護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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市民とトップの板挟みになるケースワーカー
憲法25条生存権が劇中語られ、セーフティネットである生活保護 今のコロナ渦でも「他法優先」の原理原則によって、制度はあるけれどなかなか申請にはたどりつかない現実がある たどりつくまでに、あきらめ、恥ずかしさ、他の親族への照会、申請主義と言いながら「自発的な取り下げ」を待っているかのような仕組み・保護決定までの過程があり、本人以外の立ち合い・同席が認められないので、余程「強い意志」がなければ生活保護開始にはならないという現実がよく描かれていると思う 現場の生保のケースワーカーの中には、福祉職としてきわめて良心的な方もおられる一方で、一部の不正受給が殊更に取り上げられ不正を取り締まることが評価されたり、強引な就労支援などで「保護率を下げる努力」が評価されるケースワーカーもいる 困っている人に出向いて行って制度の適用を働きかけるべきところが、申請主義で役所の窓口でしか受付をせず、扶養や資産調査の委任状をたくさん書かせる「法令順守」は、良心的なケースワーカーですら管理されることで委縮してしまう 一人100ケース以上の担当を持たされれば、細かい支援などできるはずもなく、新規申請はケースワーカーの仕事を増やすだけと現場が思えば、ますます相談に来る市民に冷たい対応を取ることになる 私が就職した昭和の頃は保護に要する費用は、国が全て負っていたのが、今は自治体負担もあり、保護が地方財政圧迫かのような非難のされ方もある
たくさんのケースを持たされたり、不正を取り締まることが指示されたり、現場ケースワーカーの苦悩もよく取材されていたと思いました この映画を観た方が、ケースワーカーが殺されたり、狙われて当然と思われないことを願います(10月6日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
やっぱ見て正解
ふざけんな。
人気のない民家やマンションに放置され餓死させるという殺人事件を追う現代の話と、震災直後のある青年の話が交錯していくミステリー。
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今作で中心となる問題は震災かと思いきや実は生活保護について。劇中では、生活保護費を不正受給している人(決して不正受給といって悪人でもない)もいる反面、申請しても通らない人、自力で生活できない事を認められない人、迷惑をかけるからとなかなか申請を出したがらない人色んな人が出てくる。
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特に自力で生活できないという理由で国にお金を貰うのを申し訳ないと思っている人って、あまりに日本人らしい考え方だなと。『パンケーキを毒見する』でも「日本人は自分の収入が低いことを全部自分の責任だと思いがち」って言ってたみたいに自分が悪いせいで生活ができないのにお金を出してもらうなんて恥ずかしい/申し訳ないって思ってしまう。
最後の幹子の言葉のようにもっとわがまま言っていいはず。自分の境遇を人のせいにしすぎてるのがアメリカのトランプ支持者だったりもするんだけど、日本人はわがまま言わなさすぎなんだろうな。こういう国民性、が劇中でも語られる「日本の生活保護取得率は諸外国に比べて低い」こととも関係してる気がする。もっと「ふざけんな!」って叫ぼう。
瑛太さん演じる市役所の職員は震災で崩壊した墓を直すのを自費でやっていた善き人ではあるけれど、結局今生きている人には目を向けていないのが皮肉。
概ね素晴らしい作品だったと思っているけれど、途中真っ黒のフード被ったいかにも怪しげな利根が幹子に会いに来るシーン、幹子の同僚見た瞬間に「あ、では」って普通に帰ってったけどもうちょっと警戒してくれ~~。日本人の意外と不寛容さを表したかったのかどっちよ。
色々考えさせられた
殺人事件解決というミステリー要素のみらなず3.11や生活保護なども盛り合わせた映画だったが、阿部寛や佐藤健のみならず倍賞美津子や清原果耶、林遣都なと出演者それぞれの役割演技でとても素晴らしい映画になったと思います。
ただ殺人には犯人1人での実行には疑問だし、殺害動機も微妙な感じました。
佐藤健や阿部寛が好きな役者さんだから心揺さぶられ泣ける!!と楽しみに拝見しましたが…
私個人的な問題ですが仕事で生
活保護の方々に触れる機会があるのですがきれい事ではなく闇です。
もちろん本当に必要で最後の砦の制度かもしれませんが、その制度を悪用し、あぐらをかいている人もたくさんみてきているので、そこがモヤモヤ集中できませんでした。
しかし清原果耶ちゃんは年齢をも演技できてしまうのは凄いと思います。
血の繋がらない家族の復讐劇
ここ最近の映画で一番の出来、感動した。東日本大震災から10年経つが、いまだに忘れられない。津波被害はなかったが家はめちゃめちゃになり、水も電気もなく、買い出しに並ぶ日々だった。あの時の夜空は非常に綺麗だった。街から電気が消えたからだ。この映画では、東日本大震災と生活困窮者問題が背景にあり、避難所で出会った三人が本当の家族のような関係になった。そして、お婆ちゃんが餓死した事がきっかけに復讐が始まる。容疑者役の佐藤健、刑事役の阿部寛、お婆ちゃん役の倍賞美津子、娘役の清原果耶らは、迫真の演技が素晴らしく魅了された。ラストシーンでは、黄色いジャンバーの伏線回収が見事に嵌まった。ちらばめられた点と点が見事に一つの線になった。もう一度観たいと思う。
