樋口尚文監督2作目は「葬式の名人」!日本映画界代表するスタッフが大阪・茨木に結集
2018年6月8日 15:30
茨木市が市制70周年記念事業として全面協力する今作は、同市出身のノーベル文学賞作家・川端康成の傑作短編をモチーフにした群像コメディ。川端が茨木で過ごした少年時代をもとにした「十六歳の日記」をはじめ、「師の棺を肩に」「少年」「バッタと鈴虫」「葬式の名人」「片腕」をモチーフにちりばめた、オリジナルストーリーだ。
高校時代から自主映画を監督し、故大島渚監督、大林宣彦監督らから激賞され、早大在学中には映画評論家としてもデビューした樋口氏。数え切れないほどの著書を刊行しているが、2013年には映画監督デビュー作「インターミッション」が閉館する銀座シネパトスの最終上映作品として大きな話題を呼んだ。
撮入を夏に控える樋口監督は、「オリジナリティのある上々のシナリオがあって、その役柄にあった俳優をキャスティングする、というあたりまえのことが、今の日本映画界ではとびきりゼイタクなことになってしまいました。そんな純粋な意図とは別の、さまざまなしがらみによって、『意志』のない脚本と配役が決まり、おざなりにシネコンで上映されて消費されてしまいます。こういう映画を作るのは人生とお金のムダです」と語る。それだけに「実にまれなことに今回、川端康成からお笑いまで実に幅広い文化を生む茨木市が、純粋で前向きな意欲のみで映画づくりを熱烈に応援してくれています。そこにチャップリンの世界的権威である大野裕之さんが川端文学をモチーフにしたユニークで豊かな脚本を書き、私が長年ご縁を深めた日本映画の誇る名匠のスタッフの皆さんが一斉に『この指とまれ』で集まって来てくださっています。映画の神様が降りてきてくれそうな予感がします」と意欲をみなぎらせており、撮影を心待ちにしている様子だ。
日本映画界を代表するのは、大野氏だけではない。プロデューサーを務めるのは、「日本のいちばん長い日」「駆込み女と駆出し男」「母と暮せば」の榎望。ほか、撮影は中堀正夫(「鏡の女たち」)、美術は部谷京子(「Shall we ダンス?」)、音楽プロデューサーは佐々木次彦(「おくりびと」)、音楽は上野耕路(「ヘルタースケルター」)照明は牛場賢二(「あさき夢見し」)、編集は大島ともよ(「戦場のメリークリスマス」)、劇中美術はやまだないと(「フレンチ・ドレッシング」)という豪華な顔ぶれが結集している。
映画で描かれるのは、高校時代の同級生のお通夜。卒業から10年の時を経て、通夜に集まった面々が体験したのは、これまでに見たことも聞いたこともない奇想天外なお通夜だった……。樋口監督によれば、19年に全国公開予定。
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