この空の花 長岡花火物語

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解説

2004年の新潟県中越地震から復興をとげ、11年の東日本大震災発生時には被災者をいち早く受け入れた新潟・長岡市を舞台に、ひとりの女性新聞記者がさまざまな人と出会い、不思議な体験を重ねていく姿を大林宣彦監督が描く。11年夏、熊本・天草の地方紙記者の玲子が新潟・長岡を訪れる。目的は、中越地震を乗り越え復興し、東日本大震災の被災者をいち早く受け入れた同地を取材すること。そして、長年音信不通だった元恋人からの「長岡の花火を見てほしい」という便りに心ひかれたためだった。

2011年製作/160分/G/日本
配給:PSC、TMエンタテインメント

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(C)「長岡映画」製作委員会・PSC All rights reserved.

映画レビュー

0.5冒険主義と反戦思想に空費された才能を悼む

2021年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1 技法面について
監督が通常の商業映画の技法には収まらない、さまざまな技法を試みていることはよくわかる。いわば冒険主義である。登場人物が会話の途中からカメラに向かって話し始めたり歌い始めたり、意味不明な設定とその急展開、短絡的なストーリー等々は、映画の約束事を破壊したいのだろう。安っぽい特殊効果なども、意図的に採用しているはずだ。

破壊そのものが自己目的では意味がなく、問題はその効果だ。ドラマの中で会話している人物が突然、カメラに向かい話し始める意図は、恐らく舞台演劇の手法を映画に持ち込むことにある。
これは面白いことは面白いのだが、何度もやられると食傷するし、映画は舞台ではないのだから効果が限定的なうえ、作品はドラマ性を希薄化させ、俳優は何のために演じているのかわからなくなる。
そして滑稽なのは、その約束事の破壊とやらも、何作も見ているとパターン化されているのがわかり、約束事を破壊するための約束事を実行しているとしか感じられなくなってしまうことだ。
薬師丸の「ねらわれた学園」クライマックスの子供の落書きのような特殊効果が、本作のB29による長岡空襲シーンにも使われているのを見て、どこに破壊があるのかと訝る観客も多いのではないか。その意味するところは、冒険主義に批評精神が伴っていないということである。

さらに少女や一輪車といったカワイイ小道具を頻出させていながら、それがいっこうに可愛くも格好良くも美しくもないのには言葉を失うばかりだ。

2 内容面、とくに反戦思想について
扱っているテーマが自然災害と戦争という長岡を襲った2つの悲劇と、そこからの復興ということなのだが、メインの復興史そっちのけで反戦メッセージが浮上してくるのは、好き嫌いは別にして不自然に感じられる。

反戦を取り上げるなら、戦争被害を自然災害と等置するのはマイナスでしかない。自然災害と同様、戦争も不可抗力と感じさせるだけだからだ。

致命的なのは、戦争反対と言いながら第二次世界大戦の開戦原因について何一つ触れず、空襲被害の悲惨さだけを取り上げる視点の平板さである。
日本が開戦に至った原因は、アジア、南米、アフリカを蹂躙し植民地支配する欧米列強に伍するべく参入した大日本帝国を、古参クラブメンバーが排除しようとしたことにある。
その不当さを新聞等のメディアがこぞって批判し、政府を戦争に駆り立てたのが開戦の契機であり、その背後には帝国臣民の熱狂的な戦争支持があったことは常識といってよい。換言するならば、ここに登場する長岡住民も軍国日本の戦争を熱狂的に支持したはずで、そのツケを空襲や敗戦によって支払ったのだった。

それを踏まえるなら、現在になって「まだ戦争には間に合う」という反戦連載記事を連載した新潟日報が、第二次大戦時にどのように新聞統合させられたか、戦前戦中にどんな記事を掲載し、どのように戦争を煽っていたのか、当時の日本人が鬼畜米英に対しどんな呪詛の言葉を吐いていたのかも取り上げなければ、歴史から何も学べないだろう。
自分たちを何ら責任がないかのような位置に置いて、戦争は悲惨だ、戦争はするなと言ったって、日本人の無責任体質が浮かび上がってくるばかりではないか。
本作で監督がやっていることは、こうした無責任体質丸出し戦争被害者論のオウム返しに過ぎず、大衆レベルの戦争責任を意識しない限り、戦争はまたいくらでも繰り返されることが分かっていない。

