繕い裁つ人

劇場公開日:

繕い裁つ人

解説

中谷美紀の主演で、町の仕立て屋と常連客たちとの織りなす日々を描いた池辺葵の同名人気コミックを実写映画化。神戸の街を見渡す坂の上にある仕立て屋「南洋裁店」。初代の祖母から店を継いだ2代目店主・市江が手がけるオーダーメイドの洋服は大人気だが、昔ながらの職人スタイルを貫く手作りのため、量産はできない。市江はデパートからのブランド化の依頼にも興味を示さず、祖母が常連のために作った服を直し、たまに新しい服を作るという日々に満足していたが……。共演に三浦貴大、片桐はいり、杉咲花、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子ら。監督は「ぶどうのなみだ」「しあわせのパン」の三島有紀子。

2015年製作/104分/G/日本
配給:ギャガ
劇場公開日:2015年1月31日

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(C)2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会

映画レビュー

4.0【”誰かのための生涯の一着”今作は、オーダーメイドの一着を着る事の喜びと、それを作る事の難しさと拘りを持つ仕立て屋の女性の姿を、静謐なタッチで描いた作品である。】

2024年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

ー 中谷美紀さんは、最近は作家としてもご活躍されているが、今作を観ると矢張り清楚で美しい和風美人である。
  今作は、そんな彼女が、祖母から引き継いだこだわりの仕立て屋を品性高く演じている作品である。-

◆感想

・街中から洋裁店が消えて行ったのは、いつ頃だろうか。今作の舞台になった神戸では、今でもあるのだろうか。

・洋裁店で服を作ると、店主が手際よく採寸し、型紙を作り布を裁ち、それを一着の服に仕立て上げる。
 普通は、その一連の流れを見る事は叶わないが(そもそも、オーダーメイドが出来上がるには、日数がかかる。)出来上がった服は、今作で年老いた男性が言うように身体に見事にフィットして、当然の如く着心地が良い。

・私が、”吊るし”を買わない理由は、経済的だからである。
 イニシャルコストは確かに高いが、今作でも描かれているように一人一人の型紙があるので、身体の変化に直しを依頼すれば対応してくれて、ランニングコストで考えても経済的であるし、何よりも着やすい服を長年着れるという、安心感があるからである。

・今作が良いのは、そのような仕立て屋さん、しかも拘りのある仕立て屋さんであるイチエ(中谷美紀)の姿と、彼女の仕事に敬意を表しつつブランド化を持ちかける百貨店勤めの藤井(三浦貴大)の交流が何だか素敵だからである。
 藤井はブランド化を進めると言いながら、全然ブランド化を強く勧めずに、逆に一品生産をするイチエの姿を只管に追っている所が良いのである。

■一番美しいのは、藤井の車椅子の妹(黒木華)を最初はイチエが恋人と勘違いするも、彼女の結婚式の際に、足が不自由になった事で引きこもりがちだった彼女を、積極的に外に出すきっかけとなった青い服の首周りの装飾の一部を使ってイチエが使って作ったウエディングドレスを着る藤井の妹の姿であろう。
 正に時を越えての服の力である。

<今作では、更に30歳未満が入れない”夜会”のシーンに、今や邦画の若手女優として輝く、杉咲花さんと永野芽衣さんと小野花梨さんが高校生役(と言うか、高校生だったのかな。)が出演しているのも、嬉しい作品である。>

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NOBU

4.0とても素敵な作品でした。

Mさん
2024年6月3日
Androidアプリから投稿

が、何か作為を感じてしまって、素直に感動できませんでした。服飾関係に興味があれば、ずいぶん違ったのかもしれません。
まだ子供にしか見えない杉咲さんや永野さんが見れて得したような気がしました。
あと、三浦さんのことをよく知らず、最初、「松坂桃李さん、なんかイメージ違うよな」と思いつつ見ていました。でも気づいた後でよく見ると、やはり山口百恵さんに似てますね。
何か一点、とても気に入った服を作って、大切に着ていきたいなあと思いました。

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M

3.0「モノづくり」をテーマとしつつ最後には監督の映画論に至る

2023年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

本作ではまず、逆光に彩られた洋裁店の作業室の美しさが目につく。ついで洋裁店兼住居の建物、そこに連なる喫茶店、教師宅の庭等々…こうしたモノの美しさを監督は穏やかだが華やかさを秘めた色彩で映像に定着させていく。

ストーリーは洋服というモノづくりで充足した生活を送る仕立屋の女性と、彼女を取り巻くコミュニティを淡々と描いていき、そこにはほとんどドラマらしきものがない。主人公は仕立屋というより、「モノづくり」そのもの、いや「モノ自体」のように見える。

モノの美しさ、モノに纏わりついた人々の日常と記憶、モノづくりに携わる人々、モノを鑑賞し利用し慈しむ人々、モノを取り巻く理想郷をテーマにした「モノ」の映画。それが本作である。

モノとヒトとは別個独立に存在するものだが、モノが意味として発現するにはヒトが介在しなければならない。するとモノには変化がなくてもヒトが変化するとモノの意味も、つまりモノ自体も変化してしまう。

チーズケーキの味が変わったのかと尋ねる主人公に対し、店主が「創業以来変わらない味だ」と答えるのは、そうしたモノとヒト、モノづくりと社会との関係の本質を描いたものだろう。ここで「モノ」を「映画」に置き換えると、本作は監督の映画論、芸術論になると思われる。

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徒然草枕

3.5終始ゆったりと時間が流れている良作。 デパートからブランド化の話が...

2023年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

終始ゆったりと時間が流れている良作。
デパートからブランド化の話があるも、常連客との付き合いを優先して断る女性仕立て屋。
内心では自分のデザインを商品化してみたいが、個別の客との深い付き合いを捨てることができない葛藤は分かる。
一見お嬢様風の主人公だが、お茶を入れる際に茶葉をぶちまけてしまったり、チーズケーキをホールで食べて幸せそうな笑顔を見せたりと素顔も魅力的だ。

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省二