劇場公開日 2021年9月23日

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空白のレビュー・感想・評価

全293件中、161~180件目を表示

4.0片岡礼子の演じる人物について

2021年9月28日
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鑑賞方法:映画館

この映画は道徳を描くものではなく、最後に世間の望むような道徳にたどり着く人を描くものでもないですね。人間を描くことに重点は置かれていますが。
そこから浮かび上がるのは、他者に過度に道徳的であることを求めてはいないか?という我々の道徳観への問いかけですね。
フィクションの人物にすら道徳を求めてしまう人も多い中、冷静にこの作品の言わんとするところを考えたいと思いました。

一つ言いたいのは、片岡礼子が演じる女性についてです。(ネタバレになるのでこういう呼び方にしておきます)

全面的に悪いわけでもないが、かといって非がないではない、という人物ばかりが出てくるこの作品で、彼女に「非」に当たるものは描かれていません。
非があるわけないのですから当然ですが。
しかし、この映画で松坂桃李が過剰に謝るのに並んで、謝罪の場面があるのが彼女です。

この場面に感動したというコメントを見かけますが、どういう意味の感動なのでしょう?
彼女が自分で語る「非」を、まさか本当に「非」だとは思ってませんよね?

私はあの場面は、世間が望む「道徳的な姿」を先取りして「こういう態度を取れば満足ですか?」という問いを製作者側が投げかけている場面だと思いました。
本当は、古田新太をなじり、罵倒してもいいんですよ。それが人間ですから。そのあとで謝ったっていいんです。

彼女にそうした人間的な態度を取ることを許さなかったものがあるわけです。
それが我々の過度な道徳観ですね。
私はそうした批評を含んだ場面だと思いました。

それを完全に理解して演じている片岡さんはやはり素晴らしい俳優さんだと改めて思いました。

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Pocaris

4.5人生に必要なのは、空白ではなく、余白だ

2021年9月28日
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スーパーで万引きし、店長に追いかけられ、走って逃げる途中で道路に飛び出し、車に轢かれて即死した娘の父親が暴走し、店長を追い詰める。背景には、事実を捻じ曲げて報道するマスコミ、怒りの矛先を変えるために父親に嘘を伝えた学校の存在がある。
気立は良いが、優柔不断の店長に迫る父親の原動力は、亡き娘への愛ではない。空虚で愛のない自分自身の人生への八つ当たりだ。
こういう人は、自分自身しか見えていない。周りから求められることは乱暴にはねつけ、自分の欲望だけを満たす。いつも怒ってばかりだ。そのような態度が娘を万引きへと追い詰めたと自覚したきっかけの重さに、涙が出た。
人生に必要なのは書くべきことが書かれていない空白ではなく、愛から生まれる余白なのだ。

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eigaeiga

5.0唯一

2021年9月28日
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この役は、古田新太しか居ないと思います。この映画に加害者はいないと思います。皆、被害者だと思います。ひょっとして、世の中の人達、皆、被害者では・・・・

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ホモサピエンス

4.5正直あんなに泣けるとは思っていませんでした。

2021年9月28日
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泣ける

知的

幸せ

映画を見る前は予告等を見て多分感動するんだろなーと漠然に思っていたのですが、いざ映画を見てみると何が正しいか正しくないかどうでもよくて、みんなそれぞれ正しいと思ってることがあってそれと同時にあまり認めたくはないが正しくないと分かっていて、思っていることがそれぞれ正解で間違っていることでもあって、それが偽善者であっても被害者であってもまたは加害者であってもみんなそれぞれ思い悩んでいて、日常的に起こりうる話で何故かわからないけど涙がすごく出てそれと同時に笑顔になれて、見終わった後すごい満足感がありました。

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さいさい

5.0今年は名作が多い

2021年9月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

2021年に公開した作品って、邦画洋画共に名作が多い気がします。そして、その名作の中にまた一つ作品が入りましたね。

冒頭から、古田さんの演技力に鷲掴みされながら、万引きした娘が事故に遭ってしまうショッキングなシーンまでの冒頭は素晴らしく、掴みはばっちりです。

そこからも人の醜さがそれぞれで溢れ出てて、後半から良い意味で見てられなくなってきます。

しかし、ラスト30分ぐらいから、古田さん演じる父が徐々に変わりつつあり、そこからの展開は涙モノです。

個人的にこの作品を見てて、1番の醜さを出してたのはマスコミと同僚の2人かな。
この2人が居なければ、この物語がどうなっていたのか。。。考えさせられます。

スターサンズの新たな名作誕生です。これは見るべき。

あと、一つ注意して欲しいのが、冒頭の娘が事故に遭うシーンなのですが、かなり生々しく、尚且つ、隠さず映るので、ショッキングなシーンになっております。気をつけてくださいね。

