マトリックス レザレクションズ

劇場公開日:

マトリックス レザレクションズ

解説

1999年に公開され、革新的な映像技術とストーリーで社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔「マトリックス」。2003年に公開された続編「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」で3部作完結となった同シリーズの新たな物語を描く、18年ぶりとなるシリーズ新章。主人公ネオを演じるキアヌ・リーブスが過去作と変わらず同役を担当するほか、トリニティー役のキャリー=アン・モス、ナイオビ役のジェイダ・ピンケット・スミスらが続投。ネオを救世主と信じ、世界の真実を伝え、彼を導くモーフィアス役を「アクアマン」のブラックマンタ役で知られるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ネオの宿敵スミス役をドラマ「マインドハンター」のジョナサン・グロフが新たに演じ、ニール・パトリック・ハリス、クリスティーナ・リッチらが扮する新キャラクターも登場する。シリーズの生みの親であり、過去の3作品を監督しているラナ・ウォシャウスキーがメガホンをとった。

2021年製作/148分/G/アメリカ
原題または英題:The Matrix Resurrections
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2021年12月17日

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映画レビュー

3.5革命を起こしたカリスマ的な映画 → クスッとする娯楽映画へ

2022年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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momokichi

2.5世界観にそぐわないメタと懐古趣味

2021年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 マトリックス(1999年)は、斬新な世界観のインパクトで観客を殴りにくるタイプの映画だ。それは裏返せば、同じ世界観の中で続編を作る限りは、最初の作品を超えるインパクトを生むのは難しいということにもなりはしないだろうか。  なお、前情報で本作は1作目の続きだと見たような気がするが、実際は過去3作全てを踏まえた内容だ。  初作へのオマージュとも言える冒頭のシーンはちょっとわくわくした。が、その後過去作の映像のインサートがあまりに多く、本筋の展開も初作の筋立てに足並みを揃えるように進んでいくので、だんだん退屈になってきてしまった。  ネオの仮想世界での職業がゲーム開発者で、マトリックスはトーマスの作ったゲームということになっていて、そのゲームについて開発会社の同僚達が過去作を揶揄するようなメタ的会話を交わすシーンは、どういうスタンスで聞いていいのかよく分からなかった。業界への皮肉?前作までのシリーズへの自虐?シリーズが好きで観に来ている人が多いと思うんだけど。  別のシーンで、過去作で見たようなおっちゃんが「スピンオフで待ってるぜ」とか何とか言っていたのもそうだ。笑うところだったのだろうか。  私の中では、マトリックスは独特の骨太な世界観を前面に打ち出すことで見る者を驚かせてほしい作品で、現実世界を思い出させるようなメタ諷刺は似合わない。かえってスクリーンの彼我であることが意識にのぼってちょっと冷めるのだ。  エンドロール後におまけ映像を付けるという手法も、マトリックスの世界観にそぐわない。  キアヌ・リーブスは昔から大好きで、50代になった現在の彼も若い頃と変わらないスマートさと、年齢を重ねて新たに備わった渋い魅力があると思っている。  そんな私が見ても、旧作映像のインサートてんこ盛りだったせいか、はたまた1週間前に初作のリバイバル上映でピチピチのキアヌを見たせいか、やっぱキアヌ年取ったなあ……という部分が悪目立ちして見えた。アクションは他の作品でも色々やっているだけあって彼の年齢にしては十分すごい。しかしそのアクションも話が進むにつれかめはめ波的な技が多用されるようになってゆき、単調さが目についた。  ラナ・ウォシャウスキー監督は、両親と友人の死をきっかけにネオとトリニティを甦らせることを思い立ったそうだ。妹のリリーは、喪失感から過去の作品に立ち戻ることに気が進まなかったのが降板理由のひとつだったという。こういった動機が正解だったかは作品の出来次第だが、本作の感触を踏まえると何だか後ろ向きな印象になってしまう。  とは言え、キアヌ好きとしては彼をたっぷり拝めたことと、猫のデジャヴの出番が多かった点はよかった。久しぶりにマトリックスの新映像を見て、どこか懐かしい気持ちにもなった。  本作のテーマや作品の特長を考えると、過去を懐かしむような感想が出てくるのは致命的なのかも知れないが。

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ニコ

4.0ビジュアルの更新はしていないがテーマは深化した

2021年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

かつて映像表現を更新したシリーズの復活ということで、第一の興味は新たなビジュアルイメージを創出可能かという点だった。この点については、少し残念だ。かつて『マトリックス』が生み出した表現は、今やハリウッドに限らず、当たり前のものになった。当たり前を作ったからすごいのだが、それを自ら更新することは、やはり至難の業なのだろう。 しかし、テーマを深化させることには成功している。前シリーズは、仮想世界と知らずに生活していたトーマス・アンダーソンが救世主ネオとなって、機械に支配される人間を解放に導くという物語だった。現実には人間の文明は滅んでおり、地獄のような様相だった。機械の支配から逃れても、そもそも人類に明日はあるのか怪しいほどにディストピアだった。一方、仮想世界の中は楽しそうなのだ。それでも、そこから人は機械の支配から自由になるべきと説いたのが前3部作だとすれば、今回は仮想世界の中で上手く生きていくにはどうすべきかを説いている。現実の方が無条件に大事だと言い切れない時代になっている。と言うより、多くの人が仮想世界に生きることを選べば、もはやそれが現実の世界になってしまうのではないか。むしろこの結論の方がこのシリーズにはふさわしい。バレットタイムなど、数々の斬新なイメージは、そこが仮想世界だからこそ実現できた表現なのだから。

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杉本穂高

4.0『マトリックス』のすべてを捉え直す必然性と切実さ。

2021年12月19日
PCから投稿
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村山章

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