竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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腑に落ちたり落ちなかったり
川に取り残されている子どもをあまりに残酷に傍観する大人達と、泣く娘を振り払って助けにいく母親。
DV男から女子高生が1人で助けにいくのを周りが誰も止めない。
観ていて感情移入出来ませんでしたが、「傍観者にならず、1人でも行動しろ」ということが伝えたかったというコメントを見てから、この脚本も腑に落ちました。
母親が助けに行った理由とか、竜の虐待シーンですずのトラウマがフラッシュバックしたとかもこういうことなのだと分かりました。
児童虐待という重い問題に、「助ける」と言うだけじゃなくて、行動した。でも解決策があまりにも軽すぎて、行動はしてるけど実情は何も分かっていない子に思えました。
序盤は素晴らしい、終盤失速か…
お恥ずかしながらやっと竜とそばかすの姫を観に行ってきました。
まずインパクトがあったのは最初のベルが登場するシーンでの歌声、いつも家で聴いている音よりも遥かに臨場感のある音が私の体を包みました。この作品において歌はとても重要な役割を果たしていると思いました。ベルは喋って気持ちを伝えるというのはあまりこの映画ではありません、その歌で気持ちを表現するのが歌姫ベルです。
終盤差し掛かるあたりまではすずの成長や、周りの仲間との協力シーンなどにも胸を打たれる場面が何度かありました。特にベルがすずになりライブで歌うシーンは今思い出しても胸が熱くなります。
しかし竜の正体を探し出してからの駆け足感がえっえっという感じで頭がついていかず、全く今までのテンポとは違いショックを受けました。
もちろん映画なので全ては描かず、今後はどうなったなども受けてに任せるというのが醍醐味であるというのも分かりますが、いくらなんでもすずの成長するためのサイドストーリーとしてそこでの役目が終わったら、ほっぽって置きすぎなのではと思いました。
現代版美女と野獣、ではない!
美女と野獣のオマージュ的なシーンがCMでも多く垣間見えることに興味を持ち、いざ見てみると全然美女と野獣のようなラブストーリーではなくてがっかり。
てっきり竜とベルの恋物語かと思ってたーー!
!
ほんのり三角関係?って感じにフワッと終わってモヤモヤしました。
2人の恋物語でないなら、あれだけふんだんに美女と野獣のシーンを散りばめた意味があまり分からなかったです。
主人公が自分のライブに乱入して来た暴君になぜそこまで引き込まれて、興味を持ったの?
忍やおばさん達はどうしてすず=ベルって知ってたの?
というかおばさん達ラストに集まった意味ないような…。
カミシンのカチコチになるシーン長すぎて見てられない。
そもそもUの世界って実際どんな感じでみんな楽しんでるの?VRみたいな感じ??
いろいろ謎やツッコミ所が多すぎてとっ散らかったストーリーだな、という印象のまま終わった。
でも映画後の他の方のレビュー見て理解を深めるのが楽しかったので⭐︎3つ!
よくわからなかった
•自分にとって感情移入できるキャラクターがいなくて、良し悪しがよくわからなかった。状況なども理解できなくて、上の空になってしまった。あのネット世界に参加してる人達は、暇つぶしに参加してるように見えてきて、そのためあの世界の重要性がわからなくて何故あれだけ焦ることができたりしてるのかがわからなかった。
•全体的にミュージックビデオの連続に見えてきてぼんやりしてしまった。音楽はとても良かった。映像も綺麗だった。
•主人公が最終的に龍を救って、ネットの世界はどうなったんだろう、とか今後の龍と父親との生活は?とか。龍の父親は女子高生に睨まれて腰抜けたのも何で?と思ってしまい、その父親を撃退して、自分の父親と和解するのも何で?とわからないことだらけで謎が残った。合唱のおばさん達もどういう人達?何で拘束されてる時逃げられないのかな、とか。
•ネットの世界の人達が実は身近な人達でしたっていうのも、いやはやって思うけど、実際に遠くの人っていうのもなぁ、とも思った。
•ワイヤレスイヤホン型のデバイス?で、現実とリンクしているっていう世界が、何となく娯楽がメインっぽいあの世界でだけで使われてるようだったのも疑問だった。医療とかに応用してたのかな。
•場所が高知っていうのをほぼラストで知った。カツオのタタキ作ってたからまさかと思った。
•主人公のお母さんが、命を顧みず川に飛び込んで行って亡くなってしまったのが、中傷するメッセージの一個にもあったけど、無責任に見えてしまった。子供に泣きながら行かないで!って言われて、飛び込むって…むしろ父親も何で止めなかったのかなとか。以前に何かあったのかな。
•龍の父親が花瓶を床に落としたモラハラが凄く嫌だった。取材とかされてたけど、どういう人だったんだろう。
インターネット版"美女と野獣"?