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大翔

4.5世の中は答えの無いことばかり

2021年9月28日
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万引きをした少女を追ったら
その子が車に跳ねられて
亡くなってしまう
そこから織りなす
決着のつかないお話

そうそう無い話だけど
よくありそうなお話でもある
そしてそこに絡む人の心情も
なんとなく汲み取れる

独りよがりで
自分以外に自分の感情を決着できない添田は
ずっと孤独なレールを進み続ける
レールだから曲がり角もないし
後退することもない
ただただ進むだけ
変わることはない

こんな人、こんな感情で他人と相対する人って
身近にたくさん存在する
善意の押し付けをしまくる
パートのオバさんも
まさにそう

物語には救いはない
原因はどうあれ
中学生が亡くなるというのは
そこで時が止まるだけに
そういうものだ

大きな展開もないし
大きな感動もない
それでも心の真ん中に
ドーンっと座る何かが
観る者の心を鷲掴みする

撮り方も上手
演者も上手
音楽もわとらしくない
つまらないコメディも入れない
平凡な話を、しっかりとした質まで仕上げた
吉田監督はすごい監督だ

こういう映画が普通にシネコンで観れたことは
奇跡に近いと思う

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おっちょ

4.0途中までツラくて身悶えしたが、前向きに終わってホッとした

2021年9月28日
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中学生の娘が万引で捕まりそうになって、逃げている最中に車にひかれて死んでしまう。冒頭から、やたらクマの深い娘と、陰鬱そうに働くスーパーの店長と、赤ら顔でキレまくっている威圧感満載の親父が、不穏な空気をムンムンに醸し出してくる。
早く事故後の話に行って欲しいと思いながら観ていたが、事故シーンの映像もショッキングで、その後の登場人物が怒りや悲しみで心の空白が広がっていく過程に心情をひきづられ、苦しかった。不安な感情でいっぱいになり、うなってしまうほどツラかった。
映画って、観る人の心の空白を埋めてくれるもんじゃないの?、なんて思ってた。
しかし、ラスト近く、父親演ずる古田新太の、誰かを責めることの呪縛から晴れて泣くシーンで、心がフワーッと軽くなった。古田新太カッコいいなあ、と思わず思ってしまった。
観ていた私の緊張も解けて、いい映画を観たなあと、心の空白も満たされたのでした。

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世界のメガネ

3.0どこだろう

2021年9月27日
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空白ってどこのこといってるのかな。
結局事実は明かされず、シーンでは捕ってないように見えたが。

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あふ

4.5 前半はただただ不愉快で、なんでこんな嫌な映画を見なきゃいけないん...

2021年9月27日
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 前半はただただ不愉快で、なんでこんな嫌な映画を見なきゃいけないんだろうと思ったけど、ラスト近くで昇華があって救われた。特に救いのないのが寺島しのぶによるフォロー。世の中ってこんなものかと呪うくらいの気持ち。古田も、娘へのパワハラが本当に頭にきてた。なんであんなに不機嫌なのか、人物像がちゃんと描かれていない。だから、後半の変化もよくわからない。いきなり絵を書き出すとか全くわからない。
 松坂くんは、本当にこういう役が好きなんだなあというか、樹木希林みたいなもんで、人のズルさとか描くのが好きだ。
 松坂くんだってトラウマを抱えているのに、事故現場の再現のシーンはあまりに暴力的で、古田の芝居がうまいとは思えない。
 それでも、説明的ではない形で、一つの事件を巡る人々のありようを描いてるのが素晴らしい。自殺した娘さんのお母さんのシーンはとても良かった。
 雲の絵も、

