アバター ファイヤー・アンド・アッシュ

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劇場公開日:2025年12月19日

解説・あらすじ

ジェームズ・キャメロン監督によるSF超大作「アバター」シリーズの第3作。神秘の惑星パンドラを舞台とし、「森」と「海」の世界を描いてきた前2作に続き、今作は「炎」というテーマを軸に、新たにナヴィ同士の戦いが描かれる。

パンドラの先住民ナヴィの生き方に共感し、自らもナヴィとなって彼らとともに生きる道を選んだジェイク・サリー。人類の侵略によって神聖な森を追われたジェイクと家族、仲間たちは、海の部族メトカイナ族と共闘し、多くの犠牲を払いながらも人類を退けることに成功した。しかし、そんなジェイクたちが、今度は灰の部族アッシュ族と対峙することになる。アッシュ族は過去に、パンドラの調和を司る神のような存在である「エイワ」に何らかの裏切りを受け、絶望していた。静かに、しかし激しく怒りを燃やすアッシュ族のリーダー、ヴァランに、ジェイクの因縁の敵であり、自らもナヴィとなったクオリッチ大佐が近づく。両者が手を組むことで、ジェイクたちサリー一家を追い詰めていく。

キャストには、サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーブン・ラング、ジャック・チャンピオン、ケイト・ウィンスレットら前2作からのおなじみの面々が名を連ねる。今作で新たに登場するアッシュ族のリーダー、ヴァランを演じるのは、チャールズ・チャップリンを祖父に持つスペインの俳優ウーナ・チャップリン。

2025年製作/197分/G/アメリカ
原題または英題:Avatar: Fire and Ash
配給:ディズニー
劇場公開日:2025年12月19日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 ゴールデングローブ賞(2026年)

ノミネート

最優秀主題歌賞
シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞  
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(C)2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映画レビュー

4.5 圧倒的スケールの映画体験🎬 世界最高峰の映像技術と、普遍的な家族の愛の物語

2025年12月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

驚く

斬新

16年前、幼い息子を連れて1作目を観に行った。
まだ小学1年生だった息子は、映画が終わるまでチュロスを握りしめたまま、口をあけて固まっていた。それほどインパクトのあった、あの青い世界。
3年前の復活第2作、そして今回の第3作目。前2作の集大成だという今作が、実は私はいちばん好きかもしれない。

まずは、映像とテクノロジーの「到達点」としてのアバター。
推定4億ドルとも言われる製作費は伊達じゃなく、海・空・火のすべてのエレメントが、これでもかというほどの密度でスクリーンを満たしてくる。
どの一瞬を切り取っても絵になる「最高峰の画(え)」を、約3時間ひたすら浴び続ける体験は、それだけでチケット代以上の価値があるように思える。

ただ、今回いちばん刺さったのは、そこに宿った“物語”のほうだった。

幼い頃パンドラに取り残され、サリー家の養子として育てられた人間の少年・スパイダー。
自分の父親がクオリッチだと知りながら、ナヴィの家族とのあいだで揺れ続ける彼は、今作の「心臓部」と言っていい存在だ。

彼を「家族」として受け入れきれないネイティリ。
それでも家族だと信じて愛し続けようとするジェイクやキリ。
そして、そんな彼らの本当の一員になりたいと願うスパイダー。

この三者の揺れがあるからこそ、ラスト近くのある選択と沈黙が、後からじわじわと胸を締めつけてくる。
贅沢なVFXと3Dの裏側で、やっていることはとてもシンプルな「家族と愛の物語」なのだと、しみじみ感じた。

日本では、あの青い見た目に少し尻込みしてしまう人も多いのかもしれない。
正直、私自身も最初は「ちょっと怖い」と感じた一人だ。
でも、3時間を共に過ごすうちに、彼らはいつの間にか“どこか不器用で、どうしようもなく愛しい家族”の顔になっていくから不思議だ。

