愛がなんだ

劇場公開日:

愛がなんだ

解説

直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を、「パンとバスと2度目のハツコイ」「知らない、ふたり」の今泉力哉監督で映画化。「おじいちゃん、死んじゃったって。」の岸井ゆきの、「キセキ あの日のソビト」「ニワトリ★スター」の成田凌の共演でアラサー女性の片思い恋愛ドラマが展開する。28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。

2019年製作/123分/G/日本
配給:エレファントハウス
劇場公開日:2019年4月19日

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(C)2019「愛がなんだ」製作委員会

映画レビュー

4.0今泉監督の描く男性像が好きだ

2019年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

今泉力哉監督の映画の男性像が好きだ。マッチョな思想の男性が出てこない。男性キャラは大抵男らしくないが、人間としての魅力や欠点は丹念に描かれている。男らしさ以外の男性の魅力を描くのが上手い監督だと思う。
今回の映画は、今泉監督作品としてはじめての小説原作ものだが(漫画原作はある)、いつもの今泉監督の色に染まった作品になっている。この映画に理想的な恋愛模様は描かれず、誰もが欠けたピースを埋めるかのようにもがくのだが、ぴったりはまるピースなど早々見つからないのだ。とても痛々しい恋愛模様だが、これが恋愛のリアルではないか。というより、メディアや広告で理想を喧伝されてしまうから、欠けた自分は駄目なのだと思いがちなのであって、むしろこの痛々しさのリアルは観る人の救いになるんじゃないだろうか。そして、ただの不毛な恋愛劇に終わらせずに主人公の小さな成長を描いているのも好感が持てる。女性客が多いようだが、男性にも観てほしい。

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杉本穂高

4.0角田光代の感性と今泉監督の演出、相性どうなんだ

2019年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

角田光代の小説はこれまでたびたび映像化されてきて、当然ながら女性ならではの感性や繊細な内面描写が大きな魅力だが、永遠のこじらせ少年のような男性のストーリーを得意とする今泉力哉監督に本作を託したのは、製作陣の大きなチャレンジであり冒険だったと思う。

テルコの愛は純粋だ。純粋過ぎて、常識人からすると馬鹿に見える。しかし、フィクションゆえの誇張であり、「恋は盲目」と言うように、恋愛は多かれ少なかれ周りが見えなくなるほど夢中になってしまうもの。中盤からの奇妙な三角関係にも笑ったが、ラスト近くでこの微熱に浮かれたようなフワフワした関係が、意外な人物の現実的な言動によって大きく動く。

男女の感情の行き違いが、女性作家の原作を男性監督が演出するというずれによって一層複雑化し、その相性はともかく、本作の味にはなっている。伊坂幸太郎「アイネクライネ…」の今泉監督による映画化も楽しみだ。

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高森 郁哉

4.0誰の中にもある歪んだ愛の形のデフォルメ

2024年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

「愛なのに」を観た後、そういえば「愛がなんだ」を観ていなかったと思い、今泉脚本作品を2本立てで観た。原作未読。

正直、前半はイライラして途中で観るのをやめようかと思った。しかし、岸井ゆきのが脱力感たっぷりなのに不思議と引きつける演技をするものだから、ダラダラ見続けているうちに、中盤から俄然見入ってしまった。

テルコ(岸井ゆきの)の守(成田凌)への一方通行の恋愛感情は、自分の生活を犠牲にしてまでも尽くすという究極の都合のいい女ぶり。一方の守からすれば、呼べばいつでも来る便利な女。それで自分の気が済んだら用はない、頼みもしない余計なことをして欲しくないという究極のダメ男(しかも本人に悪気なし)。
同じ構図が男女逆転して仲原(若葉竜也)と葉子(深川麻衣)の間にも。

アラサーでなにやっているんだ!と、テルコを筆頭に、このどうしようもない4人全員にイライラしていたが、すみれ(江口のりこ)が登場し、守もすみれに対して一方通行の恋愛感情を抱いていることがわかってから、考えさせられる展開に。

仲原が葉子ともう会わないとテルコに告白する重要な場面。自分を見てくれないことがわかっていても、好きすぎる故にどんな形でも側にいたいという気持ちでいたが、それが苦しかったと。そりゃ苦しいですよ。ダイレクトに「あんたじゃない」という気持ちが伝わるんだから。しかし、こういう気持ち、誰しも少なからず抱いたことがあるんじゃないか(超モテ男、モテ女の方を除いて)。この場面で、ああ、なんかちょっとわかるなあ、という気持ちになってしまった。

そうすると不思議なもので、ちょっとヤバいテルコも言動もなんかわかるなあ、という気に。守のすみれへの気持ちもなんかわかるなあ、という気に。
逆に、相手の好意に甘える守や葉子と似たようなことを少なからず自分もしたことがないか?と胸に手を当ててみたり。

詰まるところ、これは1人の女性の執着愛を描いた物語ではなく、若かりし頃、誰しもが少なからず抱いたことがあるような感情や、やってしまいそうな行動を、強烈にデフォルメして濃縮して登場人物達に演じさせているんじゃないか、という解釈に自分は至った。

テルコの「愛がなんだよ!」という心の叫びは、「愛でも執着でも何でも好きに呼べばいい。どんなことをしたって私は守を見ていたい、何なら守になりたい!ただそれだけだ。」という彼女の宣言であり、吹っ切れた瞬間。そこまで宣言するならとことんやってみなよ、と応援しそうになった(いや、応援はせんけど。幸せにはなれないから)。

しかし、守の気を引くために好きでもない男を見つめ、それを見つめる守を横でチラ見するすみれの構図は秀逸。
そしてラストカットは、下手すると狂気(サイコ)に見えそうな場面だが、それをほんわかした印象にしてしまう岸井ゆきのと今泉監督って・・・一体・・・。

考えさせられるけれど、後味のさっぱりした不思議な映画だった。

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共感した! 6件)
TS

3.5『街の上で』がハマったのでコチラも鑑賞。 アラサー女性の片思い恋愛...

2024年5月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

『街の上で』がハマったのでコチラも鑑賞。
アラサー女性の片思い恋愛ドラマと、そこからの脱却の物語。主要登場人物達の嫌な部分もちゃんと描く、直木賞作家・角田光代の同名恋愛小説を今泉力哉が映画化。

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