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えみり

4.0何を強いて、歪めたのか

2021年9月27日
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泣ける

悲しい

怖い

あることを境に…人生は不都合な変化の連続で、生きることとは、折り合いをつけることだと思い知らされる。この思いは、本作の感想と同意だが、単に映画の感想だけにあらず。それぞれの母の言葉が真実を言い当てていた。善良な行いとは、そこに至る心理を誠実に描いている作品に対し、そう素直に思うのだ。逃げず、見つめ、話す者と、戸惑い、伏せ、避ける者。しかし、両者が共存し合い、両方が誰しもに存在することを理解する時、思いがけずにもやは晴れ、少しずつ拗れていた網の目は解けだすのではないか。同じ空を、同じ思いで見上げている人々は、図らずも側にいた様に。

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yutamuroki

4.0古田新太って すごい!

2021年9月27日
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古田新太 この人 凄いですよね?
モンスター化していく彼を見て 私も同じ立場だったら 全く同じ事をしてるかも?
だんだん 共感してきました。
何とも イライラさせられる位 気弱い青年を、どこまでも演じる松坂桃李
彼って もう ただのイケメン俳優 卒業ですね。
古田新太と ほぼ互角でした。
見た後は ズッシリ重い物を背負って 映画館から 出てきました。

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miwa

4.0古田新の狂気ぶり

2021年9月27日
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古田新さんの映画を観るのは初めてかな。
モンスターぶりの演技は鬼気迫るものがあった。
そして、悲劇だらけのストーリも、一縷の望みが・・・
吉田監督恐るべしです。

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hanataro2

5.0人の身に成りましょう

2021年9月27日
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良かったッス。加害者、被害者、周りの友人、第三者、家族側、などなど。みーんなその人の立場から見てさて、どない感じますヤロ。当たりでしたわ。

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Cinemaオタク女

4.0怒りエネルギーの量

2021年9月27日
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万引きした子を追いかけた店長と、万引きして車にはねられて死んだ娘の父とのバトル。
さらに周りの人を巻き込んで、、、、、、。

前半の息詰まるエネルギーと、後半のぱらぱらと憑き物が落ちた様に力が抜けていく虚しい感じはなんだろ?
加害者も被害者も傷付いて、さらにまわりを傷付け、憔悴して行く、そして世間からも忘れられてゆき、様々な物を失っていく。

結局死んだ人は戻らない。

時間だけが少しずつ、エネルギーを染みとって行く様な感じ。派手な感情爆発の多い脚本だけど役者達がそれを歯を食いしばって耐えて、抑えた表現にしてる様がまた観てて心を撃つ。

やっぱり店長可哀想だったなぁ。

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masayasama

5.0折り合い

2021年9月27日
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謝っても許されない、取り返しのつかない出来事に、、、

マスコミや学校の酷い対応、そして関係者は気性の荒い父親に追い込まれる

ラストに近付くにつれ、真実が、、

法事からの帰り「みんなどうやって折り合い着けてんだろな」とボソッと言うセリフが頭に残る。

つか、古田新太さん、素に見えるほどの演技が素晴らしい❗

良い作品に出会えました。

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NOM

4.5気持ちの片付け

2021年9月27日
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予告編から想像していた内容よりも救いのあるエンディング内容で良かったです。
印象に残ったシーンはいくつもありましたが、特にこぼれた食べ物を片付けるシーンは印象的でした。

青柳が弁当をぶちまけたあと、ちゃんとちり取りに片付けするところや、草加部さんがこぼれたカレーを泣きながら片付けするシーンは、どちらも収拾がつかなくてとっちらかった気持ちを自分なりに整理しているように見えました。

添田も娘の部屋を片付ける中で自らと向き合うことができはじめているようにみえました。マニキュアは捨てちゃたけど(笑)

どんなに辛くても、何とか少しずつ気持ち整理をして、折り合いをつけながら生きて行くしか無いんだと思わされました。
そして、そんな辛い中にも小さな喜びがあることも示してくれていたと思います。

