新垣結衣、アンジェラ・アキの名曲から生まれた「くちびるに歌を」で初の教師役に
2014年7月8日 06:00
[映画.com ニュース] 女優の新垣結衣が、シンガーソングライターのアンジェラ・アキの名曲「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」から生まれた中田永一氏の小説を映画化する「くちびるに歌を」に主演することがわかった。かつて天才ピアニストだったと噂される臨時教師の柏木ユリを演じ、初の教師役に挑戦する。
原作は、2008年にNHK全国学校音楽コンクール課題曲となった「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の作者アンジェラ・アキが、全国の中学生に会いに行き、直接対話をするというテレビドキュメンタリーのエピソードをもとに書き下ろされた「くちびるに歌を」(小学館刊)。乙一のペンネームでも知られる中田氏が11年に発表した小説で、第61回小学館児童出版文化賞を受賞したほか、読書家のコミュニティサイト「読書メーター」でおすすめランキング第1位になるなど、高い支持を集めた。
物語の舞台は、長崎県・五島列島の中学校。ある日、天才ピアニストだったと噂される臨時教員の柏木ユリが、東京から故郷である島へ戻ってくる。合唱部の顧問となった彼女は、コンクール出場を目指す部員たちに「15年後の自分」へ手紙を書くという課題を出し、部員たちの書いた手紙には、15歳の少年少女が抱える悩みや秘密がつづられていく。自然豊かな田舎の学校に赴任してきた女性教師と生徒たちの交流を描く、現代版「二十四の瞳」とも言える作品だ。
新垣が演じるのは、とびきりの美人だが、愛車はボロボロのトラックで性格もぶっきらぼうという音楽教師・柏木。自身初の教師役に、新垣は「そんな年齢になったんだなあということを改めて実感しています」としながら、「ただ実際は、自分がイメージしていたよりもずっと中身は子どもで、どんなに年齢を重ねようが、その時その時で困難にぶつかることはあって、そんな心境や状況は柏木ユリやアンジェラ・アキさんの『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』という曲の歌詞にとてもリンクするなと思います。そんなわけで大事に撮影期間を過ごしていけたらなと思います」と現在の心境を告白。クランクインを前に、ピアノの猛特訓にも励んだという。
柏木と並んで重要な役割を担う合唱部の生徒たちを演じるのは、恒松祐里、下田翔大、葵わかな、柴田杏花、山口まゆ、佐野勇斗、室井響と全員がオーディションで抜てきされた若手たち。また、柏木の親友で彼女を臨時教員として故郷に呼び戻す産休間近の音楽教師ハルコ役で木村文乃、柏木に思いを寄せる同僚・塚本役で桐谷健太、合唱部員サトルの兄役でバンド「黒猫チェルシー」のボーカリスト・渡辺大知が共演するほか、木村多江、小木茂光、眞島秀和、石田ひかり、角替和枝、井川比佐志ら実力派が脇を固める。
「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を主題歌として提供するアンジェラ・アキは、コンクールを通して交流した、五島列島・若松島の中学生たちとの日々を思い返しながら、「若松島に降り立った日のことを鮮明に思い出しました。その長崎・五島列島の美しい風景や、そこに暮らす大らかであたたかい人たちの姿が映画になって、心から嬉しく思います。この作品が一人でも多くの人に届くことを願います」とコメントを寄せている。
監督は「僕等がいた」「陽だまりの彼女」「ホットロード」「アオハライド」など、話題作を立て続けに手がけている三木孝浩が務める。15年2月全国公開。
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