ネット上では"美女と野獣"のパクりだの盗作だのと叩かれているようなので、期待値2割減で観てみた…
あれっ?普通に面白いじゃん!!
もちろん"美女と野獣"感はものすごいあるけど、他ならぬ細田監督自ら"美女と野獣"が大好きでインスパイアされた旨、ならびにベルのキャラクターデザインをディズニーのジン・キム氏が担当している以上至極当然だし批判は的外れだと実感した。
サマーウォーズ始め細田監督の作品が大好きだった自分からしたら"OZ"を想起させる"U・AS"、"空翔ぶ鯨""時空間を制服姿で跳ぶ姿"に懐かしさが込み上げてきた。
ASのアバターの作成方法も良い、自分のなりたい願望でなく機械が深層心理・内面を反映するあたりはなかなかに斬新。
ストーリーも件の"美女と野獣"一辺倒でなく少年・少女の葛藤・苦悩・希望・未来などの群像劇を巧みに混ぜ合わせてあるし結末はまるで違う、何よりも死者はでない。
当然アニメーション・グラフィックは素晴らしいので批判を受けて二の足を踏んでいる人は騙されたと思って観て欲しいなぁ。
まぁ、もっとも"美女と野獣"が元から大好きな自分の評価なので甘々な評価になっていることは拭えませんがww
映像美と音楽を見るだけでも価値がある!
映像が美しくてうっとりします。
そしてすず/ベル役の中村佳穂さんの歌声と音楽が絶妙にマッチしていて素晴らしかったです!特に冒頭にくじらに乗りながら『U』を歌うシーンはわくわくしました。
ストーリーは多々消化不良の点が否めませんでしたが、とりあえずハッピーエンドなのと、何より映像と音楽が良かったので楽しんで見れました!
普通につまらない。
電車広告や、映画予告を観て気になったので観賞したが、これは美女と野獣のパクリですか?っていうくらい美女と野獣に似ててびっくり…
脚本はどうなってんだ…
なぜ、パクリで通ったのか不思議でしょうがない。
意味不明な点が多すぎ。
サマーウォーズで評価がよかった、OZに似たSNS、Uを舞台に作ってるけどUの良さがイマイチパッとしない。作品のストーリー展開がいろんな作品のよかった点をまとめて作ったのか?という作品だった。
ツッコミどころ満載の作品で1800円払って観るまでもない作品でした。
感動もない、同感できるところもない、感情移入できるところもない。
つまらない作品だと感じた。
日本が心配になる作品
単純におもしろくないです。
こういうのがクールジャパンなんですか?
この主人公に感情移入できる人って、どんな人生歩んでるんですか?
