アカデミー賞授賞式中継、撮影賞など4部門をCM中に発表 有名監督ら痛烈批判
2019年2月15日 13:00

[映画.com ニュース] アカデミー賞の投票が始まるなか、同賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が下した決断が物議を醸している。AMPASは今年のアカデミー賞授賞式で撮影賞、編集賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、短編映画賞の4賞を、授賞式中継ではなくCM中に発表すると決定。この決断について、有名監督や俳優が一斉に自身のTwitterで批判している。
最多タイとなる10部門でノミネートされている「ROMA ローマ」を手がけたアルフォンソ・キュアロン監督は、「シネマの歴史においては、音声なし、音声なし、色彩なし、ストーリーなし、俳優なし、音楽なしの傑作は存在した。だが、“シネマ”トグラフィー(撮影と演出)と編集なしで映画は成りたたない」と指摘。キュアロン監督の親友で、昨年「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞4冠に輝いたギレルモ・デル・トロ監督は、「どの賞をカットすべきか提案するようなことはしない」と前置きしながら、「撮影と編集はわれわれの芸術における心臓そのものだ。これらは舞台劇や文学の伝統を引き継いだものではない。映画そのものだ」と明かしている。
AMPASの上層部がこのような決断を下した背景には、視聴者数アップのために放送時間を3時間に収めることを至上命題としているからだ。だが、撮影賞と編集賞を軽視する姿勢には、特に反発が強い。「グラディエーター」でアカデミー賞主演男優賞を受賞した人気俳優ラッセル・クロウは、「言葉にならないほどクソ馬鹿馬鹿しい」と手厳しい。また、コメディ俳優のセス・ローゲン(「ネイバーズ」)も「映画における偉業を称える場で、映画を文字通り撮った人たちの仕事を公に称賛しないなんてね」と批判している。
今年のアカデミー賞に関しては、視聴者数の増加を狙い、AMPASは「人気映画賞(ポピュラー映画賞)」という新部門の設立を発表したが、その後、批判を受けて延期。また、司会に決定したケビン・ハートの降板騒動の対応でも、後手に回っている。「オリエント急行殺人事件」や「美女と野獣」で知られるコメディ俳優のジョシュ・ギャッドは、「どうしてアカデミー賞が、今年のアカデミー賞をここまで憎んでいるのかわからない」と疑問を呈している。
第91回アカデミー賞授賞式は、2月24日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで開催される。

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