「ミッドサマー」アリ・アスター監督が初来日!日本映画から強い影響受けたと明かす
2020年1月31日 09:00

[映画.com ニュース] 長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督が初来日し1月30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた最新作「ミッドサマー」の特別先行上映会に出席。本編鑑賞後のファンと対面を果たした。
恋人と友人たち5人でスウェーデンを訪れたダニーは、太陽が沈まない奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」に参加。そこは美しい花が咲き誇り、心優しい住人が歌い踊る楽園のような場所だったが、次第にダニーたちは不穏な空気にのみこまれていく。
本作の企画は「ヘレディタリー 継承」の撮影が始まる以前から、スウェーデン人のプロデューサーが骨子となるアイデアを売り込んできたといい、「当時はピンと来なかったが、ちょうど彼女と別れたタイミングだったから、これを失恋映画にすれば面白いんじゃないかと思った」。撮影は「予算の関係で、ハンガリーで行った。舞台となる村は、2カ月かけてゼロから作り上げたんだ。同じ予算でもスウェーデンだと、家1軒しか建てられなかったはず」と舞台裏を語った。

また、日本映画にも強く影響を受けたといい、溝口健二監督の「雨月物語」、新藤兼人監督の「藪の中の黒猫」、今村昌平監督の「神々の深き欲望」「楢山節考」、大島渚監督の「愛のコリーダ」といったタイトルを次々と挙げ、その造詣の深さを披露。現役の監督では黒沢清監督、園子温監督が好きだと語り、「今回の来日で、園監督と対談させていただいた」とうれしそうに話していた。
主演を務めるフローレンス・ピューが涙するポスタービジュアルや、おどろおどろしい予告編のせいで「ホラー映画」と紹介されることもあるが、当のアスター監督は「ホラー映画だとは、まったく思っていない」と断言。「民間伝承に基づくダークコメディであり、主人公の目線から見れば一種のファンタジー。人間関係をめぐるドラマであり、先ほども言ったけど、失恋映画なんだ。怖がらせるつもりはないから、ぜひ劇場に足を運んで」とアピールしていた。舞台挨拶には、映画の舞台であるスウェーデン出身のタレント、LiLiCoが駆けつけた。
「ミッドサマー」は2月21日から全国公開。R15+指定。
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