想像したら可哀想で泣きそうになります。
あとオタクさんに受けそうなノリが多くて、そうじゃない人にとってはただ寒い。
Twitterで漫画等に対して「尊い〜」とか言ってる人は好きそう。
他の方のレビューには「社会問題が云々〜」等とよく書かれてますが、この映画を見て特別考えさせられることはないです。
とても薄い。
「とりあえずそういうとこにも触れとくか」なレベル。
(というかそもそも子供向けの作品なのか)
子供や普段何も考えてない人が見ることで、そういったことを考え出すきっかけにはなるかもしれませんね。
しょーもな。
それと併せてよく「感動した」「泣いた」等ともあります。
退館時周りにも言ってる人がいました。
どこで?って感じです。
私はすごく涙もろい方なんですが、泣きどころが全くわかりません。
どのシーンがどうこう、とかはあえて言いません。
多すぎてだるいので。
と言いつつ一箇所だけ
主人公の少女が覇気でおっさんを圧倒するシーンは笑えました。
なんというか全体的に稚拙な作品です。
「なんとなく深そうな雰囲気で、だれかが勝手に考察とかして、結果良い作品にしてくれたらいいなー」な雰囲気を感じます。
ただ私も特に教養深いわけでもなく、無教養ゆえに理解できてないのかも知れません。
そんな私の思うところですが、『深そうで深い』話や表現って面白くないですよね。
内容に関係ありませんが曲や歌声が好みじゃなかったので、歌唱シーンはただ退屈で苦痛でした。
これは個人的な話なので仕方ないですが。
あと映像は綺麗でした。
ただ時代や技術の進歩を考えれば当然の話で、特別際立った何かや驚き、感動はありません。
ジュブナイル映画あるいは御伽噺
予告編の映像と音楽が素晴らしく、小学生2年生の息子にせがまれて映画館に行って来ました。
当方、竜の家庭と同じ死別のひとり親家庭です。
映像も音楽も素晴らしく、2時間楽しませていただきました。
ただ、リアルに竜と弟を助けたいのであれば、同じ死別のシングルファザーとして、鈴の父親が介入した方が問題解決に繋がるのでは⁇と思ってしまいました。
父親の孤独こそが虐待の原因なのではと。
おおかみこどもの時も感じましたが、思春期の子どもの感情描写には共感できるのですが、親たちの描かれ方にリアリティーが薄いと思います。
自分も当事者として遺族会など参加しますが、死別で一番辛いのは配偶者だと思います。子どもはいつしかパートナーを見つけ自分の家庭を作っていきます。
そう言う意味もあくまでも子ども達への目線で描かれた映画なのかなあと思いました。
どうしても自分の境遇に重ねて観てしまうから、こんな感想を持つのかもしれません。
一緒に鑑賞した息子は、ベルがアンベールされるシーンで感動したそうです。
他に印象に残ったのは、高知はキレイなところだな、と言うこと。いつか行ってみたいなぁと思いました。
いつかUみたいな仮想現実が出来たら、子どもが巣だっていったあと新しい人生をやり直せたら良いなぁとも。
苦手意識を払拭できず
細田監督作品が、個人的には苦手です。特に前作の未来のミライが、自分の中で映画館で見た映画史上最もつまらなかったので、今作を見るかどうか悩んでましたが、細田監督作品に対する苦手意識を払拭できるかもしれないと思い、見てきました。
結論、未来のミライよりは10倍くらい面白かったと思います。特に歌とUの世界観は素晴らしく、歌唱シーンが多いため、一種のミュージカルと思えば、なお楽しめたと思います。ただ、苦手意識を払拭することはできませんでした。以下、特に苦手な場面をあげます。
・泣くシーンが過剰
・嘔吐シーンが謎
・アンベイルして歌う前に「あっー」「うっー」って、唸ってたけど、そんな人いる?
・男の子達の家、そんな簡単に見つかる?
・助けたいって、抱き締めること?
・男の子の父親は、世間の目を気にしているから、第三者である主人公の女の子を殴ろうとすることは考えがたい。しかも路上で。んで、見つめられただけで、腰を抜かして逃げていく。
・男の子は戦うよって言ったけど、DV父親にどう戦うってこと?何の描写もない。
なんか不自然でご都合主義で、お涙頂戴的なとこが多くて、どうしてもニュートラルに見られないんですよね。やっぱり苦手です。
ただ、音楽は凄く好きなので、特にオープニングの「U」だけは、もう一度映画館でも聴きたいなって思いました。音楽目的で観に行く人、多いんじゃないでしょうか?監督は作曲家、歌い手に感謝すべきです。
音楽が良かったという感想の映画
まず、音楽がすごい好きでした。圧倒的な迫力でそれまでにあった違和感を全て置き去りにしてくれるくらいの素晴らしいものでした。
