日活創立100周年記念「生きつづけるロマンポルノ」全上映作品決定
2012年3月16日 18:00
[映画.com ニュース] 日本最古の映画会社である日活の創立100周年を記念し、1970~80年代に社会に旋風を巻き起こした「日活ロマンポルノ」の特集上映が行われることになった。「生きつづけるロマンポルノ」と題された今企画は、リアルタイムで作品に接し批評し続けてきた蓮實重彦氏、山田宏一氏、山根貞男氏が、“今、見るべき”ロマンポルノ32タイトルを厳選した。
日活ロマンポルノは71~88年、日活で製作された成人映画で、わずか17年間で約1100本が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に製作することができたため、多くのプロデューサー、監督、脚本家、俳優が参加。神代辰巳、田中登、小沼勝、曾根中生、村川透、根岸吉太郎、池田敏春、金子修介ら多くの名監督を生み出した。
現在でも世界各国で回顧上映が行われるなど、根強い人気を誇るロマンポルノ。3人の選者が挙げた32タイトルのうち、一部の作品はニュープリントで公開するという。山根氏は、困難な作業を「これだけの数量であれば、玉石混淆であることは容易に想像できよう。そして、『玉』『石』を見分けることなど簡単にできないことも、だれの眼にも明らかであろう」と述懐。だからこそ、「素敵な『玉』、見るべき作品は、まだまだ数多くある。今回の選択作業が、魅惑の日活ロマンポルノへの誘いになり、さらなる上映への第一歩になれば幸いである」とコメントを寄せている。
また今回は、初の試み「参加型特集上映」として、ラインナップされなかった作品の中から、観客から見たい作品を募る。投票で1位になった作品は、32本とは別枠で特別に上映されることが決定した。
「生きつづけるロマンポルノ」は、5月12日から東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。
なお、上映作品は以下の通り。
「白い指の戯れ」(村川透監督)
「夜汽車の女」(田中登監督)
「艶説 お富与三郎」(加藤彰監督)
「(秘)女郎市場」(曾根中生監督)
「一条さゆり 濡れた欲情」(神代辰巳監督)
「戦国ロック 疾風の女たち」(長谷部安春監督)
「恋人たちは濡れた」(神代辰巳監督)
「濡れた荒野を走れ」(澤田幸弘監督)
「愛に濡れたわたし」(加藤彰監督)
「四畳半襖の裏張り」(神代辰巳監督)
「四畳半襖の裏張り しのび肌」(神代辰巳監督)
「(秘)色情めす市場」(田中登監督)
「赤線玉の井 ぬけられます」(神代辰巳監督)
「生贄夫人」(小沼勝監督)
「実録阿部定」(田中登監督)
「わたしのSEX白書 絶頂度」(曾根中生監督)
「『妻たちの午後は』より 官能の檻」(西村昭五郎監督)
「花芯の刺青 熟れた壷」(小沼勝監督)
「新宿乱れ街 いくまで待って」(曾根中生監督)
「さすらいの恋人 眩暈」(小沼勝監督)
「人妻集団暴行致死事件」(田中登監督)
「エロチックな関係」(長谷部安春監督)
「天使のはらわた 赤い教室」(曾根中生監督)
「赤赤い髪の女」(神代辰巳監督)
「おんなの細道 濡れた海峡」(武田一成監督)
「山の手夫人 性愛の日々」(小沼勝監督)
「宇能鴻一郎の浮気日記」(白井伸明監督)
「妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…」(小沼勝監督)
「美少女プロレス 失神10秒前」(那須博之監督)
「ラブホテル」(相米慎二監督)
「箱の中の女 処女いけにえ」(小沼勝監督)
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