第31回東京国際映画祭、俳優・役所広司とアニメ監督・湯浅政明を特集!
2018年5月9日 13:00

[映画.com ニュース] 10月25日~11月3日に開催される第31回東京国際映画祭の特集企画第1弾が、このほど発表された。「Japan Now」部門では俳優・役所広司、アニメーションでは「夜明け告げるルーのうた」などで知られる湯浅政明監督にクローズアップする。
「日本映画をより世界へ発信していく」企画として、「映画俳優 役所広司」「アニメーション監督 湯浅政明の世界」という2つの特集が決定した。映画祭独自の視点で日本映画をセレクトするJapan Now部門では、これまで原田眞人監督、岩井俊二監督、4人のミューズ(安藤サクラ&蒼井優&満島ひかり&宮崎あおい)を特集してきたが、今年の主役は俳優生活40周年を迎える役所。「CURE」「Shall We ダンス?(1996)」「バベル」など、国内外で高い評価を受ける役所の、過去作から最新作を紹介する初の大規模上映となる。
役所は「芝居に興味を持って、今年で40年。子どもの頃から何一つ長続きしたものがない僕にとって、40年同じことを続けられるなんて奇跡です。役者という仕事は不思議で、どんなに恥をかいても、失敗だらけでも、一つの作品が終ると『ひょっとしたら、次は上手くいくかも知れない……』と思ってしまうのです。それがこの世界の毒なのでしょうかね? 今回の特集上映、とても光栄です。そして、今まで自分に影響を与えてくれた全ての人に感謝します」と感慨深げなコメントを寄せる。プログラミング・アドバイザーの安藤紘平氏は、「誰をも圧倒する彼の存在感は、役柄の幅の広さとその演技力にあります。あるときは、殺人犯の揺れ動く神秘的な心理をあたかも神のように演じ、またあるときは、猟奇殺人事件の担当刑事が怪物になっていく姿を、まるで悪魔のように演じます。ダンスに取り付かれたサラリーマンのラブロマンスをコミカルに普通の人として表現するかと思えば、日本の美意識を体現する武士から、歴史上の人物まで、極めて人間的に、そして独特の想像力をもって、その存在感をスクリーンに刻印します。日本のみならず、カンヌ映画祭をはじめ、毎年の映画祭で名前を挙げられないことはありません」と説明している。
また、これまで庵野秀明、細田守、原恵一にスポットを当ててきたアニメ特集では、世界中からの熱視線を浴びる湯浅監督にフォーカス。2017年に発表した「夜明け告げるルーのうた」は、仏アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門でグランプリを獲得し、宮崎駿監督、高畑勲監督に次ぐ日本人3人目となる快挙を達成した。「世界中から作品が集まる国際映画祭で、まさか自分の名前のついた特集上映が実施される日がくるとは思いもしませんでした。このような機会をいただき、大変光栄ですし、とてもびっくりしています。いままで制作に携わってくださったスタッフ・キャストの皆さんの仕事が再び日の目を見る事も嬉しいですし、ぜひこの機会に、未だご覧になった事のない多くの皆様に見ていただく事ができればとても嬉しく思います。私自身も作品を振り返る機会をいただいたと思い、楽しみたいと思います」と、喜びを語っている。
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