ただ、音楽が良かったって感想が出てきて、それ映画としての感想としてどうなんだろう…となりました。
もちろん、映像も綺麗で力の入れようが見て取れました。
正直、それらがなければ星1です。時かけやサマーウォーズなど、細田監督の作品は好きなものが多いのです。だからこそ、今回の映画は見ててしんどかったです。
この映画に対してポジティブな感想を抱いている方はこのレビューを読まない方がいいかもしれません…
ここでは、
①過去作に囚われている
②無駄に人物増やしすぎ
③説明が多い
の観点からお話しさせて頂けたらと思います。
本題に入る前にですが、他のレビューで多くお見かけする「高知から東京まで大人無しで行った」云々の話については私は特に批判的意見はないです。鈴が自分の足で踏み出すことを決めた大切なシーンなのだなと思っています。
それともう一つ、Uについても批判意見はないです。大事なのは登場人物達がその中でどう生きて何を得たかだと思っているためです。ただ50億人は多すぎやしないか?と思いました。
では書かせていただきます。
①過去作に囚われている
まず、私はこの映画を見てて席を立ちそうになったタイミングがありました。それは忍が「お前、ベルだろ」と言ったシーンでした。
正直、見た瞬間何を言うのか察することができたし、個人的には「言わないでくれ…」って願ってしまいました。
時かけの「タイムリープしてね?」の時は、意外性とそのセリフによって千秋の正体が分かるという、物語の根幹に迫る大事なセリフでしたが、今回の場合はただ言わせたいだけ以外の何にも聞こえませんでした。
構図的にも、
・時かけでは電話で迫られタイムリープで逃げる
・本作では車の走る横断歩道の対岸で言われ逃げる
と、ほとんど同じようなものでした。大事なセリフであるならそういう点でも変化が欲しかった…。
それまでの過程で何で忍がベルの正体に気付いたのかも分かりませんでしたし。もしそれを「(忍)ずっと見守ってるから」(←セリフ違ったらごめんなさい)「(瑠)彼は母親みたいな人」で表現しているのだとしたら、正直分かりづらいと思います。なんというかキャラ設定に頼りすぎというか、気付く人だから気付いたよね感が残念でした。彼が気付くシーンか、気付いているシーンがあればなぁと思いました。
また、竜がベルのもとを去ってしまったシーンですが、これもサマーウォーズのキングカズマが敗れたシーンと酷似しすぎててしんどかったです。
サマーウォーズの時は、世界が滅亡の危機にあって、その中でカズマが敗れてしまったという絶望感があり、その後の健二が「まだ負けてない」と言うシーンがありました。
同じようなシーンで、竜がいなくなってどうしようとなっているときの忍のヨリが来た瞬間に「言わないでくれ頼むから…」と祈ってしまいました。その願いは届きませんでしたが。
尚この後のライブシーン後のところでも同じような事がありました。
構図的に、
・サマーウォーズでは世界の滅亡の危機があり、その絶望を打開する方法を見つけ、世界中の人の協力があり、達成してみんなで喜ぶ
・本作では世界は特に滅亡でもないが解決したいことがあり、打開策を見つけ、世界の人たちは歌を聴いて感動して、目的を達成してみんなで喜ぶ
という形です。
多分ですが、私はサマーウォーズを見ていなければこのシーンでもっと感動できたのだと思います。
サマーウォーズを知らなければ、もしくはサマーウォーズと違う見せ方を出来ていたならと思うと本当に残念です。
サマーウォーズであれば、共通の敵であるラブマシーンに世界が一丸となって戦うということで込み上げるものがありました。
しかし本作では個人が身を晒して歌ったということに皆んなが感動したということでしかありませんでした。そもそも目的が竜を見つけることであるならばこの観客達はいらない存在な訳ですし。
過去作に引っ張られて、それでいて音楽の壮大さでこの曖昧な部分を流してしまったのは残念だったなと思います。
お金を払っているからとかではなくて、細田守監督の新しい作品を見たかったのに、大事な部分が過去作と同じでしかも活かしきれていないのが残念でした。というのが①のまとめです。
②無駄に人物増やしすぎ
・カミシン
これについて特に感じたのはカミシンでした。この映画での彼の役割は「実は瑠夏から好意を寄せられていた」「多摩川の場所が分かった」だけです。
しかも多摩川が判明するシーンでは「瑠夏ちゃん俺この場所知ってるかもしれないぜ」という、DV現場を見た後にしては楽観的すぎる物言いのせいで何とも言えない気持ちになりました。
個人的に彼は嫌いじゃないので、物語的にいない方がスッキリすると感じてしまったのが苦しかったです。
・合唱団
合唱団の方々も同様です。
