ヴェノム
劇場公開日 2018年11月2日
解説
スパイダーマンの宿敵として知られるマーベルコミックの人気キャラクター「ヴェノム」を、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ダンケルク」のトム・ハーディ主演で映画化。サム・ライミ監督作「スパイダーマン3」にも敵として登場したヴェノムを、「ゾンビランド」「L.A. ギャング ストーリー」のルーベン・フライシャー監督のメガホンで、新たなダークヒーローとして描く。「誰もが望む、歴史的偉業」を発見したというライフ財団が、ひそかに人体実験を行い、死者を出しているという噂をかぎつけたジャーナリストのエディ・ブロック。正義感に突き動かされ取材を進めるエディだったが、その過程で人体実験の被験者と接触し、そこで意思をもった地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。エディはシンビオートが語りかける声が聞こえるようになり、次第に体にも恐るべき変化が現れはじめる。
2018年製作/112分/PG12/アメリカ
原題:Venom
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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2021年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
元々は、スパイダーマンシリーズのヴィランだが、この映画はヴィランを映画化したというより、ダークヒーローとして作り直している。お茶目な性格で憎めないやつになっており、ジャーナリストのエディをなんだかんだで助けてくれる存在だ。しかも、エディとヴェノムの軽妙なやり取りは、『リーサル・ウェポン』のような軽妙なバディものを連想させる。恐ろしい外見とは裏腹に、好感度の高いキャラに仕立てられているのだが、これはこれでありかなという気もする。ソニーは、これを皮切りにユニバース展開をしかけるようで、好感度高いキャラの方が引っぱれると考えているのだと思う。
この映画では、凶悪なのはヴェノムよりも、自分を正義だと信じて疑わない人間だ。ライフ財団のトップは人類の未来のために非道な実験を行っている。彼自身はあれが正義であるわけだ。行き過ぎた正義を止めるダークヒーローという構図の物語に、正義への疑念があっていい。ヴェノムが主役ならそういう構造の物語のほうがたしかに面白くなると思う。
正直、ヒーロー物にはどこか息抜きであって欲しいという気持ちがあるが、『ヴェノム』という映画の軽さは意外であり、不意打ちでもあった。てっきりダークヒーロー≒悪役を主人公にしたピカレスク映画になるのだと思い込んでいたからだ。
ところが本作は、徹頭徹尾ノリが軽い。ストーリーは粗雑だし、描写が足りてないと感じることも多い。しかし、それでよし、と思わせられたのは、トム・ハーディーの愛嬌と、ヴェノムの憎めなさのおかげ。ヒーロー物は、物語的な深みよりも、キャラクターを愛せるかが大切であり、トム・ハーディとヴェノムのコンビっぷりには他では得られない奇妙な魅力が宿っていた。
こういうものは続けてナンボだと思うので、今後も愉快な珍エピソードを積み重ねて行って欲しいものである。
2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
得体の知れない地球外生命体に取り憑かれ、七転八倒しながら体内の外部者と戦いつつ、やがて新たなる自分の在り方を手に入れようとする孤高のジャーナリスト。妻に愛想を尽かされ、うらぶれた主人公の心の荒廃をトム・ハーディが人間臭く演じて、過去のマーベルヒーローのイメージを一掃してくれる。この配役を思いついたキャスティング・ディレクターも、ハーディ自身も狙って挑んだに違いない役作りは、大げさでなく革新的だと思う。特に、悪と同化していくキャラ設定が、ハーディの正義感とはほど遠い個性によって未知の領域へと踏み入れていくクライマックスの興奮は格別だ。アメリカの批評サイトでは否定的なレビューを多く見かけるが、筆者はこのハーディ=ヴェノムを迷わず支持したい!!
2022年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
スパイダーマンに登場した悪役。
悪いやつだったけど、いいやつになっていくという異色もの。
人間とやり取りして共存していくというところがおもしろい。
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