竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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「歌ってみた」という時代。
ネットの世界で歌うベル、現実では毛布を被って歌う鈴――かつて、動画サイト「ニコニコ動画」で「組曲」を歌った「歌い手」達の中に、鈴と同じように家族に聞かれないように毛布を被ってレコーディングをしていた、そんなお方がおられましたが、その方がモデルなのでしょうか。
今時のネット事情はあまり詳しくないのですが、かつての「歌ってみた」動画が競い合っていた、そんな時代を思い出しました。私は特に歌ってみたりはしなかったけど、夢中でそんな歌い手達を追いかけていたためか、冒頭でガツンと捕まれ、最後まで夢中になってベルの歌声を聞き入りました。竜がネット世界で暴れる仕組みとか、ちょっと把握しきれなかったけど、ベルの美しい歌声と素晴らしいビジュアルには、なんだかよく判らないままに眼を滲ませてしまいました。前半、なかなか十分に歌声が聞けなかっただけに、圧巻のクライマックス・ライブには大満足です。BDやDVDの円盤には、仮想のコンサートライブをおまけに付けてくれたら嬉しいな。
最終的に鈴は自分自身をアンベイル、つまりカミングアウトをすることで相手の信頼を勝ち得た訳ですが、ネットで自分の素顔・本性を明かすべきだとは、特に思わないですね。実際の「歌ってみた」の時代では、みんな自分の素顔を隠しあっていましたが、その方が自分のエゴを出すこと無く、純粋に音楽だけで語り合う世界でいられたと思うのですが――ただし、アカウントの名が売れてしまうと、名前だけで再生数が増えてしまいますけどね。そういえば、かの香港の歌い手「ほんこーんさん」もテレビでご自分の姿を隠すこと無く公開されていましたね。まだ活動されているのかな。
また、親友にしか正体を明かしてなかったのに、周囲の人には結構バレているのには笑いました。案外、隠し事って自分が思っている以上にバレているものですね。
細田守の「As」の名はハヤオ
『美女と野獣』のモチーフで、現代的なネットの仮想世界を背景に、現実のシビアな問題を提示したいとの意図はわかるが、ストーリーが説得力に乏しく、肝心な部分が曖昧である。竜の「オリジン」が虐待に耐える子どもだと知ったベル=すずは彼を助けに向かうが、そもそもなぜ、そこまでするのか理由が不明だ。
増水した川の洲に取り残された子どもを助けに行き、亡くなった母親へのミメーシス(感染的模倣)なのか、父親の育て方が奏効し、親切で優しい娘になったからなのか。竜との出会いが彼女の何かを変えたのなら、その部分を描かないと、仮想世界「U」ではなく、なぜ現実で大胆な行動力を発揮できるようになったのか、観客に納得させられない。虐待されていた子どもたちの家庭も母親が不在のようだが、自分と境遇が似ているから、程度の理由では希薄すぎる。また、仮想世界で活動するアバター「As」は、精神分析的に言うと、「反動形成」により表面に表れた人格の「真の姿」を反映させる側面があると思われる。だから、被害者意識に凝り固まり、虚飾を装う中年女性のAsが赤子だったりする訳だ。
さて、Uの武道場でかなりの強さを誇り、自警団をなぎ倒すほどの力を持つ竜が、虐待に耐えて抑圧された子どもの負のエネルギーの反映だ、というだけで説明がつくか。50億超のアカウントの中で、飛び抜けて暴力的で力を持った存在のオリジンが? もっと悲惨な境遇の子どもなら大勢いて、竜をしのぐ力を持ちそうなものだが。児童虐待の深刻さを表現しようとしたのかもしれないが、その帰結が竜の強大な力につながる根拠が薄弱だ。
総じて、映像や音楽が素晴らしい分、ストーリーの欠陥が目についてしまう。やはり、細田監督は脚本から手を引くか、もしくは、プロの脚本家と共同で作業した方がよいものが出来上がると思われる。
さて、細田監督の脚本執筆力に難点があることを指摘したが、もうひとつ、気になる点がある。『おおかみこどもの雨と雪』が『となりのトトロ』へのオマージュだとすれば、今作は『風の谷のナウシカ』へのオマージュになっているように見える。だが、そろそろ「宮崎アニメの呪縛」から自由になってもいいのではないだろうか。細田監督の持ち味の「家族」モチーフをもっと自由に展開させることができれば、オリジナルな「細田アニメ」になると思う。その時は、監督のことをよく理解しているプロの脚本家の助力が必要だとも思う。
賛否のあった終盤の展開について思うこと