「幸せとは何かについて聞かれた」「歌を送ってあげたら?とアドバイスする」「駅まで車で送る」だけです。
鈴が現実で歌えない問題はずっと言及されてましたし。
豊かな人生経験から鈴にアドバイスをするということは、鈴の視野が広がりますしいいと思いますが、最後の「実は鈴=ベルと知っていた。駆けつけた後必要だから駅まで送った」は都合が良すぎないか?と感じてしまいました。それさえなければなあと思ってしまいました。(東京まで大人が着いていかないのかっていう批判ももう少し抑えられたでしょうしね)
・ジャスティン
彼は迷いどころではありますが。
私は彼について「ベルをアンベイルするためだけにいる存在」としか感じられませんでした。
鈴をUで歌わせたい→Uで現実の身体をロードするためのシステム(アンベイル)が必要→ジャスティンがその役割を担った。
という形で登場したのかなと。
ただ私もその展開に持って行くための代案が思いつかないのであまり言えません。
それはそれとして、実際彼がいないとしたら、もっとベルが竜に惹かれる描写を描くことができたかもなと思いました。
人数がいたずらに多いせいで、もっと描写できたであろうことが出来ず、表現しきれていないのが残念でしたというのが②のまとめです。
③説明が多い
単純に、映画なのだからセリフよりも映像で世界観を教えてほしい。ということです。
尚、最初のUの説明の話ではないです。
これは主に竜と初対面の時です。竜についての説明が全部セリフでされている。しかも長い。その説明をずっとしている暇があるならその間にベルは行動できるし、それがきっかけで竜に興味をもっと持ちやすくなるかもしれないし。ずっと横で説明されているだけでそんなに竜に興味持てるのかな?って思いました。
それと、この映画は冒頭の鈴がUに入る過程や中盤の美女と野獣のようなダンスなど、説明しなくてもしっかり映像で表現出来ているわけですし、物語の転換の部分でもそれを活かせたらなぁって思いました。
というのが③です。
この度の細田監督の作品、本当に楽しみにしていただけに、色々と残念でした。個人的には映画館で初めて途中で観るのをやめようと思った作品になってしまったのが何よりも残念でした。
ただ、音楽と映像のレベルは本当に高いものだと思います。
見る方は是非劇場でのご鑑賞をおすすめします。
以上、駄文失礼しました。
音楽と映像に圧倒された
暇潰しに映画館に行った。普段アニメにあまり興味はないが、他に面白そうなものがなく、消去法で選んだ作品だったけれど、始めから音楽と映像にとても引き込まれた。特にUの場面は没入感があるので、映画館のスクリーンで観てとても良かった。
物足りない点としては、ストーリーは美女と野獣のような既視感のあるシーンもあったし、鈴の母親が救出した子供のその後(つまり現在)の掘り下げが欲しかった。
竜の正体が、虐待を受けている子供だったという事情が明らかになっても、ジャスティンの対応が変わることもない。結局はジャスティンがUの脅威なのではないか。竜のオリジンのLive配信のシーンも閲覧者がもっといてもよかったと思う。
とはいえ純粋に楽しめた作品でした。
あの夏は超えない
普通に面白かった!!けど!やっぱサマーウォーズとか時かけって凄いんだなって思いました。あの夏は超えません。
まずアニメーション、演出が素晴らしかった。近未来のインターネット空間の描き方に時かけ、サマーウォーズにもあった細田守らしさが残りつつオープンワールドのような広大な世界観は個人的にワクワクした。ベルの歌も良かった。YOASOBIも初演技とは思えない位うまかった。(まぁ主人公と違って特に歌うシーンないのになんで歌手を起用したんだろう?話題性のため?とは思ってしまったが)
それだけに各キャラクターの存在感(父に至っては鰹のタタキbotになってた)や話の軸のブレが気になってしまった。なんか合唱団の人たち然りカミシン然り「このキャラいる?」ってのが多かった気がする。あとなんちゃってジャスティス隊長のオリジンがとんでもない偽善者野郎だった〜とか、助けた女の子が実はベルの前から人気だった歌姫だったとかなら胸熱だった。「犬の前足なんでないの?」「結局クリオネって誰のAs?竜の弟?」とか伏線かと思ったら伏線でもなくてちょっとモヤっとした。
あと話の軸もおそらく竜と出会って内なるトラウマを克服する的な感じだったたんだろうけど急に美女と野獣始まるし友達の恋を応援し始めるしなんかやりたい事多すぎて中途半端になった自由研究みたいな印象を受けた。
でも、それをひっくるめてもいい映画だったと思うし一緒に行った人泣いてたし劇場で見る価値は全然ある映画だったと思います。はい、すいません。
現代のネット社会の風刺か?
