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第32回東京国際映画祭、日本映画界のレジェンド・大林宣彦監督を特集!

2019年7月18日 06:00

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新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」 の“世界初上映”も予定
新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」 の“世界初上映”も予定
(C)2020「海辺の映画館―キネマの 玉手箱」製作委員会/PSC

[映画.com ニュース] 第32回東京国際映画祭(10月28日~11月5日に開催)の特集企画第1弾が、このほど発表された。「Japan Now」部門では“映像の魔術師”と称され、今なお最前線で活躍している日本映画界のレジェンド・大林宣彦監督をクローズアップする。

幼少の頃から映画を撮り始め、大学時代に自主制作映画のパイオニア的存在となり、日本の映像史を最先端で切り拓いた大林監督。1977年に「HOUSE ハウス」で商業映画に進出し、80年代には「転校生」(82)、「時をかける少女(1983)」(83)、「さびしんぼう」(85)といった“尾道三部作”を発表し、熱狂的な支持を集める。98年に公開された「SADA」は、第48回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞をはじめ、国内外で数々の受賞を果たしてきた。

反戦の思いを込めた「この空の花 長岡花火物語」(11)、「野のなななのか」(14)、「花筐 HANAGATAMI」(17)といった“大林的戦争三部作”を世に放ち、現在は新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」に着手。待望の新作は、今回の東京国際映画祭で“世界初上映”される予定だ。

「『自由に生きよ、それが平和の証だ』と父に言われ、当て所も無く18歳で上京した僕に、形見代りに持たせてくれた8ミリ映画を用い、銀座の画廊の一角で自作の8ミリ映画を上映した所、『新しきフィルム・アーチスト誕生』と世界から認定され、以降60年間テレビCM演出を資金に個人映画を創り続けて来ました」と自身の歩みを振り返る大林監督。そして「『売れない作家の女房になる覚悟』で61年間、僕の映画を支え『私が最初の観客よ』と世界と僕の映画を結びながら共に生きて来た大林恭子と11歳で『HOUSE ハウス』の原案者に名を連ねた長女千茱萸、ご亭主の絵の作家森泉岳土、そして親しい旧・新の世代の仲間たちと、今日も映画作りに励んでおります」と語り、特集上映への思いを述べた。

大林監督「上映作品を自ら選むのは難しい。普段皆様が見る事の出来ぬ映画を、この際ご覧いただけたらと。時代はいつか、個人映画ばかりになり、僕が願った映画作りの世になりました。その個人の自由と権力者の不自由の証を、愉しんで下されば、と。僕の正体が炙り(あぶり)出されれば、愉しいかな」

「Japan Now」部門プログラミング・アドバイザーの安藤紘平氏は「商業映画初監督の『HOUSE ハウス』で撮影所監督にはない独特のタッチで世を驚かせ、70年代から80年代の日本映画を尾道3部作など“大林ワールド”と呼ばれる幻想的で詩的な作品で牽引してきた。近年、再び実験的で独特の語り口を駆使し、一貫した平和思想と人間愛を軸に、みずみずしい映画を創り続けている」と分析。「大林映画の中では、死んだ大切な人が、歴史と失われた青春が、それぞれの想い出が、そして夢のハッピーエンドが映像に描かれ、後から現実が追いかけてくる。今年の『JAPAN NOW』では、そんな、日本映画のレジェンド大林宣彦監督の特集として、代表的作品とゲストを交えてのトークをお楽しみ頂けます」とコメントを寄せている。

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