楢山節考

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劇場公開日:

解説

今村昌平監督が深沢七郎の小説「楢山節考」「東北の神武たち」を映画化し、1983年・第36回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた人間ドラマ。信州の山深い寒村。この村では70歳を迎えた老人は皆、冬に楢山へ行くという掟があった。それは死を意味するが、そうすることで貧しい村の未来を守っているのだった。妻を亡くした辰平の家には、現在69歳の母おりんがいる。おりんは楢山へ行くことを少しも恐れていないが、母思いの辰平はつらい心情を抱えていた。辰平を緒形拳、母おりんをラテン歌手の坂本スミ子が演じた。

1983年製作/131分/日本
配給:東映
劇場公開日:1983年4月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第7回 日本アカデミー賞(1984年)

受賞

作品賞  
主演男優賞 緒形拳

ノミネート

監督賞 今村昌平
脚本賞 今村昌平
主演女優賞 坂本スミ子
助演女優賞 倍賞美津子
音楽賞 池辺晋一郎

第36回 カンヌ国際映画祭(1983年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール 今村昌平

出品

コンペティション部門
出品作品 今村昌平
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(C)今村プロ・東映

映画レビュー

0.5帝国農村はズーフィ○○?!カソリック信者は理解不能。この国は更にペドが加わる。自虐的亡国論だけどね。

2023年5月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0【”おっかあ、山へ逝く日に雪が降って良かったのう・・”故、深沢七郎の衝撃作を見事に映像化した作品。所得が増えずとも、高年齢化が進む将来の日本を見据えたかのような作品でもある。】

2023年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 70歳になった親を、楢山様に”捨てに行く”事で、若き命を保つ村が舞台。
  村に住む人々の生と、性と、死をリアリスティックに描き出している。
  故、深沢七郎の原作も凄かったが、それを映像化した、今村昌平監督も凄いと思った作品である。-

◆感想

・今作は前半は、寒村に住む村人たちの、性と生を中心に描かれる。
ー 少ない、食料を粥状にして、ガツガツと食べる若き人たち。一方で、綿密に食い扶持を計算するおりん婆さんの姿。-

・おりん婆さんは、頑丈な自分の身体を恥じ、自ら石に前歯を打ち付け、歯を叩き割る。
ー これは、原作でも衝撃的なシーンであるが、今作でのおりん婆さんを演じた故、坂本スミ子さんの血だらけの口で皆の前に現れるシーンは驚愕である。-

・皆の食料を盗み、隠し持っていた家族が、村人たちにより、生き埋めになるシーン。

■今作の真価は、おりん婆さんを楢山様に捨てに行く息子(緒方拳)が、険しい山道を母を背負って行く姿であろう。

<初見時には、故、深沢七郎さんの独特のキャラクターを嵐山光三郎さんの「桃仙人」や、深沢さんの個性的なエッセーを読んでいたため、成程なあ、と思っていた。
 が、私もおりん婆さんの息子と近しい年齢になり、今作を鑑賞すると、イロイロと考えてしまった作品である。>

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NOBU

4.0自然の中で逞しく生きる人間の本質

2022年8月16日
Androidアプリから投稿

が、ありとあらゆるところでむき出しになっており、残酷かつ滑稽に描かれている。

長野県の駅名で「姨捨(おばすて)」という駅があり、前からずっと気になっていたが、ようやく見ることができた。

自分たちが生き抜き、若い世代につなぐために口減らしをするのが、当時のこの地域での当たり前のしきたりだったのだろうが、それにしても切ない内容である。

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レイは!?★

5.0見ごたえがある

2022年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

容赦のない現実対、その全てを呑み下して我が身の結末を雄々しくたぐりよせるおりんの気迫との渡り合い、それを自然ぐるみ重厚に描き出す撮影、坂本スミ子の好演、すべて見ごたえがある。
主題は言うまでもなく姥捨てで、その最終場面へ向けてすべてが収束していくが、白眉たる真の見どころはアマヤ家族が楢山さまに謝らされる段だ。この恐ろしさのためにDVDを購入した。
最終場面も胸に焼き付く。おりんを山に置いて辰平が戻ってみると、息子ケサやんの新しい嫁がおりんの綿入れをさっそく身に着けている。見ると、心からおりんに添いおりんのお山行きを嘆いた妻のタマやんの腰にも、やっぱりおりんの帯が巻きついている。主題に溺れず見せるところは最後の最後まできっちり見せてくれる。

中で唯一父利平の亡霊の出現だけが目障りだ。これだけの名画をぶち壊しにしてしまいかねない子供だましのオカルト的挿話に首を傾げる。
原作にもなかったはずだ。よく覚えていないが、仮にあったとしても文学とはほど遠いこんな幼稚なアレンジではなかっただろう。
善良いっぽうに描かれている辰平にも闇の部分があったということならそれはそれでいいし、その闇もおりんが一身に引き受けてお山へもっていく、それもさらにいい。また心に闇ある人間だからこそ、習わしとはいえ母親を捨てることの唐突感も和らぐ。しかも村の掟である姥捨てを敢行できなかった利平の“軟弱さ”への反感からとなれば、母捨て行為はもちろん父親殺しさえもが正当化される。すべてがよくてきている。ただそれを安直なオカルトでまとめてしまったのだけが残念だ。
あるいは副旋律補強の意図からか? だがその点なら、あんな通俗漫画を付け足すまでもなく不足なく作られている。アマヤの1件がそうだし、無しでは済まない性問題の見事な処理、そして唸ってしまうのが、瀕死の床についていた清川虹子バアサンを白萩様(白いごはん)1杯でけろり快癒させて明るさを灯してみせる味付け(原作にあっただろうか?)。これ以上何も必要ないほど盛りだくさんだ。
本当にあのオカルト漫画部分だけがわからない。
山中でおりんを一瞬消してみせる幻覚シーンもある。あんな意味不明なものを入れたのも、つまらないオカルトを組み込んでしまったがゆえのつじつま合わせにすぎないと見る。辰平の願望を描いて見せたとするには幼稚安直すぎる。
作品の名誉のためにそっと忘れるべき謎というしかないか。

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山茶花Q
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