ネット社会での、個人というものは何なのか、現実と一致するのか、といった課題、誹謗中傷、称賛のしやすさ、匿名性など陰も陽もネット社会について考えさせられます。ただ、物語としてはかなり難解で、単純に楽しめるものではないです。最後までみて作品になってます。
面白かったです
この作品は匿名性の現代の状況を壮大な世界観で表しているように思いました。
そして、裏でどんな人がどんな思いでいるのかも分からず、何も考えずにネットに書き込むことの危険さを客観的に感じさせてくれました。
「言葉の責任を持たない奴が人の責任をどうこう言うな」という言葉を思い出しました。
主人公のように「自分で考えて行動する」という人が少しでも増えて欲しいという思いでこの作品を作ったように思います。
(あくまでも個人の感想です)
面白いが
Uでの騒動がどう言うことなのかよくわからなかった。
狼が住んでる城をみんな知らないとか何故なんだろ?
住むというのはどう言うことなの?とか。
映像は美しくて、音楽も凄くいいので、大画面で見るにはサイコーなんだけど、話を楽しむと言うよりも、映像と音に身を委ねてトリップ体験を楽しむという感じ。俺的には。
劇中歌唱のちから
期待の高さに反比例する低評価が多く躊躇していた本作を遅ればせながら鑑賞。残念ながら総評としては低評価の皆さんに同意となった。
まず劇中歌のクオリティは高く中村佳穂の歌唱も素晴らしく、「ストーリー由来ではない興奮」を覚えた。背景やUの造形も各界の才能を集めているらしく素晴らしいと思う。
主役の中村佳穂は全く知らず上白石妹かと思ったが実力派の歌手であることがわかった。歌い手と演技担当を分けなかったのは良かった。その他は俳優陣が多かったが声優でもいいんじゃないかと。
問題のスジなんだが、一つ一つの要素は悪くもなく、もっと面白くできたのではと思う。大変な労力を投入するアニメーションの工程の、初めの方でもっと揉むことができたらと思うと残念でした。
端的に言ってつまらない。
これまでの細田監督作品はサマーウォーズ、時をかける少女だけ面白いと感じてました。
それ以外の作品は視聴後に満足した記憶はなかったのですが、CMの歌に惹かれて本作を思い切って観に行きました。
…が、残念ながら無駄足だったと、本編開始10分ほどで悟りました。
幼稚な台詞回し、主人公のいちいち気になるオーバーなリアクション、そこで泣くの?と思えるタイミング…
唯一の笑い要素だったのかなと察するシーンは完っ全に滑っていてそこが一番精神的にキツかった。
文字通り笑えないし、正に拷問の時間でした。
ベルがバーチャル世界に生み出されるや否や間髪入れずに歌い出すシーンは、もう少し本人に感動している描写や溜めがあって良かったのでは?初めてのバーチャル空間、もう少し余韻があっていいよね?と。とっとと本題に入って行かれた感じでした。
こういう細かいところでちょいちょい感じる違和感を挙げればキリがないですし、その度に物語全体の流れを滞らせ、現実に引き戻された。
登場人物たちに説得力がないがために作品自体に感情移入できないまま終わってしまった。
またディズニーの美女と野獣のシーンをそのまま起用したような演出がいくつかあって、違和感を超えて嫌悪感さえ感じました。あんなに堂々とコピペしてて著作権侵害にならないのか??
