海を駆けるのレビュー・感想・評価
全29件中、1~20件目を表示
真意は難解
こういう事かな、と自分の中で納得している部分のメモ。正解かどうかわからないけど、「わからない!」と騒ぐ方は、むやみに☆1を付ける前に、こういう見方もあるのかくらいの参考として読んでいただきたい。
ラウはかかわった人の望みをシンプルに叶えるだけの存在。死を望んだら死をもたらす。ラウを息子と勘違いしたおじいさんの命を奪っているのは、それを望んでいたからだと理解できる。
ならば鶴田真由を倒した(気絶?死んだ?)のは何故なのか?あの時点で鶴田真由が何をしてて何を望んでいたかわからないけど、追っていたのは蝶、蝶は柑橘類等に卵を産む。鶴田真由が実を取っていた木に蝶が卵を産んで、それに近寄る存在(鶴田真由)を消したいと思ったら、ラウはその願いを聞き入れるのでは?
少年たち4人が死んだと聞かされるシーン。死んですぐ葬式というのはあまりにもせっかちすぎると思うがそれは演出上の問題だとして。歌を歌っていた少年の後ろで滝がさかのぼる。ラウが海なら、その元となる川を象徴するものは少年の形を取る……ということ?しかしこの少年もラウも水の化身のようなものだから、見る人にとっては同じ存在に映るのかもしれない。(観客ははっきり違う存在としてみている)
少年4人の命を欲したのは誰なのか?描かれていないが、例えば川魚とか?
最後の海の上を走るシーンは、キリストの奇蹟をほうふつとさせる。そういえば「淵に立つ」でもキリスト教的モチーフが垣間見えた。
害する事も「他の存在が望んだからそれを叶えただけ」と見るならば、そして海=ラウをそのような存在として見るならば、スマトラの津波や東日本大震災の津波も、「だれかが望んだことを海が叶えただけ」なのだろうか?
映画にはダイレクトにはそれが誰かは描かれていないが、実社会を眺めると、そういう存在がいるという考え方もあるかもしれない。陰謀論ではなく、キリスト教での原罪に近い考え方。あるいはガイア理論か。
こじつけようとすればここまで出来るような作りをしているが、監督が詳細を明言していないのはあえて明言を避けているように思える。それを明言する責任を、「見た人がそれぞれ感じれば」という言葉で逃げているようにも思える。
そういう描き方は好きではないのだけど、そういうスタイルでも良いと思うならそういう人が見れば良い。
見たいのは答えのない謎かけではなく、これを作りたかった、これを訴えたかったという監督の「覚悟」なんだよな~それがイマイチ感じ取れなかったので☆3。
本当に海を駆けちゃったよ〜
ディーンと鬼才深田晃司監督の初タッグだから超期待しました。しかも旅先で時間みつけて観賞したのに...
睡魔に襲われました。ディーンがいきなり鶴田真由を殺してしまったり、最後海を本当に駆けたり、わけのわからない迷作になってしまいました。
不思議なテイストのファンタジー作品。心に残る。
ディーンフジオカ演じる、忽然と海から現れた不思議な男ラウ(インドネシア語で「海」を意味するそうです) の佇まいに引き込まれる。
スマトラ地震の被災地であるパンダ・アチェを舞台に、物語はラウが行う不思議な行為を見せつつ緩やかに進む。
ラウを取り巻く鶴田真由、太賀、阿部純子が良い。特に太賀の役作り(現地語を滑らかに喋る風貌と相まって)に驚く。良い役者さんである。
生き物の生と死の有り様は人知の及ばない何かに委ねられている というメッセージを私は感じた。
ラストシーンも含めて、心に残る作品である。
<2018年7月2日 劇場にて鑑賞 セカンド上映>
左右にちょっと黒が入る画面サイズ
インドネシアスマトラ島2004年津波から5年後、いや2011年以後か
海に打ち上げられた謎の日本人にディーンフジオカ
やばい急に歌うたい出したら奇妙な出来事が
配管に触ってお湯に
太平洋戦争時、この場所で日本軍とオランダ軍が戦争
超常現象カメラに撮れた!水の能力者‼
手かざし
瞬間移動!
