アダム・ドライバー「SW フォースの覚醒」カイロ・レンで体現した変わらぬ役作り
2015年12月16日 12:00
[映画.com ニュース] J・J・エイブラムス監督がメガホンをとった世界的な人気シリーズの最新作「スター・ウォーズ フォースの覚醒」が、12月18日に公開される。今作で新たな悪役カイロ・レンに扮した米俳優アダム・ドライバーに話を聞いた。
ドライバーは、クリント・イーストウッド監督作「J・エドガー」(2011)で長編映画デビュー。その後は、ノア・バームバック監督作「フランシス・ハ」、スティーブン・スピルバーグ監督作「リンカーン」などに出演し、マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説「沈黙」を映画化する「Silence」(16年公開予定)にもキャスティングされている。
今作で演じたカイロ・レンに役作りとして肉付けしていくうえで重要だったのは、「根本的に自分のやった作業は、出来るだけ地に足のついた人物像を描いていかなければならないということにたどり着いたんです」と明かす。黒澤明監督の「七人の侍」や「隠し砦の三悪人」を見直して参考にしたというが、「どうやってキャラクターを現実的なものにできるか。ダースべイダーは何においても制御されているというか完ぺきな人物という印象が強いですよね。カイロ・レンは悪役といわれているけれど、彼の世界では悪ではなく、あくまでも正義なんだ。そこを立体づけていくことが重要な要素でしたね」と語った。
上述の通り、これまでに出演してきた作品は現実的なテーマを扱ったものが多かった。そんな中、世界的な人気SFシリーズへの出演で、役へのアプローチに変化が生じることはなかったのか。「どういうプロセスでアプローチするかを決め込まないようにしているんだ。それによって狭まってしまう心配もあるし、いろいろ考えても答えに正解ってないような気がするんです」と答えながらも、「何しろ今回はあまりのスケールの大きさに圧倒されるものがありました。その事について監督と率直に話をしたことがあるんですが、『物語はひとつのモーメントから次のモーメントへとひとつひとつをかみ砕いて積み上げていく事で、最終的に全体像が見えてくるんじゃないか』と言われて、世界がぱーっと開けてきたんです。この作品はすごく大きなSFの世界だけど、今までやってきた仕事とまったく変わっていない。インディペンデントにしろ大作にしろ、差がないんだなと感じたんだ」と真摯な面持ちで説明する。
だからこそ、今後の作品選びにも迷いはないと断言する。「影響は受けないと思います。僕にとっては、どの監督とどういう内容のものをやるかが常に大切。自分のやるべき役が、ストーリーの中で面白く描かれているのであれば、バジェットは関係ない。僕は、偉大で素晴らしい監督たちと仕事ができればいいなあと願っているだけなんです」。ただ、映画やテレビドラマに出演することで知名度が上がることで、残念なこともあるそうで「役者としては誰からも知られていないスパイのような存在でいることがベストだと僕は思っているんだけど、大きな作品に出ることによって気付かれる事も多くなってね。とてもありがたい事ではあるのですが、『やっぱりもうスパイではいられないんだな』と思うことはあります。ただ、こうして日本に来られたり、いろいろな文化に触れることができる事も大きな喜びですし、感謝していますよ」。
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