父から虐待をうけている兄弟を助けるため、すずが1人で東京に向かう終盤の展開について賛否の感想を多く目にしました。たしかにやや唐突で、この展開を指して“リアリティ”がないと言いたくなる気持ちもよく分かりますが、個人的にはこの展開がもっとも心に残って良いなと思いました。
インターネットを肯定的に描いてきたと公言する細田監督が、最後にネットだけでは解決できない問題もあることを提示し、主人公に直接的な行動をさせることで、大事な人のそばに寄り添って力になることの大切さを描いているように感じたからです。
細田監督はインタビューで終盤の展開を「この映画にとっての芯の部分で、そこを描くことで物語が着地するんだと考えながら作っていた」と語り、製作陣のなかでも賛否の意見があった部分だったと話されていました(引用したインタビューは、映画.comに掲載されています)。
説得力が弱い
冒頭のシーンや前半の学校生活の描画、音楽も素晴らしく視聴者に期待された点を考えて作成された感じがしました。
ただし、父やモブの言動、ラストやその前後には違和感しかありません。優秀な脚本家がいればという感想です。
「竜のオリジンをアンベイルする(キリッ」🐉💤
「竜のオリジン弁当をアンベイルする」と言う台詞に野村哲也みを感じますが、設定は凝っていますが、結局は凄く狭い範囲の話だし、脚本も散漫で全く入り込めず退屈でした。芸能人だけ起用すれば良いのに、長くて難しい説明台詞は、森川智之さんが読んでいて笑えました。かなりつまらないので折角の歌も不快でした。PROレビュアー()が勢揃いで、軒並み高得点と言う事でお察しです。
竜は🐉
竜はてっきりしのぶ君かと思った。
なるほど。
全く予想もしてなかった全くの他人の虐待受けてる子供とはな。
斬新な展開に考えさせられる。
あの怪しいメガネのオバサン全然無関係じゃん笑
伏線のはりかたがあまり上手くないのでしょうか...。
あの踊るシーンは美○と野獣そのものでワロタ笑
キーとなる花にバラ🌹を選んだのも美女と野獣に寄せてるじゃん笑
そこ寄せないほうが良かったのに😂
金曜ロードショーで
バケモノの子が良かったので、こちらも初めてでしたが観てみました。
僕がこの映画で思ったことは
竜のオリジンは弟思いのほんとに強い兄だなと。
ただ守る事に徹底して自分が耐え忍び傷つく事で解決できる、守れると思ってる。
こんな強い奴はいない。優しい人間は強いという人間の本質を象徴してると思う。
すずもそうで、弱くて控えめで自信がなくて過去のトラウマに苦しめられている。
それでも竜を守ろうと奔走する姿はとても優しくて強い人間だ。
きっとアズは自分の理想とする自分ではなくて、本当はそっちが本当の自分なんだと。理想ではなくあなたはそういう人間なんだと、本来のあなたなんだと、そういう事を気付かせてくれる存在なんだと思いました。
現実の自分が仮想でアズが本体。
ならばあれもこれもと欲のまま望まなくていいだろう、今の自分に卑下しなくていいだろう。
成れるのだから、あなたは私(アズ)なのだから
身バレしたVtuberの話
ざっくり言うと歌ってみた系Vtuberがネットで知り合った迷惑系Vtuberと仲良くなる
なんやかんやあって迷惑系Vtuberを助けようとするが身バレしないと信用しないと言い出して
結果身バレして、最後は覇王色の覇気に覚醒してめでたしめでたし
俺やっぱこの監督嫌いだわ
最高の食材使ってゴミ作るあたり
なんで誰も止めなかった?
でも歌は良いから、そこは評価してる
ロジックを諦めて、ただファンタジーを楽しみましょう!
留学生なんですけど、見終わった瞬間、また細かい理解していないところがあるけど、感想をレビューしてみた。
まず、視覚と聴覚の面からすれば、ただただとても美しい、私自分時々幻想になる画面を本当に大きいスクリンに映し出される興奮感がかんじました。歌ってる迫力がありながら、繊細な気持ちを伝わる雰囲気をとても気に入ってはまりました。ベルの顔はずっと気に入って、後で気づいたら、この顔が実はディズニー系の映画の技術で作られたプリンセス達と似ていますね。
歌と曲は綺麗なので、すぐにcdを買いに行く衝突になりました。
残念なのはやはりシナリオですね、主人公の現実とファンタジーを両方繋いて描くつもりかもしれんが、うまく行かなかった。両方の世界を無理やり繋いて行くような気がずっと感じていた。
特に気になってわからない部分としては、Uの世界のいろいろの設定はあんまり述べて無くて、その原因のせいかもしれませんが、いろんなバトル場面とシナリオを進行して行く場面の感情移入は少し難しいですね。
後現実で最後竜の身分とその結末をする方法をもう少し頑張ればいいのに、とても残念な気持ちです...