海の上走ったと思ったら消えた
なんじゃこりゃ??
ど、どういうこと?!
ごめんなさい、わからなかった。。日本とインドネシアの津波を繋げたのはテーマとして共感が持てたが、結局何者なの?津波で家族を失ったおじさん、川に流された子供、貴子さん、彼が殺生する相手はどういう共通点が?
海の化身がお出ましです。
インドネシアの海岸にて倒れている謎の男を発見し、その男と触れ合う事で謎の体験をする人々の物語。
まぁ謎の男、ディーン・フジオカが謎、謎、謎。
謎の男が起こす行動は、次に活かされる事の無い投げっぱなし状態の為「これ何ぞや?」と思ってしまうだろう。
また逆に「海の化身にて生き物に対し活かすも殺すも出来る」と考えれば、これまた少し興味が湧くファンタジー映画にもなっていた。
NPO法人にて現地で働く女性役に鶴田真由。
あのインドネシア語はかなり苦労しただろう。
日本人らしい掴み所が難しいファンタジー脚本。
目新しさはあった。
同じ海を頼り所とし行きていかなければならない日本とインドネシア。惹かれる部分はある。
しかし私としては、凄く眠かった😪
淡々としてるから。これが一日中映画館鑑賞の一本なら確実に寝てる。w
充分に観る気マンマンな時、鑑賞おすすめします。
不思議な作品
観終わった後しばらくラウは何者だったのか考えてしまった…
ほとんどセリフが無いけどディーンフジオカの不思議な存在感が半端ない。あと太賀さんのインドネシア語はお見事!!現地の人にしか見えませんでした(笑)
点を散りばめ余白を多く残したハイブローな作品
「ほとりの朔子」で出会い、「さようなら」と「淵に立つ」をマイベストワンとした深田晃司監督。思い入れマックスの状態で臨んだ。
今回はインドネシアが舞台。
太平洋戦争、スマトラ沖地震、3.11など過去の記憶の断片がドキュメンタリーの如くインタビューで語られる。インドネシアの老人たちの日本に対する心情も僅かに吸い上げていく。
ディーン・フジオカの存在は対照的だ。海から現れ、善を施し、悪を施し、海へ還っていく。海の神の如き彼の存在が今作にファンタジーの側面をもたらしている。
日本から移住しNPO法人で災害復興の仕事をする母(鶴田真由子)とインドネシアで生まれインドネシア国籍を選択したた息子(太賀)、そして日本人と何の違和感もなく接するインドネシアの若者たち。
そのすべてが「対照」を形作りながら終焉を迎える。
点を散りばめ余白を多く残したこの作品は、観たものに線をつなげ余白を埋める作業を求める。そういった意味では観る人を選ぶハイブローな作品だろう。
「さようなら」と「淵に立つ」は対照的な作品だった。そして「淵に立つ」と今作もまさに対照的な作品だ。深田監督自身、決して媚びることなく、今後も振幅の大きな作品を撮り続けていただけたらと…
恐ろしい作品(再レビュー)
文科省芸術文化振興予算の補助、三ヶ国合作、朝日新聞、TBS...
満貫です。意味分からんです。本当に分かんない。
阿部純子のプライベートストーリーと割り切っても。
海は命を救いもするし奪いもする。それは気まぐれと見えるほどに不条理である。そんなところですか?しかし胸糞悪。いずれにしろ映画としてダメ過ぎる。
監督の才覚のほどを測りかねてたんで、確認の意味での鑑賞でしたが、評価確定します。次は観ない。
違いを強調する事で自己の能力を粉飾することが、ある程度可能なことは知ってる。違う畑でそう言う人も見て来た。
今は、淵に立つ、まで醜く思えて来た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と、一旦レビューはしたものの。
見方を変えてみたら、恐ろしいことに気づいた。
この作品、丸めて言うと、
「正体不明のサイコパスが無垢な命を奪って海に消える映画」
それは、淵に立つ、と同じ構図ではないか。あの子供達が溺れていなければ、ラウと出会っていなかったら、最後の浜辺で四人の若者は、あのまま海中に引きずり込まれていたのではないのか。。。
前言撤回します。次回作も観ます。
分からん映画であることに変わりはないし、共感はし兼ねるが、興味はある。
どこでもドア
会見場所から
お家に帰って来たとこ
ワロタ
ドア確認の太賀可愛かったです。
人の命を助けるだけでは無く
奪ったりもする⁉︎
蝶を追うついでに⁇
鶴田真由が(意味あるの?)お亡くなりに?
