いつだってやめられる 10人の怒れる教授たちのレビュー・感想・評価
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イタリアの研究者たちの現実をシニカルに笑い飛ばす
イタリア映画らしい現実を見つめる気風と、それを笑い飛ばすコメディセンスが見事な調和を生んでいる。
不景気による研究費削減のため、職を追われた大学教授たちが専門性を活かして、犯罪で一儲け。そして逮捕されて恩赦のために警察に協力する様を描いたアクション・コメディ。荒唐無稽な展開とシビアな現実の社会問題が混淆して描かれていてためになりつつも全力で楽しめる。
興味深いのは、研究職を追われた教授たちが、警察に利用されていると知りながらも、初めて社会の役にたったと実感できて、この捜査活動をやめられなくなってしまうという展開だ。彼らの研究分野は、一般の人にはどう役立つのかわかりにくい。だから研究費削減の対象にもなるのだが、そういう彼らの力はやはり社会にとって有益だというメッセージを、ハチャメチャな展開の中にも入れ込んでいる。
プロットもそこにあるテーマもよく練り込まれている。三部作ということで最後の3作目も是非日本で公開してほしい。
面白かったところがほとんど残ってない続編
不思議な色彩の映像美と軽妙でちょっぴり知的な早口トークが最高に面白かった前作から、映像の奇妙さだけが残って面白さを全く失ってしまった続編。
ストーリーは前作のラストシーンの前に起こった、彼らが一発逆転していくまでを、この後の三作目と続けて描いているのだが、物語の整合性をとるために少々複雑にしてしまったのが悪かったのか、ほとんど筋書きを追うことに一杯一杯で、一番のオモシロポイントだった会話劇がほとんどなくなってしまったのは残念。
キャラクターも増えてスケールが大きくなったのはいいのだが、何も出来ない大学教授連中がギャングらしからぬ手段でギャング化していく、ダメな研究員が持てるスキルを生かして危機を乗り越えていく、そんな「ダメさ」が面白さだったはずなのに、何だか少しスーパーマン化し始めて、アクションまでこなし始めてしまったのは本当に良くない。
お馬鹿コメディとは違う知的さを評価していた者としては、よくある中身のないお馬鹿コメディ化してきているのはマイナス以外のなにものでもない。
星一つでもいいくらいの低評価だけど、一応観るつもりの三作目が、本作よりもっとおバカ化していそうだったので、続編のために余力を持たせて星二つにしておく。
3作目へのつなぎです
一作目が当たったので2、3作が作られました。本作は完結編への前振り映画のような内容。
前作の7人の学者さんたちは不遇な扱いを受けている被害者同盟のようなものでしたが、退屈なセリフ劇からアクション映画への転進なのでしょう、アクション担当の解剖医、メカトロニクスの武装担当に弁護士を加えて10人の大所帯になりました。
合法ドラッグと胸を張っていたのに逮捕とは理不尽な成り行き、学者さんたちが同業者の合法ドラッグの製造法を暴くのに協力すれば罪は帳消しという女刑事の甘言にのせられて奮闘するも刑務所に逆戻り。しかし、これで収まる先生方ではありません、脱獄、リベンジ篇に乞うご期待ということでした。続編を二つに分けるなど商売上手ですね。
つなぎとしての続編
合法薬物を作った研究者たちの物語の続編。3部作のつなぎ役となる役割を果たす第2弾。
前作同様、コメディよりもクライムサスペンスよりの話。協力する研究者が新たに加わって10人になるって展開はオーシャンズシリーズを連想してしまう。
本作は警察に協力して合法麻薬を摘発するというミッションをクリアするってことなのだが、いくつかの疑問点を残しながら終わっていく。若干辻褄合わせのような感じもするがそれなりに楽しめた。
3部作で一本の映画第2部
前作が天才的頭脳で脱法ドラッグで儲けた実績を買われて警察に利用(←ここ大事)されるのが大まかなストーリーです。
ラストの3部へつながるストーリーは超展開過ぎてええー!となりました
良くも、悪くも海外ドラマみたいな終わり方をします。
一気見推奨です。
面白いことは面白いけど。。。
「7」=>「10」を正しい順序で立て続けに鑑賞した幸運。ラッキーなんですね、これって。
ただ、本作は「7人」から正しく繋がった続編にして、完全なる三作目の予告編。一昨目と三作目の渡り廊下だった〜!