映画自体は、バーチャル世界を導入し、やっとSF系のストーリーを展開するかなと思って、案外純粋なロマンチックな話になって、嫌ではないですけど、所々にロジックを諦めすぎて、バランスを把握し無くなった。こんなに美しい画面と歌がなければ、星3までをつけなくなった。
惜しい、ただ惜しい。原作があるのは原因なのか監督の特徴を発揮できなかったかなあ...どのみち、画面と歌だけでチケットを無駄にすることではないと思います。むしろ、この映画、映画館でしか楽しみできないかもしれませんね。
歌の力って最高です!ホンッと素晴らしい!
映画館で見た時に、メチャクチャ感動した作品です。Blu-rayも即決で買っちゃいました。
今回、久し振りの鑑賞でしたが、いや~、ホンッと素晴らしい!ストーリー展開が解っているにもかかわらず、ワクワクしてドキドキして、メチャ興奮!大画面で見た時より楽しませてもらった気がします。
まず、仮想現実の世界、ベルがディズニーみたいだと思ってたら、デザイナーがそうらしいです。細田作品とは、ちょっと毛色が違うと思ってたのですが納得しました。まぁ、そんなのは大したことじゃありません。作品として、面白ければそれでいいんです。
最初の歌から、すっかり引き込まれます。一曲、一曲、それぞれの歌がホンット素晴らしい!ヘタなミュージカルよりも、よっぽど音楽の質が高いんじゃないでしょうか。何より、中村さんの声がいい。声優も初めてなんですよね。いやー、ホンッとスゴい。
ベルの歌も素晴らしいけど、それに伴った絵がまた綺麗。これじゃ、全世界の人が虜になるわけだ。この映画、海外で吹替えって出来るのかね?彼女の歌声は、ものすご~~~く、心に染み渡りました。
現実世界における青春描写も良かったです。みんなの憧れの彼女が、好きな人の前だとグチャグチャになっちゃう。メチャクチャ可愛いじゃないですか!
もちろん、現実世界のすずの成長も見事に描かれてました。
全く無駄が感じられない非常によく練られたストーリーに感服です。 もう、オヤジは完全にノックアウト。
幾田りらさんや染谷さん、佐藤さん、成田さん、玉城さんの声の演技も最高でした。役所さんのオヤジも随所、随所で優しく見守ってくれました。
ホンット面白い!素晴らしい一本です。
話は変わりますが、匿名が当たり前のネット世界。 本性が現れると言いましょうか、誹謗中傷の嵐となる事件も未だによくあります。
誰なのか特定されないから無責任な発言、行動も可能となる。冒頭のすずの母に対する書き込みには怒りが込み上げました。
映画のレビューにしてもそうですよね。まぁ、言論の自由っていうのも保証されてはいるけど、自分が言われて嫌な言い方はちょっと考えた方が良いんじゃないかなって、思うときもあります。
ネットの中って、誹謗中傷が平気でおこなえる、まさに現実世界に存在する闇、そのものですね。
【ネタバレ】
幼馴染みのしのぶくん、いつも見守っていたから、すずがベルであることにいち早く気づいたのかもしれません。
ひょんなことから、そんな彼との仲を疑われて、炎上しかけたシーンがありましたが・・・
それを踏まえた上での、あのエンディング。大炎上、間違いなしじゃないでしょうか。
バーチャル世界の夢
バーチャルの世界観、映像の美しさは文句なしかな。アニメ作品だからできる美しさ。高校生活の日常感も、うまくいかない主人公の描写も悪くない。
ただ、ストーリはちょっと無理があってどうしても2つの??が気になって仕方がなかった。
コーラスおばさんたちと家庭内暴力の唐突感かな。苦悩する主人公に、父親の暴力に苦しむ少年を重ねるのはなぜか? 解決しようとする主人公に対して、おばさんや大人たちは傍観? どうして主人公だけがリスクを負うのか? 何とも割り切れずモヤモヤした感じ。
もう一度見たらすっきりするのかなあ。
毎週サザエさんを楽しみにしているオラ
レンタル88
久々のTSU○YA 旧作キャンペーン価格だった
最近スクリーン鑑賞が増えてレンタルすることが減った
映画はもっぱら配信で観るというひとが多く
TSU○YAは閉店が増えているんだと
オラが高校生の頃にスタートした貸レコード屋から
取り扱う媒体を変化させつつ40年くらい続いてきたレンタル文化
いよいよ終焉か
で本作
この監督の作品はサマーウォーズ以降欠かさずチェックしているが
そういえば最新作何だっけと思い 調べたら観ていない
この監督より好みではない雀の戸締まりをスクリーンで観たこともあって
これは片付けておかねば と
いやぁこの情報量よ 圧倒的な画像クオリティー
風景とかの写実レベルは行き着くところまで達している
逆にアニメーションである必要はあるのかとちと思う
