「テッド・バンディ」監督、大学生とアメリカ最悪の連続殺人犯について討論

2019年12月6日 07:00


学生たちと熱く語り合った
学生たちと熱く語り合った

[映画.com ニュース] ザック・エフロンが史上最悪の連続殺人犯を演じた映画「テッド・バンディ」のジョー・バーリンジャー監督が来日し12月5日、東京・池袋の立教大学で開催されたトークイベントに参加。ジャーナリスト、新聞記者、メディア関係への就職を志す学生たちからの質問を受け、トークセッションを展開した。

1970年代のアメリカで、30人以上の女性を惨殺したとされる殺人鬼テッド・バンディ(エフロン)。IQ160の頭脳と美しい容姿で、司法・メディアを翻ろうしたバンディを、唯一殺されなかった恋人(リリー・コリンズ)の視点から描く本作。バーリンジャー監督は、Netflixの新作ドキュメンタリー「殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合」でもメガホンをとっている。

バンディがなぜ多くのアメリカ人を魅了するのかを聞かれたバーリンジャー監督は「おそらく彼が、我々が思うステレオタイプの連続殺人犯のイメージをぶち壊す存在だったからではないか」と説明。「彼には多数の友人もいて、一緒に住んでいた彼女もいたし、彼女の子どもの父親的な役割も果たしていた。だからこそ、悪を成し得る人物が、すぐ隣にもいるかもしれないという厳しい現実をリアルに突きつけたかった」と本作を手掛けた理由を語った。

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また、学生から「なぜリズだけ殺されなかったと思いますか?」という問いには、「リズを大切に思っていたからだと思う。サイコパスにそういう感情を持つのは無理だという人が多いけど、僕はたとえ連続殺人犯であっても、ごく普通のものを求める感情を持っていると思っている。それを象徴するのがリズだったのではないかと。彼について、最初の恋愛に失敗したことが犯罪につながったという意見もあるし、よりリズに執着していたのではないかと」と持論を展開した。

さらに、エンドクレジットに殺害された被害者の名前が表記されている理由に関して「それは本作が、被害者側の立場に立って描いた作品だから、敢えて名前を読んでもらいたいと思った。我々にとって、映画は娯楽的な作品のひとつに過ぎないが、被害者遺族にとっては大変な悲劇。他人の悲劇を見てもらうので、僕は大きな責任感をもって作品を作っている」とキッパリ答えた。

テッド・バンディ」は12月20日から全国で公開。

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