終盤は男の子の兄弟の背景が薄っぺら過ぎて、主人公の行動の動機とするにはあまりにも説明不足だったし、最も解せないのはラストに女子高生だけ東京に行かせた超絶無理矢理展開です。常識的に考えてあり得ない選択です。
皮肉にも、問題提起したはいいものの広げ過ぎた風呂敷が雑に回収されたことで、後味の悪い終わり方になってしまった。
どちらかと言えば純粋に楽しもうという気持ちで臨みましたが、無駄な試みでした。
これはお話作りのプロになり切れなかった人の作った、社会批判と創作を中途半端に混ぜた中途半端な作品に過ぎません。
なぜなら本作は娯楽としての面白さ、視聴後のカタルシスが欠如しているからに他ならない。
試写会?では外国人達がスタンディングオベーションしてましたが本当に忖度なしなのか疑わしいです。
娯楽を作り出す職人なら人に共感や感動を与えて初めて仕事をしたと言えるし、社会問題に一石を投じるより先に純粋に人を楽しませるエンターテイメントを一から学ぶべきです。理屈が先行してしまって視聴者が置いてけぼりになっている事に気が付いて欲しい。
とは言えそれはその人の元々の感性であるし、この監督に才能があるか無いかは過去作を観れば明白なので、今後は脚本は潔く他の人に任せるべきでしょうね。
そして視聴者の意見が賛否両論あるのは世の常、と看過するのではなく真摯に受け取めて欲しいし、その上で次回作に生かしてほしいと切実に願う。別にこの監督作品のファンでもないですけど、曲がりなりにも未来の日本のアニメ映画界を背負う可能性を秘めているのならこのままで終わってほしくない。
悲しい事に現時点で背負えてるとはと思えないので、あくまで可能性の話ですが。
ただ歌や映像は作中唯一の救いだったと思うので、そこだけは評価したいです。
これでGOサインを出したのが信じられない
結論から言わせてもらえば、物語が点々としていて線になっておらず、まとまりがありません。
細田監督は本当にこれでご自身の満足できる作品の仕上がりになっているんだろうか、
納期やらの関係で中途半端な状態で公開されていないかと心配になるレベルでした。
作品のアイデア、映像美、歌、音響は間違いなく素晴らしいと思いました。
ただ、登場人物たちが何を思ってそのセリフ、行動をとるのか、
その差し込まれた演出や間の意図はなんなのか、
全体としてこの作品で何を伝えたかったのか、という根幹の部分が何も伝わってこず、
カタルシスも何も感じませんでした。
細田監督の作品は僕らのウォーゲームの衝撃からずっと追い続けていますが、
どうにもここ最近の作品には、作りたいシーンが先行しすぎており、パワープレイで急にラストシーンに結びつけるというような展開も多く、かつてのようなすっきりとした物語の流れを感じません。
この作品は近年のその不安が顕著に示されたものになったと思います。
私が好きだったのは別で脚本家さんがいた頃の作品だったんだろうなと。
冒頭の話に戻りますが、シーン、シーンとしては理解できます。
しかし、ちょっとしたコメディを挟みたいのか、妙な間や空気感の演出が、物語の流れとして
効果的に作用しているかと考えると、スベッてるなとしか思えなかったですし、
その後のテンポを上げて物語のリズムを取り戻していくということもなく、
声優さんのクオリティはさておき、登場人物達の感情がシーンごとの処理で終わっており、一貫したキャラクターが構築されておらず、声優として演じる側も、キャラクターを理解できず、好きになれずで苦労したろうなという印象でした。
特に気になったシーンといえば、ベルがジャスティンに詰問されるシーン。
ベルの画だけになる所で完全にストップしていて放送事故のように見えて怖かった。
瞬きもモーションキャプチャの特有の揺れもなく、驚いているのか、考えているのか、困惑しているのかという表情の変化も感じ取れませんでした。
また、終わり間際の父親がわめいて殴りかかろうとするシーン。
竜の時との対比で、喚き散らしてくる相手に動じなくなった主人公の成長を見せたい、
というのは理解できましたが、子供に簡単に手を上げるような男が、何を思って尻もちをつくまで恐れて逃げていく、というのが理解できません。笑う所なのかな?と思いました。
動じない主人公の態度に恐れをなしたんだという解釈だと思いますが、違和感がある以上、そういう状況に見せる要素が少ないのだろうと感じます。
竜の動きが早すぎて、どんな攻撃をしているのかがわからない。
唐突な炎上シーンでよくわからないメダルゲームの演出。
