第71回カンヌ国際映画祭開幕!ケイト・ブランシェット審査委員長「クオリティがすべて」
2018年5月9日 13:30

[映画.com ニュース] 第71回カンヌ国際映画祭が5月8日(現地時間)に開幕した。今年はTwitterやブログでの解禁前の情報流出を恐れ、公式上映に先立つプレス上映がなくなったことに報道側からブーイングが起きたり、クロージング作品に選ばれたテリー・ギリアムの「The Man Who Killed Don Quixote」について、かつてのプロデューサーとの訴訟問題が持ち上がる(いまだ裁判の判決待ちで、結果次第で上映中止になる可能性も)など、さまざま問題をはらみながらも開幕に漕ぎつけた。
オープニングに選ばれたアスガー・ファルハディ監督作「Everybody Knows」は、スペインを舞台にハビエル・バルデム&ペネロペ・クルス夫妻を主演に迎えたラテン色の濃いサスペンス。妹の結婚式のため、子どもを連れて久々に故郷に戻ったヒロインが、結婚式当日に起きた事件によってその過去に立ち戻らざるを得なくなる姿を描く。ファルハディ監督はその慧眼で、ラテン的な要素を随所に盛り込みながら、複雑な人間関係のタペストリーを織り上げた。
今年のコンペティションの特徴をあげるなら、コンペ初参加の若手世代が目立つこと。またスパイク・リー、イ・チャンドン、ジャファル・パナヒら、カンヌに久々にカムバックした面子も。さらにジャン=リュック・ゴダールやジャ・ジャンクー、ヌリ・ビルゲ・ジェイランら常連が加わる。日本からは「万引き家族」の是枝裕和と、「寝ても覚めても」を出品する濱口竜介監督の新旧世代が並んだ。
審査員メンバーは、クリステン・スチュワート、レア・セドゥー、チャン・チェン、アンドレイ・ズビャギンツェフ、ドゥニ・ビルヌーブら、男女半々の8人を、審査委員長のケイト・ブランシェットがとりまとめる。会見で審査のポイント、パルムドールの条件を問われたブランシェットは、「俳優の演技、脚本、映像、演出といったすべての要素で秀でていること」と明言。作品の政治的な要素が考慮されるか否かは、「パルムドールは平和賞とは異なる。あくまで芸術的な要素による判断」と強調した。
さらにゴダールのような巨匠を若手監督と比較することに対しても、「ネームバリューやキャリアではなく、今の作品で判断する」と語った。どんな質問にも、気持ち良いほど明快に即答するブランシェットは、スチュワートやセドゥーら若手女優たちにとってまさに頼れる団長といった趣だ。
今年はまた#Me Tooムーブメントの影響で、女性監督の存在が注目を浴びている(コンペ20本中、女性監督は3人)が、ジェンダーが賞に影響を及ぼすか否かについてもブランシェットは「ノー」ときっぱり。「クオリティがすべて」とその基準を語った。結果は、5月20日のセレモニーで明らかになる。(佐藤久理子)
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