刑事モノ
と言うよりは、震災における深い問題を表現した作品です。生活支援と言う制度は人それぞれに置かれた環境や考え方により捉え方や利用の仕方が全然違うのですね。これは深い問題です。佐藤健さんや清原伽耶ちゃんは大きく言うと2つの時代を演じていますが、表情や仕草が全然違うのが流石です。
一見良さげだがもう一歩、もう一捻り欲しい
2021年劇場鑑賞25本目 秀作 69点
空白同様長らく劇場上映前の予告で楽しみにしていた作品。
十分楽しめましたが、犯人は途中で明確にこの人だろうなとわかってしまう。
予告であんな全面的に佐藤健が犯人役として宣伝されても、ほんとは違くて〜観たいのは腐るほど観たのであとはその真犯人の登場の自然さだったりそれまでとそれからの伏線の回収の様を楽しもうと思いましたが、まあそれなりでした。
清原伽耶の出世がすごい。まだ若いから目を瞑りますがそこまで演技力が高いとも思えませんが、学園ものよりちゃんと内容のある作品のヒロインに昨今よく出ている。(まともじゃない、花束、デイアンドナイト、望み、夏への扉、今作など)
佐藤健も今作は難しい役どころだとは思いますが、演技力高いとは思えない、、、
阿部寛はその中でも良かったと思います。
作品の内容ですが、震災がテーマですが私の印象だとそれはあくまできっかけでしか無くて、深刻な人間ドラマだと思いました。
個人的邦画ランキング10位にランクインしました。
是非。
なかなか重い内容ですが話しの進め方がとても良くて最後までしっかり観...
顔が歪んだ
誰が悪いのか
アイ・アクティング
殺人事件にはちょっと無理があるかなぁ
あっという間に
おまけ映像無し
とてもとても観てよかった。
殺された二人も、押しよせる不正受給者達から護られなかった者なのかもしれない…と最後の墓を治す三雲の表情で思いました。
中盤になんとなく真犯人に気付いてしまった(笑)
まさかこの人が!でもやりすぎ!
久々の邦画本格ミステリーというか、サスペンスを期待して鑑賞。震災と生活保護という重い
テーマが物語の本筋。その中で起こる猟奇的殺人に隠された強い家族愛がラストで泣かせると思いきや、いくらなんでもやりすぎ感があり。殺し方が半端ない。しかも2人も。死刑確実。
原作は読んでないけど、脚本に無理があったのかなあ?役者さんは良かったですよ。佐藤健の
刑務所上がりの表情の凄み。鉄板の刑事役阿部寛。やっぱり完璧な清原果耶ちゃん。市役所職員がメインだが、高校生のシーンでは一瞬でそう見えるところが凄い❗️自転車の2人乗りのシーンの笑顔が印象的。阿部寛のバディ林遣都は
少し演技がうるさくて相性が悪かったように思う。結局誰が誰を護りたくて、誰が護られなかったのか?自分的には真犯人は自らを犠牲にしてまで、社会全体に生活保護の実態を伝えたかったのだと思う。あと、最近よく使われるコンテンポラリーダンス。意味ありげで特に何もない。大体。😅
人生捨てたもんじゃない〜カンちゃん〜
怒りのエネルギーは人を、、、そして切ない。
怒りのエネルギーは人を変えることがある。
非力にみえる者であっても侮ってはいけない。
弱って追い詰められている者にとっては助けて貰える筈の場所に所属する者の言葉や態度がおざなりでいい加減だったり、冷たかったり、嘲笑を含んでいたら(或いはそのように感じたら)奈落の底につき落とされる。
自分にとって大事な者がそんな扱いを受けても。
災害時や直後は混乱で助けられない者が出ることもあるだろうが、そうでない時には真摯な対応をしなければ生涯恨まれる。
言葉や態度には気をつけていきたいと改めて思った。
生活保護の仕組みの問題点も浮き彫りになっていて、考えさせられた。
殺害された者たちの殺され方。
「思いしれ、こういう苦しみを与えたんだぞ」
と、犯人は言いたく、呪いながら大胆に決行してしまった。
でも、
切なすぎる。
#ただいま
護られるはずの者たちへ
公開2日目で早くも鑑賞できたけど、土曜日のレイトショーで結構人が多かったな。私は震災等の被害の少ない地域に生活してるので報道や特番等の情報でしか認識する事出来なくて、本当の意味での被災の悲惨さは理解出来無いのかも。安易に大変だねなんて、安全な場所で生きる自分が言えるはず無いと思っていて。この映画は震災によって生活が一変してしまった、特に高齢者や身体的精神的に障害を持っている人を対象にした生活保護に焦点をあわせていて。本来保護を受けるべき人が受けられないという現実、権利があってもそれを利用しようとしない理由、観てとても考えさせられた。殺人事件も起きるんだけど血が飛び散るような凄惨さはなく、でもじわりじわりと時間をかけて追い込んで行く手口が、生活困窮者の訴えに思えて逆に怖かった。そういう悲しい時間の中で、利根君とカンちゃんとケイさんの血の繋がりの無い心の家族の触れ合いが余計に涙をそそった。最後の阿部さんの「助けようとしてくれて有り難う」って言葉は、息子に対してだけの言葉では無かったと私はそう感じた。
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