「幼な子われらに生まれ」、“日本代表”としてモントリオール映画祭コンペ部門に出品!
2017年8月23日 05:00
[映画.com ニュース] 浅野忠信と田中麗奈が夫婦役を演じ、直木賞作家・重松清氏が1996年に発表した小説を実写映画化した「幼な子われらに生まれ」が、8月24日(現地時間)にカナダで開幕する第41回モントリオール世界映画祭のコンペティション部門に正式出品されることがわかった。
バツイチ同士で再婚した中年サラリーマン・信(浅野)と妻の奈苗(田中)。奈苗の妊娠を機に、奈苗の連れ子である長女が「本当のパパに会いたい」と訴えたことから、家族の仲がギクシャクしていく。「しあわせのパン」「繕い裁つ人」の三島有紀子監督がメガホンをとり、宮藤官九郎、寺島しのぶらが脇を固める。
モントリオール世界映画祭は、トロント国際映画祭と並ぶ北米最大規模の映画祭。近年の日本映画では、2016年に「たたら侍」がワールドコンペティション部門最優秀芸術賞、14年に「そこのみにて光輝く」の呉美保監督が最優秀監督賞、「ふしぎな岬の物語」が審査員特別賞とエキュメニカル賞、11年に「わが母の記」が審査員特別大賞、13年に「利休にたずねよ」が最優秀芸術貢献賞、10年に「悪人」の深津絵里が最優秀女優賞を獲得するなど、日本映画界にとっては縁が深い。
今回のモントリオール世界映画祭では、コンペティション部門に選ばれた18作品の中で、本作が唯一の日本映画。メガホンをとった三島監督は、14年に「ぶどうのなみだ」で同映画祭のワールド・グレイツ部門に招待されており、自身としては2回目のモントリオール世界映画祭出品となる。
三島監督は、「スタッフ・キャストみんなで心を込めて作った作品が、憧れのモントリオール世界映画祭のコンペティション部門に選ばれ、このうえない幸せを感じています。文化によって家族のコミュニケーションの仕方は異なりますが、家族は普遍なもの。日本のある種の家族の姿が世界中でどう受け止められるか、興味深いですし、伝わってくれるといいと思っています」と喜びを語る。「いま世界で起こっていること、日本で起こっていることを見ていると、人間を嫌いになることが多くなってきました。でも、人間は愛おしい生き物だということをこの映画では再認識してもらえると思います。だから英語タイトルは『DEAR ETRANGER』(親愛なる異邦人の意)にしました。たくさんの皆さまに届きますよう祈っております」と思いをはせた。
「幼な子われらに生まれ」は、8月26日から全国公開。第41回モントリオール世界映画祭は、8月24日から9月4日(現地時間)まで開催。