空白のレビュー・感想・評価
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前半はただただ不愉快で、なんでこんな嫌な映画を見なきゃいけないん...
前半はただただ不愉快で、なんでこんな嫌な映画を見なきゃいけないんだろうと思ったけど、ラスト近くで昇華があって救われた。特に救いのないのが寺島しのぶによるフォロー。世の中ってこんなものかと呪うくらいの気持ち。古田も、娘へのパワハラが本当に頭にきてた。なんであんなに不機嫌なのか、人物像がちゃんと描かれていない。だから、後半の変化もよくわからない。いきなり絵を書き出すとか全くわからない。
松坂くんは、本当にこういう役が好きなんだなあというか、樹木希林みたいなもんで、人のズルさとか描くのが好きだ。
松坂くんだってトラウマを抱えているのに、事故現場の再現のシーンはあまりに暴力的で、古田の芝居がうまいとは思えない。
それでも、説明的ではない形で、一つの事件を巡る人々のありようを描いてるのが素晴らしい。自殺した娘さんのお母さんのシーンはとても良かった。
雲の絵も、
何を強いて、歪めたのか
古田新太って すごい!
古田新太 この人 凄いですよね?
モンスター化していく彼を見て 私も同じ立場だったら 全く同じ事をしてるかも?
だんだん 共感してきました。
何とも イライラさせられる位 気弱い青年を、どこまでも演じる松坂桃李
彼って もう ただのイケメン俳優 卒業ですね。
古田新太と ほぼ互角でした。
見た後は ズッシリ重い物を背負って 映画館から 出てきました。
怒りエネルギーの量
折り合い
気持ちの片付け
予告編から想像していた内容よりも救いのあるエンディング内容で良かったです。
印象に残ったシーンはいくつもありましたが、特にこぼれた食べ物を片付けるシーンは印象的でした。
青柳が弁当をぶちまけたあと、ちゃんとちり取りに片付けするところや、草加部さんがこぼれたカレーを泣きながら片付けするシーンは、どちらも収拾がつかなくてとっちらかった気持ちを自分なりに整理しているように見えました。
添田も娘の部屋を片付ける中で自らと向き合うことができはじめているようにみえました。マニキュアは捨てちゃたけど(笑)
どんなに辛くても、何とか少しずつ気持ち整理をして、折り合いをつけながら生きて行くしか無いんだと思わされました。
そして、そんな辛い中にも小さな喜びがあることも示してくれていたと思います。
人物描写のリアリティ
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万引きで逃げた少女が道に飛び出したところトラックで死亡。それを目の前で見ていたスーパーの店長と娘が万引きしたと絶対に信じない父親とその周辺の人達を描く話。
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この映画とにかく人を描くのがうますぎる。登場人物達の行動は一見理解できないようで、もし自分がその立場だったらその行動をとるだろうなというリアリティ。私はこの映画の中にいくつもの自分を見つけてブスブス刺さった。
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自分がスーパーの店長の立場だったら、とにかく大人しくして謝って事が収まることを静かに待つだろうし、でもそれを傍から見てたら何で黙ってるだけなのって思うだろうし。そして父親の自分が1度こうだと言い切ったことを後から取り消す事が出来ないあの感じも分かる。
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1番共感出来たのは土下座は最大の防御という点。いくつかの作品で土下座をすることはプライドをへし折る最大の屈辱と描かれがちだけど、実際土下座で許してもらえるならいくらでもするよね。現実は土下座なんかしたって何もならないのにね。
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そして他人を変えられる/助けられる力なんて自分が思っている以上にないということ。自分のダメなところなんて自分が1番分かってるし、案外人は誰の助けも借りずに勝手に自分の問題と折り合いをつけて勝手に成長していくもの。
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今作でも、古田新太さん演じる充は自分に向けられたことではない言葉を自分のことだと勘違いするように、心のどこかで自分の行動の欺瞞を理解しているし、緑が娘を思って言った言葉から何かを受け取り娘と向き合っていく。
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松坂桃李さん演じる直人も、そこまで気遣ったわけでもなさそうだけれど暖かいある人の言葉に救われる。案外、その人のことを思って言った言葉ではなく、誰かが何気なく言った言葉に人は影響を受けるものなのよね。
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最後に、もちろんこの映画も登場人物たちの印象がコロコロ変わる『スリービルボード』方式。全然理解出来ないと思っていた人物も、次の場面ではめちゃくちゃ真っ当なことを言っていたりする。そしてその言葉は観客にもブスブス刺さる言葉。
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あんた、花音しかいなかったって言うけど、あの子の何知ってんの?好きな漫画は?好きな音楽は?