毎週サザエさんを楽しみにしているオラとしては
話は難しくなくて意外性は少なかった
美女と野獣のオマージュとおぼしきところも 美女と野獣知らないのだが
インターネットの壮大なスケールのはずが
結局そこかいというのが意外といえば意外だし残念だった
主人公をサポートする友だちのキャラが楽しかった
オジサン萌えとかこの年代の不思議な感情が織り込まれているような
この監督も役者声優派だよな
役所広司とか おばちゃん4人組はあてがきぽかった 清水ミチコもいたか
それにしてもエンドロール 関わった膨大な数の組織とスタッフ 恐れ入る
いい作品だった、途中寝たけど
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高校生・すずは、幼少期に母親を事故でなくし、消極的な性格だった。
Uというバーチャルリアリティの世界があり、大半の人が参加してた。
その世界では各個人の才能が自然とクローズアップされるようで、
すずの歌が人々の心をとらえ、その世界では歌姫となった。
そしてライブ中に、警察みたいなのに追われた竜が乱入する。
竜は凶暴で邪悪視されてたが、接してみると悪い奴じゃなかった。
心の傷を抱えてることを知り、すずは親近感を感じた。
やがて捜査の手が伸び、竜に危険が迫ってることを知る。
すずはUにいない竜を現実世界で探す。そしてついに見つける。
その正体は父から虐待を受けてる兄弟の兄だった。
ネットの通話機能を使って話をしたが、信用されなかった。
現実の竜は誰も助けてくれない世の中に失望してたのだった。
で、信用されるには1つしか手がないということになった。
それはすずがUの中で素顔をさらすこと。勇気を持って実施。
これにより竜はすずを信用し、すずは高知から竜を救いに東京へ。
そして兄弟を救ってハッピーエンド。
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劇場で見た。正直、途中で眠くなって寝た。
でも後半改めてちゃんと見ると、結構面白かったな。
すずが勇気を持って自ら素顔をさらすのが最高の見どころ。泣く。
あと不思議に感じたのが、すずのU内の姿であるベルが超格好いい。
顔やスタイルが全然違うとはいえ、声や性格はほぼすずのまま。
なのに何をやっても慈悲深く、深みのある人に見えるんよな。
見た目が洗練されるだけで、ああも印象が違うものなのか?
現実世界で言えば中条あやみとかがベルみたいな感じやけど、
あの人も中身は少女みたいに純真な人なのかもって思った(場)
違和感もあるけど
今更ながら観ました。まず、曲が素敵。オープニングでベルが歌う曲はKing Gnuで作詞作曲をしている常田大希さんが率いるもう一つの音楽集団、millennium paradeとして作った「U」という曲。私はKing Gnuが好きなのですが、この曲も格好良かったです。他のベルの曲と比べて力強さを感じる曲で、オープニングにぴったりでした。
ベルのデザインはアナ雪でデザインをされていた方ということで、ディズニー感があります。ストーリーの運びも『美女と野獣』オマージュなのでなんだか不思議な感じ。いやめっちゃ好きですけどね、ベルと野獣の関係性は。映像もとても綺麗でした。Uの世界は視覚的に面白いし、オープニングや、すずが正体を明かして歌う中で周囲のみんなが共鳴していくシーンがとても美しい。
前半は結構楽しめました。ヒロちゃん、カミシン、ルカちゃんなど、学校の子達もみんな個性があって可愛かった。
でも中盤で竜の正体も予想がついてしまったし、終盤は盛り上がりはあるものの、流れが読めてしまって勿体無いと思いました。もう少し驚く展開が欲しかった。
すずが電車内でお母さんの気持ちを理解する描写は良かったです。恵たちに実際に会いに行くのはいいですが、高校生の女の子一人で行かせていいの?とは感じましたし、家を完全に特定できていないのもなんだかモヤモヤ…恵と知が軟禁状態だったらどうしたのかとか考えてしまいます。
すずを殴ろうとした恵の父親が狼狽えたのもよくわからない。それに、その後が描かれないので根本的に解決したのかわからずモヤモヤ。ネットに晒されたことで警察が動いたりするのでしょうか。
それと、初見でベルが竜を気にするのは急には感じましたが、背中のあざが気になったのかなと思いました。U内でついたものではなく、現実で負った傷と捉えて。すずもずっと母のことで心を痛めているので傷をもつもの同士だから通じ合うものを感じた、ということかなと。
違和感のある場面もみられ、酷評されるのもわかりますが、映像や歌などいいところもあり、個人的には普通に楽しめました。
対比構造の作り方がうまい!