三作目は、「7人」の絶妙な「知とおバカのバランス」を取り戻してくれる事を祈ってます!
第1作を遥かに超えた面白さ!
ちゃんと見ることができて良かった!前作のヒットで制作費も集まったのか、脚本も構成もセットも音楽も垢抜けてスマートでテンポよい。大物俳優ルイジ・ロ・カーショの使い方、うまーい!
超優秀なのに研究費削減をもろにかぶって悔しく気の毒な研究者軍団はトム・クルーズでもベルモンドでもダニエル・クレイグ=ジェームス・ボンドでもない(カー&列車アクション場面!可哀想だけど笑ってしまった)。みんなオタクで個性的過ぎてお喋りでうるさい。でも仲間思いで憎めない。仲間研究者を前作から一部残し、一部は新たに設定して登場させるセンスよかった。
「環境にやさしいゲリラ戦」とか、相変わらず笑わせてくれる考古学者がオリジナルの「ナチスの車&サイドカー&ヘルメット」を持ってくるなど、かなりブラックなジョークも沢山あって凄く笑えた!
リベンジ鑑賞が叶い幸せだ💕(2024.5.19)
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大雨で寒い日に、一気に2本見られるからといつもは行かないちょっと遠いところにある映画館で見た。案の定、気分が悪くなって何度も退席してしまった。だから楽しめなかったが前作よりこの作品の方が面白かった記憶だけはある。いつかリベンジ。必ず見よう。
マスタークラス
前作未鑑賞。日本でもポスドク問題とか、高学歴ワープアとかが取りざたされたことがありましたが。
前作のあらすじ程度を把握していれば、大丈夫。ただ10人だと個々の見せ場がたりないように思えて、ちょっともったいなかった。
カーチェイスや列車のシーンに小道具など、中々サービス満点。
3作目の公開待ってるっス。
徹底したポジティブな笑いに包まれた。
前作未鑑賞。
こだわりなく楽に観れるコメディ。ただ、登場人物が多くて初見では把握困難かも。
セリフややりとりの随所に、「イタリア人ぽさ」に基づく笑いどころがある。愛すべき?イタリア男性って感じがした。
怒涛のボケとツッコミは、日本人にもわかりやすいものだと思った。
「研究者ギャング」の少し抜けてて自己主張が強いところは「怪盗グルー」のミニオンたちに通じるものがあった。
題材は社会問題を含んでいるが、変に説教くさかったり、感動を演出することなく、ただただポジティブな笑いに徹しているところが清々しい。
前作も次回作も観たくなった。
続編の公開、望む!
