ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞作品賞はスピルバーグ監督「ペンタゴン・ペーパーズ」
2017年11月29日 14:15
[映画.com ニュース] アカデミー賞前しょう戦のひとつとして注目される、米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞が11月28日(現地時間)に発表され、作品賞にスティーブン・スピルバーグ監督「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」が選ばれた。
メリル・ストリープ&トム・ハンクス共演の本作は、1971年のアメリカを舞台に、ベトナム戦争に関する国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在を隠蔽する政府に立ち向かった、ジャーナリストたちの実話を描く社会派ドラマ。アメリカ初の女性新聞発行人であるワシントン・ポスト紙のキャサリン・グラハム(ストリープ)が、同紙の編集主幹ベン・ブラッドリー(ハンクス)らとともに、ライバル紙のニューヨーク・タイムズと連携し真実を世に出そうとする。スピルバーグ監督作、2大オスカー俳優の共演作として注目の本作は、作品賞のほか、主演男優賞、主演女優賞も受賞した。
監督賞に輝いたのは、「レディ・バード(原題)」で長編初メガホンをとった女優グレタ・ガーウィグ。映画批評サイトのロッテントマトで「トイ・ストーリー2」を抜いて歴代最高評価を獲得した本作は、ガーウィグの出身地である米カリフォルニア州サクラメントを舞台にした彼女の半自伝的作品で、自由を渇望する女子高生クリスティンと、夫に代わって家計を支える母マリオンの複雑な母娘関係をコミカルに描いている。クリスティン役をシアーシャ・ローナン、母役をローリー・メトカーフが演じており、ガーウィグの監督賞のほか、メトカーフが助演女優賞を受賞した。
また、助演男優賞は「The Florida Project」のウィレム・デフォーが受賞。本作は、モーテルで暮らす6歳の少女と奔放な母、親子を見守るモーテルの管理人(デフォー)を描く物語で、「タンジェリン」のショーン・ベイカーが監督を務めた。
なお、優秀作品10本は「ベイビー・ドライバー」「コール・ミー・バイ・ユア・ネーム(原題)」「The Disaster Artist」「ダウンサイズ」「ダンケルク」「The Florida Project」「ゲット・アウト」「レディ・バード(原題)」「LOGAN ローガン」「Phantom Thread」だった。
主な受賞結果は以下の通り。
▽監督賞 グレタ・ガーウィグ「レディ・バード(原題)」
▽主演男優賞 トム・ハンクス「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」
▽主演女優賞 メリル・ストリープ「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」
▽助演男優賞 ウィレム・デフォー「The Florida Project」
▽助演女優賞 ローリー・メトカーフ「レディ・バード(原題)」
▽脚本賞 ポール・トーマス・アンダーソン「Phantom Thread」
▽脚色賞 スコット・ノイスタッター&マイケル・H・ウェバー「The Disaster Artist」
▽アニメーション映画賞 「リメンバー・ミー」
▽ブレイクスルー演技賞 ティモシー・シャラメット「コール・ミー・バイ・ユア・ネーム(原題)」
▽新人監督賞 ジョーダン・ピール「ゲット・アウト」
▽外国語映画賞 「Foxtrot」(イスラエル)
▽ドキュメンタリー映画賞 「Jane」
▽アンサンブル演技賞 「ゲット・アウト」