メタバース関連の記事でよく名前が出てくる作品。
小生はメタバースを未経験なので、本作がどの程度メタバースをとらえているのかはわからない。そのため、メタバースという概念にどの程度忠実か、という評価はできない。
映画としては、「美女と野獣」がモチーフになっていて、リアルな世界とメタバースをうまく組み合わせている。
大まかなストーリーは下記のようなもの。
高知県の田舎に住んでいる鈴という女子高生が、Uというネット空間に、ベルという名前のアバターで参加して、有名になる。その世界には竜と呼ばれる暴れ者がいる。ベルは竜が気になって、彼を探す。
アバターというものは、仮面でありながら、その人間の隠している部分をあらわにする。このあたりはわかる。ただし、アバター同士では他人を本当に信頼することはできない。
ではリアルな世界ではどうだろう。鈴は幼いころに母親を亡くしてから、心を閉ざしている。父親に対してもそうだし、幼馴染の忍に対してもうまく接することができない。唯一親友の弘香に対してだけは互いに本音で語り合うことができる。
本作では、鈴がUで経験することを通じて、現実でも、周囲の優しい人たちのおかげで、少しずつ変化していく様子が描かれていく。この過程はいかにもアニメ的な演出で、現実にはそうはいかないだろう。もちろん、これは、竜の正体である人物と対比させるために、こういう展開にしたのだと思う。
その人物も母親を亡くしているが、鈴のように恵まれてはいない。同じように心に傷を負ったふたりが、Uというサイバー空間でアバターを得て、真逆の存在になる。つまり、それぞれの人間の本質が真逆だ、ということだ。そして、鈴は自らの勇気を示して、問題を解決する。竜の問題とともに、自分の問題も解決するところがうまいところだ。そして、鈴が問題を解決するきっかけを与えるのは、彼女の幼馴染の忍だ。
メタバースは人を自由にするかもしれないが、本当に助けてくれるのは身近な人間なのだ。そして、助けてくれる人たちは、必死で頑張っている人を助けるのだ。
本作の魅力は、さまざまな対比の設定と、それを集約していく構成の巧さにある。
鈴=ベル、という名前の対比もそうだし、鈴の家庭と、竜の家庭が構造は似ているのに環境はまったく違う。鈴と、同級生の瑠果も真逆の存在として描かれるが、ベルは瑠果に似ており、リアルの瑠果はベルに憧れている。こういった様々な対比を最後にハッピーエンドにもっていく腕前が、本作のおもしろさだと思う。
歌素晴らしすぎん???
映画館。
Uの世界、ベルの歌に鳥肌立ちっぱなし。
凄まじい歌と映像美で映画館で見れて良かった。
高知の田舎がすごく綺麗で、
四国旅行の時、高知行かなかったの間違いだったかな?と。
自然の描き方が素晴らしすぎて、夏の入道雲のもくもく感、映画でも動いてたのかな?
上に向かってむくむく動いてる入道雲が夏らしさを感じた。
ほんとすげえや。
Uの世界観の描写、ベルの歌をよく表現できたなと純粋に驚き。
くじらに乗って歌ってる歌まじで最高だった。
サントラ買おうか悩む。
現代版、今時版美女と野獣だったし、しのぶくんはイケメンすぎたし。
ストーリーはあんまり好きじゃないけど、それを覆い隠すくらいに映像と歌がよかった。
最近見た中でめっちゃめちゃ良かった。
21.8.12 映画館
映像は美しい
冒頭のUの説明からそばかす姫の歌う流れから実に
画面が美しくて引き込まれる。
そこから現実に引き戻されての地味な少女、という対比なのでしょうが
現実の少女はやたらと外見お気にしてばかりで
正直イライラさせられる。
そんな子が仮想空間で自信をつけ、
出会いを得たことで踏み出していく話なのではあるが
展開にあまり驚きはなく、
そうくるだろうなと言う読みから外れはしない。
それに登場人物が、それってどうなんですかね?という
ことが多くて感受移入できない。
母親の事故はショックだったろうけども
それから一体何年経ってるんだ。
それに幼馴染も守るとか心配って言いながら何かしましたっけ?