そして
タイトル通りに
海を駆ける‼︎
楽しそう‼︎
うーむ
色々
気になるまま〜
夏目漱石がアイラブユーを
月が綺麗ですねと訳したのは有名ですよね
やっぱいいですね
素敵だなと思いました。
おとぎ話だけど
深田監督の感じとちょっと違うなと思ったの。青年団の芝居っぽいくもないし。日本の人が海外で、色々とやってるのは相変わらずだけど。
ディーン・フジオカが海からやってきて、何したの?っていうと、特に大きなことはしてないの。日本から来た女の子がちょっと変わるんだよね。
淡々と進む映画だけど、ヒーリング効果あるような感じで、面白く観られるよ。
この世界観に引き込まれる。
いろいろな作品を見てきたが、抽象的な作品は意味が分からないなりにあれこれと想像・イメージを膨らませる作品と、ホント意味不明で支離滅裂で駄作とも評される作品に分かれるが、印象としては前者のような感じだった。
【解説サイト見る前】
海を意味するラウは何者なのか全く不明で、普段は物静かなのに時としてフラーッと思いつきで行動したり、日本語英語インドネシア語を単語単位でしゃべったり、不思議な存在。
ラウはいったい何者なのか、何がしたいのか。そのヒントとなることはあちこちにちりばめられていた気がする。ちゃんとした答えは出ていないが、想像させるには十分な量ではないだろうか。
ジャーナリストのネタパクリのくだりはすごい腹が立った。どこの国でも自分の手柄にしてのし上がっていきたい、注目されるネタをメディアに提供し有名になりたい、というのがあるんだろうね。目立たない存在、人こそ、潜在能力高いんだよね。それを知って欲しいなーと思った。
あとは純日本人、従弟のインドネシアとのハーフ、インドネシア人2人の青春的心情も言葉の壁を利用して面白く、はかなく、甘酸っぱく描かれ、これらのシーンは微笑ましてく見れる。ただ、日本人のサチコは引き込もり気味だったのもあり、しばしば空気を読まない、感情の起伏が激しく、という気難しい役どころ。
【解説サイト見た後】
パンダアチェはスマトラ地震の被害の大きかったところ。そこでNGOの職員として働く貴子とタカシ、インドネシア人たちをめぐる話。土地柄、どうしても津波の話になり、その傷を背負った人も多数。
その中でラウは、名の通り、海を象徴している存在として描かれている。時として優しく包み、また時として激しく攻撃してくる。しかもそれが気まぐれでいつどのような状況になるか予想もできない。まさにラウは普段は全く喋らず存在感すらないが、不思議な力によって少女を助けたり、瞬間移動したり、三か国語をペラペラと話したり、少年たちを水に引き込み殺すこともあり、夢を通してヒントを与えたり、急に戻ると言い出したりする。
これを「海」「津波」などと併せて考えていくと、まさに合致する。そうか、こういうことが言いたかったのか。
4人の青春群像の裏でこのような繊細な表現をさらっとやってのける監督の計算し尽くしたものを感じざるを得ない。
カンヌ映画祭である視点部門で受賞しているのも納得。
久々に長々とレビュー書いてしまった(笑)
見終わった後モヤモヤする
見終わった直後は( ゚д゚)って感じでした。
ラウは結局なんだったのか?多分人では無い何かの象徴なんだろうって思いながら見ていたけど最後まで分からなかった。見終わった後考察サイトを見ると、言われてみればば確かに、答えは最初に劇中で語られてたっけ、って思えた。
それならば今度は主要登場人物に目を向けると、サチコがアチェに来た理由とか、こっちもやっぱり分からないことがある。ただ、会話シーンの意図的なカメラワークとかがあったから自分が読み取れてないだけで分かる人が見れば分かるのか?と思ったり。
見てる最中もモヤモヤ、見終わった後もずっとモヤモヤしてます。
ただ、そんなモヤモヤを抱えながら迎えたラストの〇〇〇〇〇〇シーンには不思議なカタルシスを感じました。でもやっぱり謎
あと、音楽がすごい良かった。
一回見ただけじゃ全部を把握したとは到底思えないのでもう一回見たい。パンフレット買えば良かった。
主軸はサチコ。ファンタジー<民話
この映画をつまんない
と言う人はいるだろう。
ディーン様を目的に来た層はあて余るかもしれない。
気持ちは分からなくもない。
しかし、
つまんない、ではなく、
わからない
が感想として正しいのではないか?