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でんでんでん

5.0人物描写のリアリティ

2021年9月27日
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悲しい

難しい

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万引きで逃げた少女が道に飛び出したところトラックで死亡。それを目の前で見ていたスーパーの店長と娘が万引きしたと絶対に信じない父親とその周辺の人達を描く話。
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この映画とにかく人を描くのがうますぎる。登場人物達の行動は一見理解できないようで、もし自分がその立場だったらその行動をとるだろうなというリアリティ。私はこの映画の中にいくつもの自分を見つけてブスブス刺さった。
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自分がスーパーの店長の立場だったら、とにかく大人しくして謝って事が収まることを静かに待つだろうし、でもそれを傍から見てたら何で黙ってるだけなのって思うだろうし。そして父親の自分が1度こうだと言い切ったことを後から取り消す事が出来ないあの感じも分かる。
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1番共感出来たのは土下座は最大の防御という点。いくつかの作品で土下座をすることはプライドをへし折る最大の屈辱と描かれがちだけど、実際土下座で許してもらえるならいくらでもするよね。現実は土下座なんかしたって何もならないのにね。
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そして他人を変えられる/助けられる力なんて自分が思っている以上にないということ。自分のダメなところなんて自分が1番分かってるし、案外人は誰の助けも借りずに勝手に自分の問題と折り合いをつけて勝手に成長していくもの。
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今作でも、古田新太さん演じる充は自分に向けられたことではない言葉を自分のことだと勘違いするように、心のどこかで自分の行動の欺瞞を理解しているし、緑が娘を思って言った言葉から何かを受け取り娘と向き合っていく。
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松坂桃李さん演じる直人も、そこまで気遣ったわけでもなさそうだけれど暖かいある人の言葉に救われる。案外、その人のことを思って言った言葉ではなく、誰かが何気なく言った言葉に人は影響を受けるものなのよね。
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最後に、もちろんこの映画も登場人物たちの印象がコロコロ変わる『スリービルボード』方式。全然理解出来ないと思っていた人物も、次の場面ではめちゃくちゃ真っ当なことを言っていたりする。そしてその言葉は観客にもブスブス刺さる言葉。
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せつこん

3.5あんた、花音しかいなかったって言うけど、あの子の何知ってんの?好きな漫画は?好きな音楽は?

2021年9月27日
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これでもかこれでもかと、被害者父・添田(古田)のモンスターぶりが暴走する。添田の元嫁(田畑)が嫌気がさして、「八つ当たりするのはもう止めたら?許せないのは自分自身のくせに。」と怒る。そうなのだろう。本当は、怒りは自分自身に向けているのだ。そこでふと振り返った。"善意の強要"をする草加部(寺島)は、たしかに青柳(松坂)の助けになってあげようと懸命なのだが、もしかしたらその行動も青柳のためなんじゃなくて、自己救済の行為なんじゃないかと。野木(藤原)が添田に懐くのも、そうなんじゃないだろうか。例えば海で死んだ父親に今更手助けをするような気持ちかもしれない。
この映画、怒りと贖罪の洪水に耐える2時間かと覚悟していた。しかし、あふれていたのは、“後悔"と"気付き"ばかりだった。その感情は"愛情"だ。それを最後の最後にも見せつけてくる。吉田監督は、「ヒメアノ~ル」では歪んだ愛、「愛しのアイリーン」では見返りを求めぬ母の偏愛、そしてこの映画でも、後悔したからこそ気付いた愛を表現してくれた。牙を収めてしょげかえった役者古田新太の姿が、哀れで、惨めで、悲しくて、そして、どこか立派だった。

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栗太郎

3.5草加部(寺島しのぶ)さんの空白

2021年9月27日
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ちょっと演出オーバーな所もあったけれど、何処の映画もある事なんで

家庭を壊してしまった漁師さんが、事故をきっかけに突っ走るスピードを緩める
店長は「父親が亡くなる間際にパチンコやっていた」と言いながら、緩く生きていた頃から脱け出せない

一人で張りつめているのが寺島さん

真夜中、どさくさ紛れて○○しようとしたシーン、ぶちまけられたカレーを片付けるシーン
闇が深かった

監督は投げっぱなし、決して自分を見つめ直す事は望んでいないと思う

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ノブサクマ

4.0日常生活にいつ起こり得ない出来事

2021年9月27日
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当事者だけでは無く周囲の人達やその他の社会問題を考えさせる物語!
でもマニュアル的には店を出てから一声かけるのが鉄則だと思うが結局 娘の制服 カバンから盗品は見つかったのか?しかしこのポスター イケメン人気俳優松阪にしては格好の悪すぎると思うが!

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ゆたぼー