孤狼の血のレビュー・感想・評価
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観ている側まで痛いぞ。
なんというか、観ている側の心をグシャグシャに掻き回す、そういうシーンが山盛りの映画でした。
冒頭の、指を詰めさせるシーンでも、出刃包丁のような切れ味の鋭いものなど使いません。
ここでそれを使いますかという物を使って、ゴリゴリと切るのだけど、そんなに簡単には切れなくて、ゴリゴリするものだから、痛たたたたたたたっていう感触がこの上なく痛く、別に観ている側の自分が拷問を受けているわけでもないのに、たしかに痛みを山ほど感じます。
主人公の刑事を演じているのが役所広司で、いやぁ恐ろしい名演技。怖かった。
何が正義で何が悪なのか、一般市民の既成概念をぶち破る世界ではあるのですが、しかしそれにもかかわらず、悪が市民社会に害毒を流さぬように、たとえ流しても被害が極小に留まるように、悪徳刑事なりにキチンと考えて独自のやり方で闘っているところが凄まじく、たしかにこれは東映映画だな、と感じました。
オープニングに、あえて古くさい「東映」のタイトルが出るのも、そういう意味があるのでしょう。
なんだかパート2がありそうなエンディングでしたが、今の松坂桃李サンで作れるとは思えないものの、もしかして作れたら凄いことだな、とは思いました。
松坂桃李サンは二枚目なのに、究極の汚れ役も平気で演じており、素晴らしい名優なのですが、役所広司の凄味に追いつくためには、年齢が若過ぎるかも知れません。
続編を出すなら10年後かな。
松坂桃李サンの主演で、ぜひとも観てみたいものです。
最高
日本映画にしかできないことってこういうことだろ!
昭和のなんでもあり感ヤバい!
今じゃタバコのポイ捨てシーンすら自粛だしw
松坂桃李、中村倫也の若手俳優の演技がキレキレでグッジョブなのに対し竹野内豊、江口洋介の若頭二人の演技が薄くて残念。でかい声で喚いても怖くないよw
不良役所広司
近年、優しい不器用おじさん役が多い役所広司に不良させたらこんなカッコいいのかと。
「世界で一番悪いヤツら」も楽しめたし、この感じのマル暴が好きな人にはぜひ。
ただ、実話ベースだからか、本筋の事件と解決までのプロセスは強くない。
東映の映画はいつぶりかな
食事しながら見始めて冒頭から後悔(笑)じっと見ていられない久しぶりの映画でした。自分の生活からは非日常的なシーンばかりなのに、どこか惹かれるところがありました。出てくる女性も端役含めてなんか魅力的に映りましたし。自分の生活が淡白なせいでしょうか。間違いなくひきこまれた映画でした。渇きでも似た感覚を覚えています。役所広司がやっぱりすごいね。
〇〇と〇〇〇は紙一重
警察小説×『仁義なき戦い』とはよく言ったもんで
どっちも組織と人って面じゃ似てるのかもなって。
同じ監督の「凶悪」「日本で一番悪いやつら」と比べれば
いくらかエンタメ性が強めな気がした。
テーマうんぬんとかじゃなくて単純に面白い作品なので
暴力描写とか大丈夫な人には超オススメ。
作り手と受け手の天秤
どうしても
大上が死に、
日岡の価値観が180度転換する以降
大上の人物像への
センチメンタルに過ぎる演出が好きになれず。
そんなに説明されなくても
十分、大上が自分の正義を貫いたことは伝わるし
それでもやってきたことは悪いこともしてたし
綺麗事に見えた
日岡は大上の志を継承する物語でもあるから
それぐらい厚めに見せたのかもしれません。
製作者様方々
すべてご存知だと思います
我々の観る側のレベル低下問題
もっと突き放した脚本で大丈夫です
わからなければ
こちらが
頭使って頑張ります
だから
こういう映画は
マーケティングをできるだけ除外した
受け手に遊びや余白ある作品を希望します
きっとこの作品は
そのポテンシャルがあるのではと推察します。
応援しています
日本映画業界
原作からの改変が多過ぎる気が...
