「ロマンポルノ」リブートプロジェクトに塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勲が挑む!
2016年3月14日 05:00
[映画.com ニュース] 生誕45周年を迎えた成人映画レーベル「日活ロマンポルノ」のリブートプロジェクトが始動し、新作のメガホンをとる5人の監督陣が発表された。塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勲という日本映画界を牽引する監督が結集し、新たな“ロマンとエロス”を世に送り出す。
1971~88年に製作され、一定のルールの中で撮影するという特質を有した同レーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る」「「70~80分前後の上映時間」「全作品が同じ製作費」「撮影期間が1週間程度」という条件のもと、17年間に約1100作品が継続して公開された。条件を守れば比較的自由に作ることができたため、創意工夫に富む若手監督たちが新たな表現に挑み続けた結果、「最もセンセーショナルな作品レーベル」として国内外で高く評価されている。
再起動となる本プロジェクトでは、従来のルールのほか「これまでにロマンポルノを監督したことがない者」「オリジナル作品であること」が追加されている。ロマンポルノ作品の脚本を多数執筆した大和屋竺に師事した塩田監督(「黄泉がえり」「どろろ」)は、躍動感たっぷりの“バトル”をテーマに、奔放な女と翻弄される男の駆け引きを映し出す。「凶悪」でその名をとどろかせた白石監督は、“社会派”の視点で現代に生きる女たちを活写する。
さらに、園監督(「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」)が少女の妄想と現実が入り乱れる極彩色の“アート”を描く。日活に入社し、ロマンポルノの現場で助監督を務めていた中田監督(「リング」「仄暗い水の底から」)は、師匠・小沼勝監督へ敬意を込め、旧作の魂を継いだ“レズビアン”の世界に挑戦する。
そして「世界の中心で、愛をさけぶ」「真夜中の五分前」など、数々のラブストーリーを手がけてきた行定監督は、“ロマンス”を主軸に据え、これまで語り尽くせなかった「性愛」という愛の本質を追求。監督・脚本・プロデューサーを務めた「贅沢な骨」から15年、切なく官能的な大人の情愛をえぐり出す入魂の1作となる。
「ROMAN PORNO REBOOT PROJECT」の各作品は、今冬に東京・新宿武蔵野館で順次公開予定。新作の上映にあわせ、「BSスカパー!」ではR15+版が放送される。