かと言って、眠くならないのが不思議である。
自分は2回観た。
正直、1回目は難し感じなかったし、面白かった。
が、2回目は少し混乱した。
ファンタジーよりかは
童話、民話に近いと思う。
ディーン様はほとんど話さない。
主軸は阿部純子だと思う。
太賀の「えっ?」って演技が好き。
難しそうに見えて、ところどころコミカル。
スターシステムと多様的な文化映画が融合した作品で嬉しい。
この作品に出演できた、ディーン様はラッキーだった思う。ブランドが増えたと思う。
ちなみに
記者会見後はどこでもドア。
ラストはすいとん走り。
に見えた!(笑)
もうすこし、青春映画を見せてくれても良かったかな。
最後に。
サチコはタカシのことが、小さい時好きだったと思う。きっと、「しょーらいはたかしくんのおよめさんになるぅーー!」とか言ってたんだろうな。
そして、性格がめんどくさいオンナなんだろうな。
と感じながら観てた。
もう一度言うが、この映画の主人公はサチコだと思っている。
たぶんディーンフジオカファンはポカーン状態だろうな。でも背景変えて...
たぶんディーンフジオカファンはポカーン状態だろうな。でも背景変えて、キャラ変えて深田晃司監督の持ちネタが一堂にあわさったような作品だった。謎の男+避暑地のできごと+災害の町、的な。
けど、そのてんこ盛り的配合がうまくいってない感じ。謎の男がかなり背後に回り過ぎていて、というか、あまりにこの謎の男のことを気にかけてなさ過ぎで、もっと気にかけてやって!と思うほど。
せめてもう少し、この若者たちに残せるエピソードがあれば。。
若者たちの青春群像
日常的な台詞だけが続く、坦々として起伏のない作品である。インドネシアの島に暮らす、震災の復興も儘ならない内に援助を打ち切られた住民たち。将来にある漠然とした不安も、日常生活の喜怒哀楽に埋もれていく。
阿部純子は、日本での色々なしがらみを捨ててインドネシアの伯母を訪ねる若い女を好演。この女優さんは「弧狼の血」でも存在感のある脇役を演じていたが、この作品でも狂言回しを上手に演じている。ただ、フェリー乗り場での平手打ちのシーンはあまりにも唐突で、どこかにインパクトのあるシーンを入れたかった監督の意向だと思うが、日常の英会話でも気を遣っているサチコが急に暴力を振るうのは不自然極まりない。怒りよりも待ち合わせの人に会えた安堵感が先に来るはずの場面で、ホッとして泣き出すくらいが妥当だろう。阿部純子は力業で暴力の場面にしていたが、この優しい作品の中で汚点となってしまった。演じた彼女も気の毒だ。
ディーン・フジオカが演じた主人公ラウは、主人公にもかかわらず極端に無口な役で、最後まで存在の意味合いがよくわからなかったが、静かに過ぎていく時の流れに何かしらの波紋を広げて、そのエポックを中心にストーリーを構成しようとする意図は読み取れた。
美しいインドネシアの島々。被災や挫折から再出発しようとする若者たちの青春群像と捉えれば、それなりに味わいのある作品だと思う。
全29件中、1~20件目を表示