同名の小説を映画化した作品
いわゆるヤクザ映画よろしく、死体やら傷やらの表現がエグすぎて、合わない人は目を背けたくなるようなシーンが多々あります
原作を読んでからの鑑賞でしたが、内容はかなり改変されてます
一例として、行きつけの小料理屋の晶子さんが出てこなくて、その「役割」をリコのママが引き受けてたりしてます
読者としては他にも色々と改変し過ぎて不満点があり過ぎてどうも...
続編(たぶん凶犬の眼かな?)を制作予定との事で本作品を鑑賞したんですが、ここからどうやって繋げていくのか...?
ちぐはぐな続編になってしまいそうな匂いがぷんぷんしてますが...果たして
全盛期のビートたけしを見る様だ
個人評価:3.6
孤独に戦う一匹狼を、役所広司が震え上がる様な凄味のある芝居で演じる。まるで血と骨の時の全盛期のビートたけしを見る様だ。
松坂桃李の演技も素晴らしく、この年代の若手役者ではピカイチだ。
やっぱり東映はこうでなくちゃ!!!
仁侠映画はやはり東映。久々に東映映画に痺れました。キャスティングもgood 。北野作品より優れた演出だぞ、後で監督知るのですが白石和彌じゃないですか。彼ならわかる。
まず主人公役所広司が粗暴ではありますが刑事であってヤクザじゃないんですよ。さらにそのバディ役の若い正義感の強い刑事が松坂桃李。ヤクザ映画は中高年しか感情移入できないという定義が崩れます。二人ともはまり役で後日(私もコロナ暇で過去観賞作品についてレビューしているのですが)映画賞とりまくりでした。内容もバイオレンスシーンも満載。ミステリー要素もある。濃密な仁侠映画の金字塔。続編も期待します。
正義とはなんじゃ
ヤクザ系映画が見たくなったので鑑賞。
中々評価も高いし、予告も出演者も何も見ずに見ることにした。
なんと!超面白い
いつの間にか目が離せなくなり、
あっという間にエンドロールだった。
役所広司演じる大上は、窃盗暴力刑事にも関わらず違法を繰り返して捜査を進めていた。松坂桃李演じる新人の日岡はそんな大上と共に極道の闇を暴くのだが...
貫禄ある俳優陣勢揃い。
役所広司、石橋蓮司、嶋田久作に伊吹吾郎、赤星...じゃなくて江口洋介。
中村倫也もいましたし、音尾琢真もいました。
初っ端から下品やし、グロテスクで気味が悪い。
気持ち悪とは思うけど、なんかやな気分にならんのよね〜。どうゆうこっちゃ
役所広司の怪演っぷりが1番の見どころ。
厳つい姿も相手に秘密を吐かせるための策略もどんな頭したらそんなことが思いつくのやら。
どんどん引き込まれ最終的には大上好きになっている
松坂桃李の見た目的にも日岡は弱々しく頼りないと思いきや、大上を殴ったシーンや酒を飲んでるシーンでは日岡の魅力が急激に溢れ出ていた。
特に石橋蓮司に関しては最高。
もう俳優じゃなくてヤクザじゃねえかレベルで似合ってる。うなぎ美味しそー
欠点といったら、活躍度。
石橋蓮司や音尾琢真、ピエール瀧は物語的にも重要だししっかり掘り下げられてるが、中村倫也や竹野内豊、江口洋介に関しては説明不足。もっと見たかった
これが☆1つ落とした大きな原因かな
また狂い具合?そこん所がヤクザ映画として不足している気がした。もっと悪に染って欲しい
個人的には日岡が広大で培った頭と、暴力として使わないと決めていた空手をもっと使って欲しかったかな。
しかしながら警察官としての成長は非常に上手く描けていた。
映画館で見たかった。ほんとに後悔
あの時見ようと思わなかった自分を責めたい
映画館で見たらどれだけの迫力だったことか。
続編決定したようなので、次こそ映画館でみるぞ。
日本にしか出来ない素晴らしい作品だ
警察じゃけぇ、何をしてもえぇんじゃ
2019年9月16日
孤狼の血 鑑賞
警察じゃけぇ、何をしてもえぇんじゃ
広島を舞台にしたヤクザ映画ということで、仁義なき戦いのオマージュ作品。
人相の悪そうな俳優をあつめてました。
しかし、役所広司は何をやらせても上手いですね。
