A・ナデリ監督がワークショップで日本映画の魅力を力説、自主参加・高橋克典も感化
2018年10月29日 20:16

[映画.com ニュース] 第31回東京国際映画祭のセミナー企画「TIFFマスタークラス」で、イランの名匠アミール・ナデリ監督による「演劇論と俳優ワークショップ」が10月29日、六本木アカデミーヒルズで行われた。
ナデリ監督は1980年代後半から米ニューヨークに拠点を移し、これまで世界各国で100回以上のワークショップを開いてきた。2011年には日本を舞台に西島秀俊主演で「CUT」を製作するなど、日本映画にも造詣が深く「今年のベネチア国際映画祭でも、溝口健二の『赤線地帯』の紹介をしてきた。(日本映画)大使の役割を果たしてきた自負がある」と胸を張った。
ワークショップは約20人が受講したが、「孤狼の血」などに出演の阿部純子ら若手に交じり、高橋克典の姿も。自己紹介では、「25年やってきて、今まで誰かに師事したことがないので、(ワークショップを)経験してみたかった」と正直な気持ちを吐露した。
思わぬベテラン俳優の参加に、ナデリ監督は喜色満面で「自分の最期の日に、どのような役を演じたいか」と難問を突き付けニヤリ。高橋はしばらく考えを巡らせた後、「すぐに浮かんだのは、『ゴッドファーザー』のアル・パチーノですかねえ」と答えをひねり出した。

ナデリ監督は納得顔で、パチーノやロバート・デ・ニーロら名優の役づくり、演技を称えつつも、あくまで日本映画の名作を参考にすべきと主張。「今村昌平監督の『復讐するは我にあり』と『楢山節考』での緒形拳の演技の違いを学ぶべき。相米慎二監督の『台風クラブ』に登場する多くのキャラクターがどのような演技をしているかを知るべきだ」などと力説した。
さらに、黒澤明監督の「蜘蛛巣城」、大島渚監督の「少年」などの魅力を身振り手振りを交え解説。その上で「自分のことを変えてはいけない。自分に正直になり自分を理解し、オリジナリティを持つこと。人の話を聞くことを学び、心からわき出る感情を大事にしてください」と説いた。
約3時間、10分の休憩を除きほぼ熱弁をふるい続けたナデリ監督に、高橋は「理想論ですけれど、非常に興味深くて面白かった」と感化された様子。自身は「特命係長只野仁」などドラマではまり役が多く、12年「アウトレイジ ビヨンド」以来映画出演はないが、「端役でも出たいとは思っているけれど、求められているものとやりたい演技の違いはありますよね。知れば知るほどしゅん巡してしまうし、これから続けていく上ではもう一つ賢くなっていかなければいけないと思っています」と意欲を新たにしていた。
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