天使のはらわた 赤い教室

劇場公開日:

解説

暴行現場を8ミリで撮られ、それがブルーフィルムとして街に出まわってしまったことから、地獄のような生活を余儀なくされた女の姿を描く。週刊ヤングコミックに連載中の石井隆の同名劇画の映画化で前作「女高生 天使のはらわた」に続くシリーズ第二作目。脚本は石井隆と「博多っ子純情」の曽根中生の共同執筆、監督も同作の曽根中生、撮影は「ハワイアン・ラブ 危険なハネムーン」の水野屋信正がそれぞれ担当。

1979年製作/79分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1979年1月16日

ストーリー

息抜きに来た温泉町でブルーフィルムを観たポルノ雑誌の編集者村木哲郎は、迫真の“演技”でレイプされる女に釘付けになってしまった。その女の“顔”は村木の使っているモデルからは想像も出来ないものだった。東京に帰った村木は、早速女の居所をつきとめようと心当りを捜すが、結局見つからなかった。ある日、撮影でラブホテルに行った村木は、そのホテルで受付をしているあの“女”士屋名美に出会う。村木は名美に、ブルーフィルムで観たあなたの顔が忘れられない。雑誌のモデルになってくれと頼むが、彼女にとって、そのブルーフィルムは忌わしい思い出でしかなかった。それは、彼女が学生時代に実際に強姦されたとき撮られたもので、その後、それを見た男たちは、それをネタに彼女に近づいてくるのだった。拒む彼女をなんとか説得した村木は明日の再会を約束して別れた。しかし、翌日、村木は雑誌のことで警察に呼ばれ、名美との約束の場所に行くことが出来なかった。それから三年が過ぎ、村木は結婚をして、女の子も生まれた。ある日、仲間と場末のバーに繰り出した村木はそこで、街頭の女になり果てた名美に出くわした。しつこく追う村木を、名美は、ヒモのマー坊を使って店から叩き出すのである。翌日、二日酔の頭を抱え、名美のいる店を尋ねた村木は、マー坊に手ひどく痛めつけられてしまう。名美が止めに入ったときには意識も薄らいでおり、目覚めたとき、村木は店の二階で寝かされていた。そして、隣室から洩れる異様な声に気づき、ふすまの隙間から覗くと、そこで、名美とマー坊が客の前で白黒ショーを演じている。マー坊の果てた後、次々と群がる客を相手にする名美を、村木は見ることが出来なかった。客の帰った後、名美をここから救い出そうとする村木の言葉に、名美はどうしようもない思いに、言葉を荒げた。二人は互いの思いを振りきるように、背を向けて去って行くのであった……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5曽根中生監督の映画愛が感じられる、にっかつ映画の佳作

2021年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

曽根中生監督の映画愛が感じられた。
確かな演出技巧を持って、ポルノ産業に対する皮肉と情愛を絡ませながら描いている点が、とても面白く興味深かった。そこには、性描写を粘り強く表現しなくてはならない使命感と、劇映画にまとめる作劇の努力の葛藤がある。ひとりの女性を探し求める男の哀切なる心情を執拗に描いたストーリー。現在のロマンポルノの中に、古風なメロドラマを試す映画狂の特質を発見する驚きがあった。この脚本と演出に、主演水原ゆう紀の好演。観て良かったにっかつ映画になる。

  1980年 2月19日  ギンレイホール

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Gustav

3.0名美

2021年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ブルーフィルム(ちょっと古臭い)に出ていた女優(水原ゆう紀)にのめり込んでしまった、グラビア雑誌編集者(蟹江敬三)はこの女優の名美を探し当てるが、待ち合わせ日に逮捕されてしまう。
三年後、会うことが出来るが・・・。
名美の投げやりみたいで、そうでもない生き方が魅力的。

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いやよセブン

4.5本作もまた70年安保闘争のトラウマを反映している

2019年11月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日活ロマンポルノ
昭和の淫靡さ、貧乏臭さもまたフィルムの中に閉じ込められている
そこも味だ