テクノロジーの粋を集めた映像体験と、普遍的な家族ドラマが、同じ器の中でちゃんと同居している。
そんな贅沢な一本に仕上がっている映画だと思う。

まだアバターを体験したことのない人こそ、ぜひ劇場の大きなスクリーンで。
可能なら3Dで、この青い家族の物語に飛び込んでほしい。

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ななやお

4.0 楽しみや興奮を超えた巡礼のようなもの

2025年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

歳月の経過は恐ろしい。1作目の公開時、我々は映画の未来に触れたかのように沸いた。しかし今見渡すと世間の3D作品は風前の灯。製作費や技術面で最高峰でありつつも絶滅危惧種というのが本作の偽らざる立ち位置ではないか。地球上の「侵略の歴史」を色濃く織り込んだパンドラの物語は、人々の驚くべき忘却のスピードと無関心に晒されながら試練の時を迎えている。が、いざ前作の記憶を取り戻し感情がゆっくり空を舞い始めると、私は197分の終わりなき冒険を存分に堪能しはじめていた。絵に描いたような敵役がいる。既視感ある展開も続く。それでもなおドカン、ズバンと豪快にぶつかり合う破格のアクションは極めてキャメロンらしいし、畏怖すべき自然の力は胸を震わす。従来とやや別の表情を見せる一人のキャラの変位も魅力的。続編が楽しみというわけではないが、次回作も必ず観る。探索と闘争と進化の歴史を見届ける。それはもはや巡礼のようなものだ。

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牛津厚信

4.0 ポジティブなマンネリズムを極める覚悟か、巨船のごとく沈む運命か

2025年12月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

驚く

2025年12月後半の今、日本のみならず世界の映画ファンが、いよいよ今年の真打登場とばかりに待ち望んでいたSF超大作シリーズ第3作「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」。ジェームズ・キャメロン監督が自ら開発に携わったパフォーマンスキャプチャー技術とCGで精緻に描画した美麗かつ濃密な映像世界は、確かに2作目、3作目で着実に進化しているものの、やはり2009年の「アバター」を初めて観た時の衝撃と感動には及ばない。第1作はそれほどまでに、従来のSF超大作とも3D映画とも次元の異なる、画期的で圧倒的な映像体験だった。

ストーリーの面についても、そもそも第1作からして独創的というより、過去の物語の借用を散りばめた集大成的な内容だった。この点については、他サイトのコンテンツで恐縮だが、「集大成にして新境地。ジェームズ・キャメロン『アバター』がインスパイアされた諸要素を探る」と題した拙記事で詳述したので、興味があれば検索して読んでもらえるとありがたいが、そこのまとめで「過去の出来事や物語、自作を含むSFカルチャー、そして多くの宗教的要素を織り交ぜて、まったくの未知の環境でありながらもどこか懐かしく親しみを覚える」と書いた。

そのように作られた第1作を受けて、第2作では主人公ジェイクの子供たちと新たな部族、第3作でもまた新たな部族といった具合に、世代的な広がりと部族の追加でパンドラの世界を拡充してきたものの、ストーリーの基本線は似た展開をたどる。新たな出会いがあり、互いを知り仲を深めるが反目もあり、しかしパンドラの生き物と資源を略奪し利用しようとする人間の侵略と破壊を前にして力を合わせ、「エイワ」の助けも借りて困難に立ち向かう。

当レビューの題にマンネリズムというワードを入れたが、日本語でマンネリと略されるこの言葉は、様式や手法を意味する英語の「manner」と語源が同じで、様式や手法を反復して用いる芸術表現を指す用語。今では否定的な意味合いで使われるのが一般的だが、もともとはそうではなかった。キャメロン監督はこの「アバター」シリーズにおいて、第1作で提示した大筋を“主題”と位置づけ、この主題を変奏(バリエーション)として続編で示しているのかもしれない。主題に変化や進化を加えつつも、ポジティブなマンネリズムを極めようとしているのではという気がする。

世界歴代興行収入ランキングで「アバター」は1位、前作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」は3位。キャメロン監督はさらに第4作を2029年に、第5作を2031年にリリースする計画を明かしているが、この巨額の予算を要する超大作シリーズの長旅が最後まで驚きと歓喜をもって観客に支持され続けるかどうか。キャメロンが「アバター」の前に作った「タイタニック」の豪華客船の物語のように、旅の途中で思わぬ障害にぶち当たり、沈没してしまうようなことがなければよいのだが。

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高森郁哉

3.5 今年の締め映画

2025年12月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

斬新

人生初のIMAX3Dでの鑑賞となりました。
最初は慣れない立体映像にやや戸惑い、3D酔いしないか心配したりもしましたが、結果としては最後まで無事楽しめました。正直3時間超は長いといえば長いのですが、終盤は結構没頭して見てました。金と人と時間をかけた作品というのはやっぱり完成度が違うもんだと改めて思いました。ただしそれが万人に遍く受けるかといえばそういうものでもないとは思いますが。

とりあえず今年を締めくくるにはふさわしい映画だったかなと思います。
おそらく来年初映画は、2年連続でジェイソン・ステイサムでしょう。

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フクメン