不況のイタリア、緊縮財政の矛先は教育費用。
大学への援助金が激減し、多くの大学で、教授の馘首の嵐となった。
ピエトロ・ズィンニ(エドアルド・レオ)もそのひとりで、背に腹は代えられないということで、仲間とともに合法ドラッグの製造・販売に乗り出し、背kんを席巻していたが、あえなく逮捕されてしまった・・・
というのが前作までのお話で、今回は、その続き。
って、この作品、三部作の第2作。
それも、前作『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』が予想外にヒットしたので作られた、続編。
&ついでに3作目も作っちゃえ!という勢いで作られた作品なので、はじまりも収まりも悪いことこの上ない。
(3作目は『いつだってやめられる 名誉学位』というタイトルで本年のイタリア映画祭2018にて上映されました)
なにせ、主人公ピエトロは刑務所に収監されており、そこから「1年半前」といって映画は始まる。
巷では非合法ドラッグ以上に合法ドラッグが流通しており、それが社会的問題。
「合法」故に警察は介入できない。
なので、刑務所に収監されているピエトロらに、刑罰の帳消しと引き換えに、合法ドラッグ摘発に乗り出してもらおう、という趣向。
ちなみに、「合法」か「非合法」かの境界は、「この薬物は非合法です。化学組成は〇〇です」と法律で規定されているかどうか。
つまり、危険なドラッグであっても、成分が不明で、法律で規定されない限りは「合法」というわけ。
これは、たぶん、日本も同じ(だろうと思う)。
というわけで、プロの化学者の出番。
製造ルートを突き止め、成分の解明して、非合法として規定する・・・
さて映画は、前作からの「3人増えた」仲間のスカウトから始まり、次々と摘発していく様子を描いていくのだが、前半はややモタモタしている印象。
ここいらあたりがスッキリすると、もっと面白いのだけれど・・・
警察との取引で、30種類の合法ドラッグを摘発すれば、お役御免となるはずだったのが、もっとも巷で流行しているドラッグが摘発できていないので期間延長、となるあたりも笑わせるが、これが続編への布石。
黒幕が登場し(どうも前作からの因縁があるようだ)、組織壊滅・・・とはならず。
で、さらにその黒幕が世界的な悪だくみを計画しているところで、この映画はオシマイ。
えええ!って感じ。
映画冒頭で、そこから「1年半前」といっているが、まだ10か月ぐらいしか経過していない。
前作の内容はなんとなくわかったので、DVDが出れば観たいなぁ、というレベルなのだけれど、本作、続き、どうなるのか非常に興味津々。
続編も公開してほしい。
<追記>
イメージ的には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のPart2か、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』から観せられたようなもの。
ホント、続きが気になる・・・
最初、眠いんだよね
途中まで眠いの。状況説明して仲間を集めてくんだけど。この作品、続編なんだね。だから、ちょっと良く解かんなくて。
仲間が集って色々やり始めてからは面白くなってくんの。電車のシーンがあるんだけど、そこはメチャクチャ面白い。
「教授たちが職にありつけない」っていう社会派な面もあるんだけど、そこは抜きにして観て、面白かったよ。
関西の漫才のノリ
この作品は「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の続編で、日本では順番が逆になってこちらが先に公開されている。ハリウッドのB級超大作ではないにしても東京での公開がBunkamuraル・シネマの1館だけとは意外だ。ル・シネマらしいチョイスであるとも言える。
イタリア語はまったくわからないが、その即物的でまくし立てるような早口がどこか関西弁に似ている気がする。この映画の登場人物たちの互いのやり取りもギャグとシリアスの対になっていて、関西のボケとツッコミに通じるものがある。
だから関西の漫才で大笑いできる人はこの映画でも大笑い出来るだろうが、関西の漫才で笑えない人はこの映画でも多分笑えない。この違いは実は大変に大きな違いであり、その人の世界観に結びついている。それは現実を肯定するかしないかの違いである。
関西の漫才は現在の現実を肯定することを前提に笑いが組み立てられている。大阪のおばちゃんを否定したら、関西の漫才は成り立たないのだ。聞く側にとっても同じことで、たとえば大阪のおばちゃんには哲学がないと否定してしまうと、関西の漫才はちっとも面白くなくなる。つまり笑えなくなるのだ。
この映画も同じで、現実世界や自分自身を肯定しきれない人間が観ると、あまり笑えない。哲学的な深みはゼロなので感動することもない。逆に自分自身と現実を肯定している人には愉快極まりない映画である。映画館でクスクス笑いではなくバカ笑いが多かったのがその証だ。
賛否の分かれる作品で、文学作品好きな映画ファンにはそれほど楽しめる映画ではないが、現実肯定派には思い切り笑える愉快な作品だと思う。
知性派な掛け合いが絶妙
まさかの2作品目、でさらに続くみたいですが、それを差し引いても面白い。
続きが気になって、次も観たいって思います。
ビックバンセオリーとか好きな人にはいいかも…。
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