#役所広司#松坂桃李#真木よう子#江口洋介#阿部純子#滝藤賢一#音尾琢真#駿河太郎#ピエール瀧#石橋蓮司#中村倫也#田口トモロヲ
タガを振り切った男たちがもたらすカタルシス
映画は豚の飼育舎で男が拷問される場面で始まる。豚の肛門とそこから排泄される糞。糞は男の口に押し込まれる。冒頭にいきなり山場を一つ置く映画は多いが、いきなりのインパクトである。
虚栄と保身のため、性欲と食欲を満たすために、ぶつかり暴れる男たちが描かれる。自らの欲望を満たすために生きる生き方は、ヤクザも警察官もかわらない。
あるいは我々、たまたま昭和のヤクザでも警察官でもない者も、欲望の発動を日常生活を送るうえで必要なタガの範囲内におさめているだけで、生き方の本質は彼らとそう変わらないであろう。
暴力表現、人体損壊の描写は厳しいものがあるが、しかし、願望を抑圧されることが多い日々を送る者には、タガを振り切った彼らの姿はカタルシスとなるだろう。
よかった
観てよかった映画。
アカデミー賞で最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞を、受賞されたお二人の演技に魅了されました。
暴力シーン盛りだくさんでしたが、物語から必死に目を背けないよう食い気味で観てしまいました。
最後の桃李くんのカットに、完全にノックアウト。
あれだけループで観ていられそう。
あー面白い映画に出会えてよかった。
白石監督ますます好きです。
続編希望します!
圧倒的なバイオレンス
いやー、面白かった!
男臭さギンギンものの、汗臭さプンプンものの。
あまり女性にはオススメしづらい映画ですが、男性は好きな方も多いんではないでしょうか。
中だるみも無く、ストーリーのテンポも素晴らしくあっという間に映画を見終えてしまいます。
どの役者さんもギンギンで素晴らしいですが、やっぱり役所広司さんはすごいですね。
ギンギンのプンプンでした。
松坂桃李の演技力に驚き。
松坂桃李の演技力に驚き。役所広司と共演して負けていない。グロいシーンも多いが、よく出来た警察映画、もっとも出演者の大半がヤクザだが。昭和の終わりの懐かしい雰囲気が感じられた。
新米とベテランのバディもの⁈
私的に『トレーニングデイ』が好きでして、
和製かなぁ…と思いケーブル録画で鑑賞。
何でもゆるい昭和感を取調べ室でのかき氷🍧とMEGUMIの昭和顔(いい意味で。)で感じましたね。ですが、当時の広島がどうとか抗争がどうとかは気にせずに『大上』と『日岡』の関係にワクワクしながら観た感じです。
なかなかテンポよく観入る事が出来て引き込まれ、
あっという間に大上が殺されて、、あれ⁈もう終わり⁈と思いつつ一時停止、残り時間はまだある、
『トレーニングデイ』っぽくはないんだと続きを…。
この時点で完全に大上に心を奪われていまして、、、
ちゃんと日岡が仇を取ってくれました。よかった。。
うわべの汚職か根っからの汚職か、何が正義で何が悪か、揺れる日岡の心情などとても良かったです。
原作者の柚月裕子さんをテレビ番組で拝見した事があるのですが、猫を飼っていてとても静かな感じの方で、この方が孤狼の血を書いたのかと驚きました。
原作にはこの続きがあるそうで気になります。
『仁義なき戦い』へのオマージュ
ヤクザ映画の本家本元の東映が満を持して送る、『アウトレイジ』に対する答えと銘打ったバイオレンス大作にして、原作者の柚月裕子氏自らが認めるように、日本映画史上の名作『仁義なき戦い』へのオマージュを高らかに謳い上げた作品です。
ただ筋立ては、警察と暴力団との癒着と確執に置かれており、一人の外道刑事の常道を逸脱した傍若無人の生き様と、その下に就く若手正義漢刑事の葛藤と相剋のドラマに仕上がっています。
専らヤクザ社会の内紛・割拠の抗争劇だった『仁義なき戦い』とは構成が異なり、寧ろ同じ実録ヤクザ映画の一作である名作『県警対組織暴力』(1975)を模した作品といえそうです。本作の彼方此方に、『県警・・・』のコピー・シーン(それも残酷なシーンが・・・)が用いられています。
