写、余韻を残すセリフを駆使した、原点回帰とも言える本作。ふたりの青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てたラブストーリーを紡ぐ。ドラン自身が「トム・アット・ザ・ファーム」以来6年ぶりに自身の作品に出演し、出身地であるカナダ・ケベックで撮影を敢行。実際の仲間たちに友人役を依頼するなど、特別な思い入れを見せた。
ルカ・グァダニーノ監督作「君の名前で僕を呼んで」が製作のきっかけになったというドラン監督は、「しばらく動けないほどの衝撃だった。恋についての真実を審美的な映画で見ることはなんて感動的なんだろう。僕は自分が20代の頃のことを思い出した」と語る。ドラン監督が名作に応えるように製作した本作の冒頭では、この新たなラブストーリーを捧げたい監督のひとりとして、グァダニーノ監督の名前が記されている。
予告編は、ポスターにも活写されているキスシーンで幕を開ける。美しい婚約者がいて、突然芽生えた感情に戸惑いを隠せないマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)。友情が壊れてしまうことを恐れ、思いを告げずにオーストラリアへと旅立とうとするアキシム(ドラン)。たった1度きりの戯れのキスのはずが、秘めていたふたりの感情が溢れ出し、やがて波のように押し寄せる――。ドラン監督が美しさを追求したというロマンティックで官能的なラブシーンの一部も切り取られており、恋の切なさに胸が締めつけられる映像となった。
「マティアス&マキシム」は、9月25日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。
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