「関西の漫才のノリ」いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)

いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち

劇場公開日 2018年5月26日
全24件中、9件目を表示
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関西の漫才のノリ

 この作品は「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の続編で、日本では順番が逆になってこちらが先に公開されている。ハリウッドのB級超大作ではないにしても東京での公開がBunkamuraル・シネマの1館だけとは意外だ。ル・シネマらしいチョイスであるとも言える。
 イタリア語はまったくわからないが、その即物的でまくし立てるような早口がどこか関西弁に似ている気がする。この映画の登場人物たちの互いのやり取りもギャグとシリアスの対になっていて、関西のボケとツッコミに通じるものがある。
 だから関西の漫才で大笑いできる人はこの映画でも大笑い出来るだろうが、関西の漫才で笑えない人はこの映画でも多分笑えない。この違いは実は大変に大きな違いであり、その人の世界観に結びついている。それは現実を肯定するかしないかの違いである。
 関西の漫才は現在の現実を肯定することを前提に笑いが組み立てられている。大阪のおばちゃんを否定したら、関西の漫才は成り立たないのだ。聞く側にとっても同じことで、たとえば大阪のおばちゃんには哲学がないと否定してしまうと、関西の漫才はちっとも面白くなくなる。つまり笑えなくなるのだ。
 この映画も同じで、現実世界や自分自身を肯定しきれない人間が観ると、あまり笑えない。哲学的な深みはゼロなので感動することもない。逆に自分自身と現実を肯定している人には愉快極まりない映画である。映画館でクスクス笑いではなくバカ笑いが多かったのがその証だ。
 賛否の分かれる作品で、文学作品好きな映画ファンにはそれほど楽しめる映画ではないが、現実肯定派には思い切り笑える愉快な作品だと思う。

耶馬英彦
さん / 2018年6月10日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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