家庭用ホームビデオが普及する以前、男性達の性的欲求の捌け口は、場末の劇場で上映されるピンク映画か、本作劇中の様な非合法のブルーフィルムを細々と隠れて見るものしかなかった

エロ本なら、非合法なものも水面下で売られてはいたが、本作で登場する様な自主規制でギリギリのものなら全国の書店などで売られており誰でも買えた

だから映画も映倫の自主規制の枠の中で合法化したエロ映画をピンク映画の様に細々とではなく、全国の配給網に供給するというのは、斜陽産業と化した日本映画界で、会社存続の為の方策の一つなのは間違いない
なにしろライバルのテレビでは放送できないものからだ
清く正しくを社是とするライバル映画会社も真似はできない
今風に言えばブルーオーシャン戦略だ

だから求められるものは、基本男性達の性欲の捌け口たる映画であって、劇中で登場人物が語る様に、そこに芸術や政治的なものは不純物なのだ

しかしそのエロ映画であるという基本を押さえつつ、ドラマを追い求めたのもこの日本ロマンポルノの特徴だろう

ドラマという不純物を徹底的に排除したものが、現代に溢れているAVになるのだ
AVの中にもドラマを忘れない作品も中にはあるかも知れない
それはいまや貴重な日本ロマンポルノの末裔だろう

本作はその不純物がある
しかしエロ映画としても成立させている
むしろ不純物自体が本作を観る価値と意義と意味をもたらしている

本作の原作は石井隆のエロ劇画
読んだのは遥か昔のことで何もかも覚えていないが、画力のある緻密な描画、映画的な構図は印象に残っている
本作にはその原作者が脚本に参加しており、彼の劇画の雰囲気を思い出させる感覚がある

原作者は1946年生まれの団塊の世代
そして観客もまた、30代にさしかかろうとういう団塊の世代

本作もまた70年安保闘争のトラウマを反映している
名美は70年安保闘争の理想なのだと捉えれば、すぐに隠されてある意味合いが本作に深みをもたらしていることがわかる

若く美しい清純な名美は、男達に暴行されブルーフィルムに撮られてしまい汚される
もちろん、70年安保闘争と激しい学園運動の敗北の記憶だ
終盤ではセーラー服の女子高生が名美の目の前でかっての自分の様に男達に暴行される
名美がそれを見る視線は、60年安保世代が70年安保闘争の結末を見る、60年安保世代の監督の視線だ

そしてまた団塊の世代の鎮魂歌であるのだ
雑誌編集者の村木も、演歌歌手崩れのバーの男も団塊の世代であり、青春の理想を深く追い求めた挙げ句、世間から落ちこぼれたのだ
気が付けばもう若くもないのだ
パッとしない行く末が見通せてしまう歳なのだ

村木は3年後の設定で、別の女と所帯を持って赤ん坊まで産まれて、小市民的な幸せな家庭の中にあると描かれるのだ
しかも不倫相手でエロかった女が、いまではすっかり落ちついた家庭的な主婦なのだ
バーの男は最早惨めな未来しかないだろうことも

これだけのことをエロ映画に投影することで、本作は俄然当時の団塊の世代の人々の胸を震わせ激しく共感させる作品になり得たのだ

水原ゆう紀、蟹江敬三の演技も素晴らしく、演出も目を引くシーンが多い
若い男が名美に旅館に連れ込まれで、何度も迫られる内に女の怖さを味わうシーンは見事だ

21世紀の現代の人々でも楽しむことができるレベルのものだ

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あき240

1.0退屈退屈超退屈

2017年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

評判が良かったがひどかった。ストーリーも退屈だが演出がまた輪をかけて退屈。引いたカメラで芸術性でも醸し出しているつもりかもしれんが退屈さが増長されているだけ。そのほかの演出も全て素人騙しで白ける。

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タンバラライ
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