世界が争奪戦を繰り広げた「A24」の注目作! 「フェアウェル」20年春公開
2019年12月6日 07:00
[映画.com ニュース] 「ムーンライト」「ミッドサマー」など数々の話題作を手掛ける気鋭のスタジオ「A24」の話題作「The Farewell(原題)」が、「フェアウェル」の邦題で、2020年春に日本公開されることが決定した。
“2019 年に注目すべき監督10人”(バラエティ)に選ばれた女性監督ルル・ワンが、自身の“実際の嘘”に基づいて描いた心温まる家族の物語。中国を離れ、長年海外で暮らしていた親戚一同が、末期がんを患った祖母のために帰郷し、顔をそろえることに。ニューヨーク育ちのビリーは、大好きなおばあちゃんが残り僅かな人生を後悔なく生きてもらえるように「病状を伝えるべき」と主張する。しかし、中国に住む大叔母は「がんで死ぬ人は、がんではなく、恐怖に殺される」と固辞。中国では「助からない病は告げない」という伝統があるとして、他の親戚たちも賛同し、ビリーと意見が分かれてしまう。
祖母を愛してやまない孫娘ビリーを演じるのは、「オーシャンズ8」「クレイジー・リッチ!」のオークワフィナ。また、実写映画「ムーラン」にも参加したツィ・マーがビリーの父ハイヤン・ワン役、、数々の映画、テレビシリーズに出演しているダイアナ・リンが母親のルー・チアン役に扮している。
今年のサンダンス映画祭でプレミア上映されると「Netflix」「フォックス・サーチライト・ピクチャーズ」「アマゾン・スタジオ」など多くの企業が配給に名乗りをあげた。しかし「家が数軒買えるオファーをもらったけど、劇場でお客さんと語り合う体験をしたかった」というワン監督の意向から、最終的に「A24」に軍配があがる結果に。その後、全米4館で限定公開されると驚異的な大ヒットを記録し、公開3週目には135館で公開。全米10位にランクインを果たし、最終的に891館まで上映館が拡大された。
「感情の原動力となる今年の最高傑作。どの文化でも理解できる家族の姿を描いた素晴らしい作品だ」(ローリング・ストーン)、「強烈でそして笑える」(ニューヨーク・タイムズ)、「今年の最高傑作だ」(バズフィード)と絶賛評が相次ぎ、 米映画批評サイト「Rottentomatoes」では満足度99%を記録。第35回インディペンデント・スピリット・アワードには、作品賞、助演女優賞、ボニー賞の3部門ノミネートを果たし、第29回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワードでは主演女優賞(オークワフィナ)に輝いている。
「フェアウェル」は、20年春に全国公開。