但し『仁義なき戦い』を意識したシーンは随所に現れます。逃走・暴行シーンでの手持ちカメラ撮影、血走った表情のアップの多用、凄惨な暴力シーンのリアルな挿入。けれど手持ちカメラでの揺れ動く映像は、『仁義・・・』の頃と異なりカメラの技術向上によってピントは全てボケておらず、観る方は楽でしたが、残念ながら、あの伝説的なドキュメンタリータッチにはなりませでした。
外道刑事役の役所広司は、その安定感と高い演技力、巷間言われているような名演で安心して観られたのですが、裏腹に清濁併せ呑んで全て手の内にあるというスーパーヒーロー感が満ちており、何とは無く予定調和臭が感じられました。
受刑中の組長の留守を預かる若頭の江口洋介、対抗する組の凶暴な若頭の竹野内豊、豪華な配役ですが、迫力ある演技を熟しつつも一本調子の荒々しく猛々しいだけの言動が多く、特に江口洋介は、この役が持つ、蹶起への強迫観念と一方での組織の長としての抑制意識との狭間で悩む複雑な立ち位置を表現しきれておらず、また竹野内豊は、『仁義なき戦い 広島死闘編』で千葉真一が演じた大友勝利を準えたのでしょうが、その粗暴さはともかく、野卑さ、下品さ、強欲さ、好色さでは到底及ばず、率直に言って数多の組員の中に埋もれて存在感が極めて希薄でした。
思うに、本作中で重要な位置を占める主役級の三人は、何処か善人の空気が漂い、東映伝統の“不良性感度”は極めて低く思います。何よりも、“目”が常人的でまともな人間の目であったことに因るのでしょう。
一方で若手刑事役の松坂桃李。彼の役者としての成熟度合いには目を瞠ります。多彩な役柄を堂々と見事に演じ切ることで益々磨きがかかってきたようです。今回の、当初のインテリ正義漢からの、理想と現実との乖離に苦悩する姿と、その過程を経て徐々に成長し、次第に狂気に侵され変貌していく、この作品で唯一、人としての喜怒哀楽を表現し、この映画のテーマを集約・凝縮した役どころを、説得力を以て演じていたと思います。
映画のクレジットでは主役は役所広司となっていますが、私は寧ろ松坂桃李が真の主役だったと思っています。何故なら、彼の“目”は、先の三人と違い明らかに終始狂っていました。
義理と人情に胸を締め付けられる名作
日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞と助演男優賞を獲ったのは納得。もう日本の殿堂入り俳優である役所広司は相変わらず見事な存在感だし、松坂桃李がすごく深みのある芝居をしていた。最近一気に化けてますます成長してきている印象だ。
ストーリーとしては「仁義なき戦い」的でそんなに珍しいものではないが、登場人物それぞれの人柄やその絡み合う人間関係が厚みを帯びている。いろんな立場で感情移入できるはずだ。
決して許されないこともあるが、嘘や暴力も時には愛の武器となるのだろう。
【かつての東映ヤクザ映画の熱量を全面的に引き継いだ、アウトロー映画の記念碑的作品】
- まさか、2018年に今作のような圧倒的な熱量を持つアウトロー映画を観ることが出来るとは・・。-
・まごうことなき、白石和彌監督の新たなる傑作である。
・真木よう子、中村獅童、ピエール瀧、竹野内豊、石橋蓮司ら豪華キャスト陣が脇を固めるが、破天荒な大上を演じる、役所広司さんの存在感は圧倒的である。
・大上の想いを継いで、独り立ちしていく日岡巡査を演じた松坂桃李の役者としての魅力も満載の映画である。
・個人的には、アルバイト薬剤師岡田桃子を演じた阿部純子さんが、懐かしき昭和の風合い漂う演技をされていて嬉しかった。
<東映の心意気を堪能させていただいた作品である。>
<2018年5月12日 劇場にて鑑賞>
<2021年7月20日 今作の3年後の呉原市を舞台にした第2作を鑑賞。
鑑賞後、暫し、感慨に耽る・・。>
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