他方、欧米列強の不当さに対して戦前の日本人が怒ったのは当然だし、今また中国の帝国主義的拡張主義に対し世界が怒るのは当然だ。その侵略が日本領土に及ぶならば、どうすべきか。戦争は絶対悪ということで済ませられるのかという現実問題に、やがて日本は直面するだろう。その時にはこの映画で展開されている感情的戦争キライ論など、オママゴトの類に過ぎないことが露呈するに違いない。
本作では「想像力」という言葉がしきりに繰り返されるが、作る側に想像力どころか基本的な歴史のお勉強が足りていないのである。

3 まとめ
大林監督は紛れもなく繊細でリリカルな感性をもった、優れた監督である。「同級生」や「異人たちとの夏」「廃市」を見れば、それはよくわかる。その才能を、あたら批評精神の伴わない冒険主義や不勉強な反戦思想で無駄にしたのを、一映画ファンとして残念に思う。

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徒然草枕

5.0まだ戦争には間に合う

kossyさん
2021年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 大林的戦争三部作とも名づけられた本作品、『野のなななのか』(2014)、『花筐』(2017)。「ふるさと映画」の一環でもあり、戦争を知らない若者たちに作ったというメッセージも色濃く感じられる。さらに東日本大震災にも関連付け、戦争末期の長岡空襲とその後の長岡花火への流れを描いた内容だ。大林監督自身初のデジタル撮影だということですが、昔からのフィルム合成による特殊効果は健在だった。

 高校生・元木花による脚本で長岡花火大会と同じ日に柿川で行われた演劇が中心ではあるが、序盤ではタクシー運転手(笹野高史)の説明で7月20日に疑似原子爆弾が投下された地点や焼夷弾による説明がなされていて、1480人余りが犠牲となった8月1日の長岡空襲について学ぶことができる。また長岡出身の山本五十六、米百俵の小林虎三郎、河井継之助、そして堀口大學の話も貴重だ。

 人が恐怖を感ずるのは想像力を超えたときだという。敵を恐怖に陥れるのは簡単、想像力を奪えばいいのだ。戦争について多くを知っていれば対策はできる。映画という虚構ではあるが想像力を働かせるに足りうる描写によって戦争の無意味さが伝わってくるのです。高校生たちの演劇は十分すぎるほどの恐怖を与えてくれて、焼夷弾という人を殺すためだけの武器に怒りをも感じる。

 ストーリーは松雪泰子演ずる新聞記者がさまざまな人と出会い、長崎と長岡の関係や元恋人である教師の高嶋政宏への思いを描いたもの。一輪車や山下清の存在によってノスタルジーを感じる映像と、後半にモデルとなった人やインタビューも重ね、ユニークな構成となっています。だけど、不思議なことに抽象的であったり、恐怖だけを描く内容から自然に涙がこぼれてくる。平和と復興・・・感じるのはそれだけはないのです。

 爆弾を花火に!山下清演ずる元たまの石川浩司も印象に残るけど、サックス奏者の坂田明も強烈な印象。1945年広島に生まれた坂田明による魂のサックス演奏も注目だ。右手だけでプレイする姿も凄まじい。

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kossy

4.0あの夏長岡で、日本で起きた事-鎮魂の白菊

こころさん
2021年4月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

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こころ

4.0死者の存在

ミカさん
2020年10月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

大林監督が亡くなられた時に町山智浩さんが、「大林作品には幽霊が良く出てきますが、この幽霊は戦争で亡くなった人達のことです。彼らが過ごせなかった青春や人生を映画の中で過ごさせているのです」みたいな事を仰っていたのを聞き、大林作品に幽霊が良く登場する理由が良く理解できました。本作はその大林監督の最も伝えたい『死者の言葉』を代弁した大林作品の集大成だと感じました。

私自身、長岡の歴史を全く知らずに鑑賞しましたが、長岡は中越地震、新潟豪雨、柏崎原発、長岡大空襲と、戦争や災害の象徴と言える場所だと思います。原発は、決して福島だけの話ではない。原爆は、広島や長崎だけの話ではない。日本全体の痛みなのだと言われた気がします。

戦争で亡くなった名も無き沢山の先人達。自分達が死んだ理由も意味も分からなかった沢山の先人達。慰霊をする人。復興を願う人。そして、平和を願い花火を打ち上げ続ける長岡の人達。

あの戦争から随分と時間が経ち、戦争を語れる人も死者の気持ちを代弁する人も少なくなってしまった現在、大林監督から『反戦』という強い想いが伝わってきました。

本作をくどい、しつこいと感じる人もいると思います。でも私は、『過ちは繰り返しませぬから』という気持ちでいっぱいです。

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ミカ
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