沖田修一監督、「まく子」を激賞!「スピルバーグっぽかった」
2019年3月28日 19:00
[映画.com ニュース] 直木賞作家・西加奈子氏の小説を映画化した「まく子」(公開中)のトークイベントが3月27日、東京・テアトル新宿で行われ、本作のメガホンをとった鶴岡慧子監督、「横道世之介」「モヒカン故郷に帰る」などの沖田修一監督が登壇した。
小さな温泉街に住む小学5年生のサトシが、不思議な転入生・コズエとの出会いを通して、成長をとげるさまを描く。サトシを「ちょんまげぷりん」「真夏の方程式」の山崎光、コズエを「Blue Wind Blows」の新音が演じるほか、サトシの両親役で須藤理彩と草なぎ剛が共演する。
本作を鑑賞した沖田監督は「子どもが主人公の映画は作りづらいが、ここテアトル新宿で『ごめん』という映画を以前見て、子どもが主人公でもこんな作品いいなと衝撃を受けました。そしてこの『まく子』。ずるいです。楽しくて、先の展開が気になって、(スティーブン・)スピルバーグっぽかった!」と賛辞。大ファンだという沖田監督の言葉に恐縮しきりの鶴岡監督は「本作も『ごめん』と同じ制作会社さんが入っていたので、とりあえず見ろと言われました」と、少年の成長を描く参考にしていたと明かした。
子役の演出について話が及ぶと、沖田監督は「もともと持っているもの重視」のキャスティングから入るのに対し、鶴岡監督は「印象重視」だと告白。続けて「山崎(光)くんはオーディションだったけれど、コズエ役はオファー。不思議感を作り上げていく作業だった。2人とも高学年だったので、大人と同じように接していました」と撮影を振り返った。
さらに、鶴岡監督はサトシの父親を演じた草なぎとのエピソードも披露。「お会いしたのは撮影前の衣裳合わせが初でしたが、その時の印象と1年後の舞台挨拶での印象とがだいぶ違いました。撮影終わってから舞台などでご活躍され、新たな取り組みをされて1年経ってからの公開だったので、ますます生き生きされてエネルギッシュだなと感じました。あとは、緊張してしまうので、あまり草なぎさんだって考えないようにしましたね(笑)。本当スターなので!」と笑いを誘った。