これでもかこれでもかと、被害者父・添田(古田)のモンスターぶりが暴走する。添田の元嫁(田畑)が嫌気がさして、「八つ当たりするのはもう止めたら?許せないのは自分自身のくせに。」と怒る。そうなのだろう。本当は、怒りは自分自身に向けているのだ。そこでふと振り返った。"善意の強要"をする草加部(寺島)は、たしかに青柳(松坂)の助けになってあげようと懸命なのだが、もしかしたらその行動も青柳のためなんじゃなくて、自己救済の行為なんじゃないかと。野木(藤原)が添田に懐くのも、そうなんじゃないだろうか。例えば海で死んだ父親に今更手助けをするような気持ちかもしれない。
この映画、怒りと贖罪の洪水に耐える2時間かと覚悟していた。しかし、あふれていたのは、“後悔"と"気付き"ばかりだった。その感情は"愛情"だ。それを最後の最後にも見せつけてくる。吉田監督は、「ヒメアノ~ル」では歪んだ愛、「愛しのアイリーン」では見返りを求めぬ母の偏愛、そしてこの映画でも、後悔したからこそ気付いた愛を表現してくれた。牙を収めてしょげかえった役者古田新太の姿が、哀れで、惨めで、悲しくて、そして、どこか立派だった。
草加部(寺島しのぶ)さんの空白
日常生活にいつ起こり得ない出来事
この作品は終始深く深く考えさせられ見終わった後には精神的に疲れまし...
圧力を受ける側にとってはひとつも救いはありません
私が一番嫌いなパワハラ系の人の醜悪さと罪深さをとても分かりやすく教えてくれる映画でした。
①大声や威圧的な態度で相手を威嚇(心の奥底では自分の正当性に自信がなく、話し合いで解決するという選択肢を始めから放棄している人の典型)
②自分の手には負えない話だと本能的に察知すると、今はそれどころではないという雰囲気を出して、拒絶する(花音ちゃんの相談をはぐらかしたのはその典型)。会社でいつも忙しそうにして部下からみたら、相談しづらい雰囲気を出している人は大抵そのタイプです。後々トラブルに発展すると、何故俺に相談しなかったんだ、というズルい人、結構いませんか?
