バンパイアになってしまった神父の哀しみ パク・チャヌクの新作「渇き」
2010年2月26日 18:21

[映画.com ニュース] 「オールド・ボーイ」「JSA」で知られる韓国の鬼才パク・チャヌクの新作「渇き」が今週末に公開される。新種ワクチン開発の実験台となり、その際の輸血でバンパイアになってしまったカトリックの神父が、幼なじみの妻と恋に落ちて悶え苦しむ姿を描いた異色のラブストーリーだ。
「今までのバンパイア映画では神父はバンパイアを退治する側ですよね。そこで、神父がバンパイアになったら面白い映画になるのではと思ったんです。でも、それ以上に私は過酷な状況下にある神父の映画を作りたかったんだと思います。神父はミサのときにイエスの血の代用としてワインを飲みますよね。その人が他人の本当の血を飲んだらどうなるのだろうかと考えたわけです。つまり彼のアイデンティティが変わってしまう。その時、彼はものすごく大きな苦痛を抱えると思ったのです」
「人間対バンパイア」という単純な対立を描く従来のバンパイア映画の構造をあっさりと捨て去り、バンパイアとして生きていかざるをえなくなった聖職者の葛藤や哀しみを描いた点が新鮮だ。
「神父は自分が持っている宗教的信仰とバンパイアとしての生存本能という矛盾したものを常に抱えて、その狭間で選択を余儀なくされる。だから彼には悲劇が訪れてしまう。また、それと同時にコメディも生まれるんです。矛盾した2つのものを両立させようとしているから、そこに詭弁が出てくる。しっかり台詞を聞いていると、この神父は結構トンチンカンなことを話しているんです(笑)。だから、この映画を見てたくさん笑う人は彼の悲劇をよく理解していると思いますね」
そう語るパク監督だが、10年前に構想したときには「もっと暗い、ユーモアとはかけ離れた映画を作る」つもりだったという。

「時間が経つにつれ、怖く哀しい映画であるほど、ユーモアは豊かであって欲しいという思いが強くなっていったんです。逆のことを言えば、ユーモアがあればあるほど、怖さや哀しみが増すと考えるようになったんです。この映画が当初よりもコミカルになったのは、ソン・ガンホが主演したからという理由だけではないですね」
そのソン・ガンホのキャスティングは、10年前に運命的に決められていたそうだ。
「もし、ストーリーをしっかり決めて、脚本を何稿も書いて、その上で主演を決めていたら、イ・ビョンホンやチャン・ドンゴンに話を持っていったかも知れませんが、これは、ちょっと運命的なものがありまして、最初にこの映画のアイデアを聞かせた相手がソン・ガンホだったんです。だから、自然とこの映画は彼の主演で作るということになってました。今出来上がった映画をみたら、イ・ビョンホンやチャン・ドンゴンではなくソン・ガンホで良かったと思えるのですが、それは当然と言えば当然ですね(笑)」
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