何よりも、子供に暴力振るうような輩の元へ助けに行く、と聞いて
女子高生を1人で行かせますか?普通?
それを聞いた父親が
いい子に育って嬉しいだ?馬鹿なの?
大事な娘がわけわからん男に殴られるかもしれないっていうのに
理解ありげなメールしてるより追いかけて
守りに行けよ。
合唱のおばさん達も何送りだしてんだ?止めろ。
あるいはついていけ。
守りたいって言うなら忍も行け。
いい話のようにまとめてるけれども
単にこうだといいなっていう理想の行動を取らせてるだけで
人間としてのリアルさがない。
女子同士はいくら仲良くても
相手のことをあんなにけちょんけちょんには言いません。
制作してて誰も疑問を感じないのか?それが一番不思議だった。
強くありたい、前を向いていきたい(いこう)と思える作品!
映画館で1回視聴済み2回目の視聴。
•母親の知らない子供を助ける行動はどっちが正解なのか、正解があるのかもわからないけど、どっちをとっても間違いではないと思う。
•女子たちのあの嫉妬のシーンすごいスピード感で流れていったがとても恐ろしいことなんじゃないかなと思う。どうなんだろう?
•竜との距離感が一気に縮まりすぎな気もしたし気になる点も多いけど、それ以上に人を助けることは難しく、怖い事に巻き込まれることもあるかもしれないけど、助けることのできる人間になりたいと思える作品だった。
•主人公が辛い過去から前を向いていくのはすごい感動した!
•歌もめっちゃ好き!全部良かった!
なにもかも雑
映像と音楽は素晴らしかった。
が、良い所を全て忘れてしまうほど脚本がつまらない、要素をたくさん入れはするものの方向性もバラバラで全くまとまりがない。歌以外に絶対に必要だと思えるシーンがひとつも無い。
何よりテンポが悪い。
オープニングが『u』の説明なのに、その直後が主人公がウジウジしながら『u』のアカウントを作成するシーンと、連続して同じような説明がされる。
みんなが使っているはずの『u』を主人公は触れたことが無く、なりたい自分になれるのはずなのにアバターは写真とリンクさせ自動生成・変更不可と、わざわざ2回も説明した設定も矛盾しており、開始5分で既につまらない。
(主人公の自信のなさや性格の説明の為のアバター作成シーンだと思うが、テンポも悪いし、はわわ私美人になっちゃったは寒過ぎる。変身シーンはポジティブな気持ちで魔法をかけてほしい。)
たくさん要素があるが、全くまとまりがない。
ひとつのテーマを描ききる自信や目的がないのか全てぼんやりとしている。
・嫌われ者の醜い竜と美しい愛され歌姫の交流
・人前で歌うことへの恐怖
・現実とバーチャルでの二面性
・自己犠牲
・親と子のすれ違い
・虐待
さらに同級生とのイザコザや青春ラブストーリーが加わるが、面白くもないし必然性も感じない。
飼い犬が義足なのが、この作品の無駄な情報の多さを象徴している。
児童虐待は繊細に扱うべきテーマだが、雑としか言いようのない内容。
ネットに自由にアクセスし動画も配信出来るのに、やることはバーチャル空間で他アバターをボコるだけの被虐児。
虐待されている子供を見て1秒でも惜しいと、地域しか絞れていないのに飛び出す主人公。
↑を送り出す大人達、なんか認めてくる父親。
なにより虐待への解決策が、勇敢な主人公を見て被虐児自身が勇気を出して立ち向かう!というもの。
虐待を受けてる子供に対し勇気があればどんな壁も乗りこえられる!お前自身で立ち向かえ????
こんなことを主張する人間は児童虐待問題を扱ってはいけない。
フィクションでも言ってはいけないもの、してはいけない主張はある。それが主人公の、作品としての答えならなおさら。
脚本はマイナスだが、映像と歌は本当に素晴らしいので星1。
細かいディテールにこだわった結果、全体は雑な印象受ける作品。
そして監督は2度と虐待問題を取り扱うな。
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