佐藤浩市、警察広報官演じた「64」前後編は「泥臭く見えるようにしたかった」
2016年3月7日 18:34

[映画.com ニュース]横山秀夫氏のベストセラー小説を2部作で映画化する「64 ロクヨン 前編」「64 ロクヨン 後編」の完成報告会見が3月7日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、主演の佐藤浩市、原作者の横山氏、メガホンをとった瀬々敬久監督をはじめ豪華キャスト陣が勢ぞろいした。
元刑事の警察広報官・三上義信(佐藤)が、未解決事件「ロクヨン」を模倣した新たな事件に対峙する姿を通して、広報室と記者クラブ、警務部と刑事部の確執や攻防を迫真のスケールで描く。前後編合わせて4時間という今作を、ほぼ出ずっぱりの状態で演じきった佐藤。「ここまで身を削った映画は久々だと、自分の中で体感しました」と振り返り、「広報の人間たちと記者たちの関係性のなかで、人間臭く、泥臭く見えるようにしたかった。お互いの腹を探りあう腹芸もあれば、本音でぶつかり合うこともある。そういう風に行かなければいけないと思った」と映画に込めた思いを明かした。
この日の会見には綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、瑛太、永瀬正敏、三浦友和も出席。佐藤はキャスト陣に目を向け、「これだけのメンバーと三上10番勝負のように、こちらのひとが終われば次はこちらの方(と撮影した)。対決シーンが、この映画に対する期待感と一緒に膨らんでいった。その反面、刀傷を追いながらゴールまで向かったという、1年前を思い出しました」としみじみと語る。そして、「スクリーンを通して、それが高揚感として伝わるものになっていると思います」と絶大な自信をのぞかせた。
また、撮影中は酒席で絆を深める機会が多かったようで、県警本部長・辻内役の椎名は「前乗りで新潟に入りまして、日ごろ敬愛している佐藤先輩が飲みに連れて行ってくださった。座長を称えたいと思います」と最敬礼。これを受け、佐藤は「お酒をいっぱいおごらせて頂いたおかげで、本当にサディスティックな椎名桔平を見ることができました」とほほ笑んだ。
さらに、原作者の横山氏は「瀬々監督や佐藤浩市さんは、原作を凌駕したと余裕しゃくしゃくの表情でおられますが、活字の人間としては超えられたとは微塵も思っていません」とピシャリ。それでも、「本物の人間たちが参集して本気でものを作ると、かくもすさまじい映画ができるのだと感服いたしました」といい、「本当に手強い相手だなと思いました」と称えた。瀬々監督も「横山さんとはいろいろありましたが、今日は仲良くやっていきたいと思います」と笑顔で話し、互いのプライドをぶつけ合い完成に向かっていったことをうかがわせた。
「64 ロクヨン 前編」は5月7日、「64 ロクヨン 後編」は6月1日に全国で公開。
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