③相手が弱りきった時に、それまでどれだけ深い傷を負わせたのか、ということへの真摯な想像力は働かせることなく、〝俺だって好きでこんなことをしてるんじゃない〟みたいな理解者然とした態度を取る。
映画としては、ほんの少しは救いがあるかのように締めていましたが、鬱に追い込まれた元妻、常に萎縮することを強いられていた花音ちゃんのことを思うと、〝実は人間味のある頑固親父〟として受け止めてしまうことは絶対にできません。
寺島しのぶさん演じるクサカベさんの圧力も受けてしまう側の人にとっては明らかにパワハラでした。
死ぬよりも辛い日々を送り続けている子どものいるDV家庭が一体どれほどあって、どれほど水面化で苦しんでいるのか。
オレンジリボンの活動に参加したこともありますが、自分の無力さばかり感じています。
究極の人間心理の映像だ‼️今年のアカデミー賞間違い無し‼️❓
予告編がセンセーショナルなので奇をてらう物語と誤解していました。
万引きを疑われ死んだ娘の親父、スーパーの店長、轢いた車の運転手、それぞれの行動や発言、全てが、心の奥底に響いてくる、私ならどうするか、責めてくる。
周りの人々の行動や発言も、心を揺さぶる。
運命に翻弄される人々に涙し、怒り、悲しみ、悩む。
こんな、映画は久しぶりだ。
社会的に考えることもある。
電車会社が保線や事故の責任を取るのに、なんで、車会社は安全対策が不完全なのにトヨタのように利益を何兆円も貪るのか。
自殺では、何も解決しないのに、なんで、日本は世界一の自殺大国なのか。
この映画は、丁寧に、真摯に、どの映画よりも高品質です。
今年、最高の映画でした、是非。
イルカの雲
全編にわたって、どんよりと重たい空気が支配するスターサンズらしさ全開の作品。
親父、娘、元嫁、スーパー店長、スーパーのパートのおばさん、第1加害者、娘の担任、親父の舟の相棒・・・
登場人物が皆、生き方が不器用というか心に溜まったモヤモヤをどう処すべきか分からず右往左往して鬱々とした日々を過ごす。
それを象徴していたのが、主人公(古田新太)が法事帰りの車内でぽつりと発した「みんなどうやって折り合い付けてるんだろうな?」というセリフ。
そんな中、絵心に目覚めた親父が亡き娘が自分と同じ絵を描いていた事実を知り、遅ればせながらも気持ちが共有出来ていた瞬間があった事に気付けたラストシーンが救いだった。
尺が短く、それぞれの登場人物のバックボーンの描き出しがほとんど無かった割には心理描写が良く、ストーリーにのめり込む事が出来た。
巻き添え
交通事故で娘を亡くし正気を失う父親と彼に追い詰められる男の話。
女子中学生がスーパーで万引きをして逃げる際に車に轢かれて亡くなり、追いかけたスーパー店主を女子中学生の父親が責めるストーリー。
元々周囲に対しても娘に対しても俺様な父親なので、あまりエスカレートした感じはしないし、気持ちは判るけれど執拗行動に起こしてしまう父親は、誰か責めることができる相手をみつけて攻撃をする現代社会の縮図にもみえる。
スーパー店主も切り取られた報道でどこか壊れてしまったのか。冷静に考えて、この店主に非があったとは思わないし、後味の悪い、嫌な思いをしているのに引っかき回されるという…。
もし取材を受けることがあれば、とりあえず証拠となるよう取材の様子を撮影しておきましょうね。
葬式での母親の言葉に何を思ったか、そしてクマをみつけた時の心境は…。
最後はちょっとキレイなことを言っている感じもした父親だけど、自分が間接的にでも人から奪ったものがあることを認識し悔いている様子がなかったのは少し残念だったかな。
とはいえ、嫌な重い空気とやり切れなさはとても良かった。
野木はイケメン過ぎ。
ノミネートされる映画賞は根こそぎ刈り取ると思う
不慮の交通死亡事故
亡くなった女子中学生と関係があった人たち、思わず巻き込まれた関係なかった人たち、みんなの人生がどうしようもなく一変してしまう
勿論どこにも殺意なんかないけど、人が死んだ事実はある
メディアとインターネットの芯のない正義感が、当事者の心と体の境界をズカズカ土足で踏み込えてくる
そこからなんとか援け出そうとする周りの優しさも、それまでのいろんなしがらみの中で、嵌る場合と空回る場合がある
すべての俳優さんの憑依具合がすごい
110分、エネルギーを削り取られながら鑑賞した感覚がある
救いそのものはないけど、救いのきっかけはある
そしてそういう救いのきっかけに、出会えた人と出会えない人がいる
これは強烈、琴線を鷲掴みにして揺さぶってくる作品
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