雨月物語

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雨月物語
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解説

上田秋成の「雨月物語」九話のうち「蛇性の婬」「浅茅が宿」の二つを採って自由にアレンジした川口松太郎の小説(オール読物)を原型として、川口松太郎、依田義賢が共同脚色した。製作の永田雅一、企画の辻久一、共に「大仏開眼」のトップ・スタッフ。監督、撮影は「お遊さま」以来のコムビ溝口健二と宮川一夫である。早坂文雄、伊藤熹朔がそれぞれ音楽・美術面の総監督にあたり、風俗考証を甲斐荘楠音、舞及び謡曲の指導を観世流の小寺金七がする。キャストは「大仏開眼」の京マチ子、水戸光子、「煙突の見える場所」の田中絹代、「妖精は花の匂いがする」の森雅之などの他俳優座の小沢栄、青山杉作が出演する。

1953年製作/96分/日本
原題:Ugetsu Monogatari/Tales of Ugetsu
配給:大映

ストーリー

大正十一年春。--琵琶湖周辺に荒れくるう羽柴、柴田間の戦火をぬって、北近江の陶工源十郎はつくりためた焼物を捌きに旅に上った。従う眷族のうち妻宮木と子の源市は戦火を怖れて引返し、義弟の藤兵衛はその女房阿浜をすてて通りかかった羽柴勢にまぎれ入った。彼は侍分への出世を夢みていたのである。合戦間近の大溝城下で、源十郎はその陶器を数多注文した上臈風の美女にひかれる。彼女は朽木屋敷の若狭と名乗った。注文品を携えて屋敷を訪れた彼は、若狭と付添の老女から思いがけぬ饗応をうける。若狭のふと示す情熱。--もう彼はこの屋敷からのがれられなかった。一方、戦場のどさくさまぎれに兜首を拾った藤兵衛は、馬と家来持ちの侍に立身する。しかし街道の遊女宿で白首姿におちぶれた阿浜とめぐりあい、涙ながらに痛罵される。日夜の悦楽から暫時足をぬいて町に出た源十郎は、一人の老僧に面ての死相を指摘される。屋敷に戻った源十郎は若狭たちに別れを切り出す。怒りの中引き留めようとする若狭たちだが、彼に触れることが出来ない。源十郎の背中には呪符がかかれていたためであった。翌朝源十郎は廃墟の中で目覚める。若狭たちは織田信長に滅された朽木一族の死霊だったのである。--源十郎はとぼとぼと妻子のまつ郷里へ歩をかえした。戦禍に荒れはてた北近江の村。かたぶいた草屋根の下に、彼は久方ぶりでやせおとろえた宮木と向いあう。しかし一夜が明けて、彼女も幻と消えうせた。宮木は源十郎と訣別後、落ち武者の槍に刺され、すでにこの世を去っていたのである。--源十郎は爾後の半生、宮木を弔いつつ陶器つくりに精進した。その傍らには、立身の夢破れて帰村した義弟、藤兵衛と阿浜の姿もあった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第28回 アカデミー賞(1956年)

ノミネート

衣装デザイン賞(白黒) 甲斐荘楠音
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映画レビュー

4.5溝口作品の傑作に触れる。祈りにも似た思いに触れる。

2020年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

溝口作品でも評価の高い本作は、戦によって村人のささやかな幸せが無残に奪われていく様と、非常時に試される愛の形といった部分が際立った幻想譚だ。物語自体は江戸時代に執筆されたというが、1953年という製作年から考えると、観客の多くはこの戦争をつい数年前の「太平洋戦争」として受け止めたはず。家族と生き別れたり、死んだ妻と会いたいと思ったり、どうにかして生き残ろうと歯をくいしばる姿には、当時の人々の胸の内側が大いに反映されたことだろう。もちろん、湖に立ち込める不気味な霧に始まり、お屋敷にはびこる生き霊、そしてラストを飾る妻の逸話に至るまで、心の内側に隙間風が吹くような不可思議なエピソードとそれを見事にまとめ上げる演出には舌を巻くばかり。それら決して美の範疇で終わらせず、自宅に灯った明かりがもう二度と消えませんようにと、こちらを祈りにも似た気持ちにまで高める流れに、溝口作品の真骨頂を見た思いがした。

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牛津厚信

4.5和の美しさと普遍的なメッセージ

2019年12月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

幸せ

溝口健二監督作品初鑑賞。世界観が美しくて素晴らしかった。完全無欠な和の世界観。趣のある日本画のような映像と伝統的な日本の音楽は芸術性が高くて美しかった。古典怪談的な要素も昔の日本らしさが満載で凄く好きな世界観だった。不穏な緊張感がありハラハラドキドキした。

芸術性だけではなく、「欲望に囚われず、今ある幸せを大切に、コツコツ地道に、あるがままの自分で生きろ」といった風な普遍的なメッセージにもグッと来るものあった。

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アントキのバンデラス

4.0怪異と人間の儚さ・愚かさ

2019年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

古典的な日本の怪奇物語と欲に囚われる人、それに巻き込まれる人の人間模様が描かれている作品。

「どうして、そんな馬鹿なことを...」と映画をみている分には客観的に思えることでも、現実に生きていると利口的な生き方はできないもの。
欲に囚われ、改心できたとしても、二度と元に戻ることができないこともあるということを突きつけられた。

ねっとりと苦々しい怖さは、日本らしいと思える。
怪異という存在は、生きている人間をただ怖がらせるだけではないという点は情緒的であり面白かった。

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ちゅーる

5.0映画の枠を超えて、日本美術の粋といえます

あき240さん
2019年8月27日
Androidアプリから投稿

凄まじい傑作を観て、しばらく呆然としました
総毛立つ思いとはこのことです

怪談、つまり今風に表現すればホラー映画
それではあまりにも安っぽく、この本作を侮辱しているように感じます
単に物語が怖かったからだけで総毛立ったのではありません

美術、衣装、メイク、ヘア、照明、撮影
もちろんのこと出演者の演技、監督の演出
これらのものが渾然一体となって日本の美意識が隅々までフィルムの中に焼き付けられています

これこそ美術品です
映画の枠を超えて、日本美術の粋といえます
京都国立博物館の国宝展で観ることができる最高峰の日本の美術品に比肩するものです
日本の映画芸術の最高の才能と最高の美意識と教養がなし得た偉業です
日本映画の最高到達点のひとつです

夜霧たなびく湖水を渡るシーンの幽玄の光景
朽木屋敷の夕闇の中次々に燭台が灯る美しさ
若狭姫の能面のように整った容貌がいつしか不気味さをたたえる陰影
何もかも鳥肌がたつ程の芸術です

田中絹代の言葉の美しさ
気高く気品のある立ち振舞い、所作
決して美女ではないが最高の理想の女性の姿
そこには微かなエロシズムすらあるのです
驚嘆するばかりです

極めて日本的なドメスティックなようで、実は世界のあらゆる国や民族に普遍性を持つ物語と美意識であり共有できるものなのです

これ程のものは世界でも希有のものです
疑いもなく世界の映画芸術の最高峰の一角を占める作品です

本作のそれらの驚くべき凄さが本作を観て総毛立つ思いにさせたのです
このような超絶的な作品は残念ながら二度と撮ることは叶わないでしょう

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あき240
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