人間の狂気をあぶり出す! 「サニー32」白石和彌監督が支持される理由
2018年1月2日 16:00
[映画.com ニュース]北原里英主演の白石和彌監督作「サニー32」が、2月9日に新潟・長岡、同17日から全国で公開される。白石監督は、「凶悪」(2013)、「日本で一番悪い奴ら」(16)、「彼女がその名を知らない鳥たち」(17)など人間の狂気をあぶり出す話題作を世に送り出し、5月には役所広司と松坂桃李が共演する「孤狼の血」の公開を控える、今もっとも注目される映画監督のひとりだ。その人気の理由を、「サニー32」プロデューサーの高橋信一氏が明かした。
「サニー32」をはじめ、前出の「日本で一番悪い奴ら」、そして「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1作「牝猫たち」(17)で白石監督とタッグを組んできた高橋氏は、白石監督が映画関係者やファンに支持される理由を「社会性や作品性が強い題材であっても、映画として様々な“エンターテインメント”を提案してくれるということだと思います」と語る。「ジャンルもテーマがまったく違いながら、観客に“エンターテインメントを届けるために、手を替え品を替え努力する姿にプロデューサーとしては頭が下がります」
撮影現場での様子を「スタッフや俳優部に背中をあずけるのがとても上手い」「監督ひとりでは出てこないかもしれないアイデアや発想を周りから巧みに引き出していきます。撮影中でも、俳優部やスタッフからの意見を良く取り入れている」と話し、周囲との信頼関係を強固に築いていく人柄をうかがわせる。
そんな“白石組”に参加した俳優たちからは、再出演を希望する声が後を絶たないという。「すべての撮影現場で共通して、白石監督と俳優部はある種の共犯関係がある気がしています。面白い物語、面白いキャラクターを作り上げる上での監督と俳優部の共犯関係。そして、その思いに共感した俳優部から出てくるさらなるアイデアを監督がしっかりと受け止めてくれるのも俳優部から愛される要因だと思います。その上で、監督から次回作の話を聞くと、さらにセンセーショナルな題材や登場人物が用意されていて、『出ませんか?』と問われれば、表現者の欲求として再出演を希望するのは自然なことなのかもしれません」。製作側と観客、両者の心をつかむ白石監督の今後に期待は高まる一方だ。
「サニー32」は、ネットで「犯罪史上最も可愛い殺人犯」と神格化された11歳の少女“サニー”の信奉者である柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)に、中学校教師の藤井赤理(北原)が誘拐され、いたぶられていくさまを描いた完全オリジナル作品。2月9日に新潟・長岡で先行公開され、同17日から全国で公開される。
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