本木雅弘「おくりびと」以来7年ぶり映画主演 西川美和監督「永い言い訳」で深津絵里と夫婦に
2015年8月18日 05:00
[映画.com ニュース] 俳優の本木雅弘が、来秋公開の西川美和監督作「永い言い訳」で主演を務めていることがわかった。公開中の「日本のいちばん長い日」で昭和天皇という大役を演じ、来月12日には江口洋介と共演した「天空の蜂」が公開されるなど話題作続きの本木だが、映画への主演は「おくりびと」以来7年ぶりとなる。また、妻役を演じる深津絵里とは21年ぶりに共演していることがわかった。
「ゆれる」「ディア・ドクター」など常にオリジナル作品を手がけ、高い評価を得てきた西川監督が、第153回直木賞の候補になった自著の映画化でメガホンをとる同作は、事故で妻を亡くした作家を主人公に、突然家族を失った者たちがどのように人生を取り戻していくのか、人と人との出会いと別れを鋭くも優しいまなざしで描く人間ドラマ。
本木が演じるのは、主人公となる人気作家・津村啓こと衣笠幸夫。長年連れ添った妻の夏子を突然のバス事故で失うが、夏子との間には既に愛情と呼べるものはなく、悲しみを演じることしかできずにいた。そんなある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族で、妻の死に憔悴(しょうすい)したトラック運転手の陽一と、母を亡くした幼い兄妹と出会った幸夫は、自分でも理由がわからぬまま、兄妹の面倒を見ることを申し出る。
本木は原作小説と脚本を読み、「おそらく誰もが、内視鏡で心の奥を覗かれたような恥ずかしさと共に、これは自分のことが書いてある! と、思うでしょう」と幸夫のキャラクターにほれ込んで出演を快諾。「西川さんは、小説と映画は別物、切りはなして考えていると仰っていますが、自分は、この小説の味わいに翻弄され悦びを得たひとりとして、読者の期待も裏切らない作品に仕上げたいという思いで努力しています」と、幸夫役に打ち込んでいる。
西川監督とは初タッグで、女性監督の作品も初体験だが「少しの毒と、温かみのある西川演出にハマっています」と相性も抜群の様子。「本木雅弘さんは、映画を志した頃から『いつかは』という思いを寄せていた人でした」と語る西川監督も、「会ってびっくり、恐ろしいほどこの物語の主人公に酷似しているのです。この人しかいない、と思いました」と全幅の信頼を寄せている。そして、「本木さんがこの作品にかけてくれているまっすぐでひたむきな愛と真摯さは、日々私たちのこころを支えてくれています」と話している。
あわせて、幸夫と同じく事故で妻を亡くしたトラック運転手の陽一役をミュージシャンの竹原ピストル、幸夫の亡き妻・夏子役を深津が演じることも明らかに。本木は、竹原について「役以前に原石としての人間力が上等過ぎて嫉妬するばかりです」とコメントし、1995年のテレビドラマ「最高の片思い」以来21年ぶりの共演となった深津についても「年を重ねても変わらぬ透明感に神秘を感じています」と話している。
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