合唱のおばちゃんたちはスズの居場所がどうしてわかったのか。
など、細かいところで違和感は多々感じました。
細田監督の作品は決して嫌いではありません。ただ、今回はちょっと酷かったかなと。
恋愛、アクション、サスペンスと色々詰め込みたかったようですが、詰め込みすぎて説明的なセリフで展開を無理やり切り替えるといった所もあり、正直もっとシンプルでいいのかなと。
勝手に評価させていただいている身ではありますが、監督がお好きなものを作るのは当たり前なので、どうぞご自由にというスタンスですが、脚本に関しては脚本家さんにご依頼されるなど、もう一度ご検討いただきたいなというのが正直なところです。
〔無駄に長文です]ボツ案、廃案となった複数の構想を一本にまとめた感じの作品に。
まず、私は細田監督の作品は「サマーウォーズ」と「おおかみこども」以外未見ですが、前者は楽しく感じ、後者は逆に駄作であると感じた者です。
この経験から、(あらさがしなどしないで、極力ポジティブに鑑賞しよう)と努めたものの結果的に大筋にも細部にも疑問点がわくことに……
タイトルのように、一つの作品にはなり切れなかった短編を有効活用、リサイクルしようとして、無理やり共通項でくっつけた感が否めない作品です。
そのうえ作り手、あるいは登場人物たちの感情と意欲が先走り、視聴者は取り残される場面が多くありました。
映像美が評価されることもあってか、現実世界での風景は確かに美しいのですが、仮想世界での映像は、(単にきらびやかで情報量が多いだけでは?)と思いました。
【以下考察です】
個人的にこの作品はまず大筋として、
1.青春パート
2.インターネットパート
3.虐待という社会問題パート
の3編に分けられるように感じました。
1では「母を失い、歌をも失った少女が『何か』と出会う過去を克服しつつ、新しい未来を創造する。その過程には当人や周囲の甘くずっぱくもほろ苦い恋愛譚がある」というストーリーが見て取れました。
2では
「インターネット、利用する者皆に等しく、最高の可能性を最大限に与える。
しかし、三次元的な物質性や現実から脱却させたり解放させることはできず、
人間が人間であるという本性・人間性から解脱させることも出来ない。
(現実世界の外面、内面がアバターの表現される。仮想世界で繰り広げられるアバターの 行動もまた現実世界の延長である)
ポジティブな例は主人公とプロデューサーの友人、ネガティブな例は外人三人組。
結局、仮想世界は現実の上に立脚するものなのだ すべては変わらない。」
という、永遠に続くであろうテーマが横たわっているのではないか、と感じました。
3では「社会の機能不全にさらされ、大人の傲慢な身勝手さに抑圧され奪われていく子供達。彼らを見捨ててもよいのか。彼らもまた大人になる」
という問題提起を感じました。
(勝手な考察ながら、リュウのアバターが怪物の姿をしているのは父親の暴力性の体現であり、また彼の未来に潜んでいる「リュウはいずれ父となり、また怪物となる。このままでは誰かの幸福を破壊することで自己を保つ構図から抜け出せない」という暗喩なのでは、と受け取っています)
3は「おおかみこども」にも通じる提起であり、細田監督として見過ごせない問題なのでしょう。
【感想2】
で、ここで述べた3編の物語を一つにまとめようとした結果、共存に失敗し見事に長所を食い合い殺しあっているのです。
テーマこそあるがストーリの円滑な進行をさせられない。という作り手のジレンマ。
それを解消すべく、やむなく登場人物たちは不合理な原則で行動し、舞台装置としてストーリーを進めていき、細部の余計な違和感を作りだしています。
(後半のエンディング近傍の大人たち全員の無責任な行動がいい例だと思います)
どのパートをとっても中途半端で、
恋愛映画が見たい人にも、群像劇や社会派ドラマが見たいという人にもお勧めしにくい映画だ、というのが私の最終的な感想です。
伝えたいものはあるのになにも伝わってこない。
せめて、「インターネットは毒に薬にもなる。誰かを追い詰めたり迫害することが出来るが、喜びや救済にもなる。
現に竜という暗闇に閉じ込められ抑圧された弱い人を、白日のもとに解放できた」というありふれてこそいるものの、明確である落ちがあれば
「この作品でやるべきテーマではない、凡作」という程度のまとまった評価は下されたのではないか、とも思っています。
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