トトロの森を描いた絵職人・男鹿和雄展、21日から東京で開催
2007年7月19日 12:00
[映画.com ニュース] 「となりのトトロ」や「もののけ姫」など、スタジオジブリ作品の背景画を数多く描き続けてきた、アニメーション美術監督の展覧会「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」が、7月21日より9月30日まで東京都現代美術館(MOT)で開催される。
男鹿氏は、52年秋田県生まれ。72年から多くのアニメーション作品の背景を手掛け、スタジオジブリには「となりのトトロ」(88)の美術監督で初参加。以降「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「もののけ姫」で美術監督を務めたほか、「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「ゲド戦記」と、ほとんどのジブリ作品の背景を手掛け、現在フリーランスで来夏公開の最新作「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)にも参加。宮崎駿監督に「『となりのトトロ』の世界の味を出しているのは、男鹿さんの美術だと思っています」と語られるように、自然の風景や森の動物や植物を、鮮やかな色合いとリアルな筆致で描く絵職人である彼の美術は、ジブリ作品になくてはならないものになっている。
本展は、スタジオジブリ、および三鷹の森ジブリ美術館の全面協力を得て開催されるもので、これまで関係者以外に観ることのできなかったジブリ作品の背景画を中心に、ジブリ以前の「侍ジャイアンツ」や「はだしのゲン」といった懐かしいTVや劇場映画の背景画、女優吉永小百合が原爆詩を朗読した詩集「第二楽章」など出版物の挿絵が、500点以上というかつてないスケールで一般公開される。ジブリ作品の名シーンの数々が心に甦る美しい大自然に、MOTで出会えるはずだ。