孤狼の血のレビュー・感想・評価
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広島出身の、映画バカのおっさんの本音の意見が聞きたいか。
広島市出身、呉市にも相当思い入れのあるおっさんには、そう、これは「この世界の片隅に」以来の鑑賞動機。
カミさんに黙ってコソコソしててでも、なけなしの小遣いを使ってでも、行かないわけにはいかない。
期待はある、だが、そこは出身者ゆえの厳しい目もある。
「孤狼の血」
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広島市内では誰もが知る旧タカノ橋サロンシネマや清水劇場、的場シネマ近辺など、「ならでは」、のロケ地も楽しい。
だが、それだけだ。
結局出来上がったものは「かっこ」だけなのよ。
正直、期待外れだ。
「Vシネマ」と変わりないどころか、量産型を強いられても、個性を発揮しようとした「Vシネマ」より熱さが足らない。
特に女優陣が最低。「このタイミング」の真木よう子がなぜ脱がない?脱がせない?松坂の彼女もなぜ脱がない?松坂が後ろから迫って「やけくそ」と「野生」をほとばしるシーンでなぜ服を破かない?(おっと、これは俺の趣味か)
「Vシネマの女優」はみんな脱いでのし上がったし、俺たちはみんなそれが楽しみだった。真木さん、今しかなかったんじゃないの。
ストーリーもつまらなすぎ。退屈。
キャラも魅力なし。役所広司の呉弁は力み過ぎ、臭すぎ。結局大上は何がうまくできてて、何がダメで、そんななか、何がしたかったのか、まるで描けていない。役所に食わせる豚のクソの伏線の貼り方も全然ダメダメ。
でも、最もダメな点は笑いが足らないことだ。
あのな、「仁義なき戦い」はコメディなのよ。アツイ「漢」とかそんな風にあの映画を観るもんじゃない。
石橋蓮司なんか、本当に芝居を「流している」。ま、それが唯一の笑いどころなのだから、本人はよーくわかっている。
それが分かっていないのが江口洋介。湘南のノリでいいのに。
追記1
あ、そうそう、君たち、広島弁を文章に起こさないほうがイイよ。田中宏の漫画はおっさんからするとダサいのだ。
大上の、日岡日記への書きなぐりは恥ずかしくって、小学生の落書きかと思った。
追記2
脱ぐ脱がないについて(しつこい?)
ギャラ、CM、事務所、監督の権限、手腕、カリスマ性、色々あるだろうけど、東宝の「ゴジラ」復権のように、東映は慎重に、綿密に「やくざ映画」復権に気を遣っているのだろうけど、結局「そこ」に行かないと、復権はないと思うんじゃけどの(おっと失礼)
今の時代に面白いヤクザ映画を送り出そうという気概が感じられた快作
「仁義なき戦い」「アウトレイジ」などのヤクザ映画が好きな方には、たまらない1作。白石和彌監督作品のなかでは、実録ものの「凶悪」と、喜劇の要素も入った「日本で一番悪い奴ら」の中間ぐらいのリアリティで悪人だらけのピカレスクドラマが展開され、グイグイ見させられてしまいます。昭和末期という時代設定も絶妙で、マル暴刑事役の役所広司氏と新米刑事役の松坂桃李氏のバディものとしても心に残るものがありました。
人気俳優が多数出演する邦画大作だと、ヤクザ映画とはいえこの描写は見せられないだろうな……というところもしっかり映されていて作り手の覚悟を感じました(R15+指定)。スタッフ・演者とも今の時代に面白いヤクザ映画を送り出そうという気概が感じられ、ヒリヒリするようなやりとりをする役者陣が、皆ノッて楽しそうにやっているのが伝わってきます。
俳優たちの嬉々とした表情が成功を証明
東映が久しぶりに放った、東映らしい作品。
広島・呉の撮影現場(養豚場のシーンなど)も訪れたが、目を見張ったのが爛々と輝く役者たちの眼差し、嬉々とした面持ち。それぞれがフルスロットルで撮影に臨んでいたことをうかがい知ることが出来、そしてまたそれが本編に無遠慮に映しこまれているのが素晴らしい。
続編はまだだろうか……。
白石和彌監督が現代の“実録”に挑む
往年の“実録”物で一時代を築いた東映は、「日本で一番悪い奴ら」を配給して、白石和彌監督なら“実録”の現代版を作れると確信したのか。「仁義なき戦い」の影響を公言する柚月裕子の原作の映画化権を獲得し、白石監督、役所広司主演で完成させたのが本作だ。
内容だけでなく、レトロ感あふれるナレーションやタイポグラフィには懐かしさを覚える人も多いはず。一方で“実録”を知らない若い世代には、北野武監督の「アウトレイジ」や、白石監督のバイオレンスに満ちた諸作を連想するかも。実際、石橋蓮司やピエール瀧ら北野組と白石組の常連も若干既視感を誘う。
映画を牽引するのは「渇き。」のアウトローな元刑事役を彷彿とさせる過激なキャラクターを体現した役所の圧倒的な存在感と入魂の演技。還暦を越えてなお男の色気と暴力性をムンムンと発散する役所のエネルギーが、共演陣の熱演とぶつかり合い、スクリーンからあふれ出てくるかのようだ。
必要悪の奥に灯るもの
あらすじ
暴力団抗争が続く街で、違法な手段もためらわない刑事・大上と、
まっすぐな“正義”を信じる新人の日岡が、裏と表が入り混じる世界に踏み込んでいく。
組織の腐敗、人情、義理…いろんなものが入り乱れる中で、
ふたりの“正義”も思わぬ形に揺れていく。
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感想
見終わったあと、胸の奥にうまく言えない重さが残った。
善悪とか正義とか、そういう言葉だけでは片づかない世界を、
そのまま差し出されたような感覚。
大上は明らかに違法だし、いいことをしているとは言いづらい。
でも、後半になるにつれて、なぜか彼の方に気持ちが寄ってしまう。
カタギを守ろうとする姿勢とか、
日岡に向けた不器用な思いやりとか、
仕事への向き合い方とか…。
必要悪のようなものの奥に、
ちゃんとした“人の気配”みたいなのがあって、
それがじわっと滲んでくる。
日岡は最初、教科書みたいな正義に忠実な男に見えるけれど、
大上と関わるうちに、
その正義だけでは届かない現実にぶつかっていく。
まっとうでいたいのに、
まっとうなままでは折り合えない場面があって、
そこでもがきながら、
彼なりの正義を少しずつすり合わせていく感じが印象的だった。
どっちが正しい、とは最後まで言い切れない。
ただ、その曖昧さごと抱えた物語が、
自分の中にも“正義ってなんだろう”という問いを残していった。
がみさん…
かっこいい、カッコよすぎる。
日本版ダークヒーローエピソードゼロ?
至高の映画
桃李君の真面目大学上がり警察からの変化良かったじゃろーに
役所広司が好きなので
普通に面白いかと。
ドンパチ
原作と違って映画は暴力に振り切っている
がみさんのキャラクタはだいぶ異なるが、ラストの追加を含めてエンターテイメントとしてありだと思う
どちらか選べるなら映画からの方がいいかも
凄まじいエロと暴力
広島の暴力団抗争に絡んだ胡散臭いベテランの丸暴刑事と監察役の生真面目刑事のバディもの、こんな男臭い話の原作者が女性(柚月裕子)と言うのも驚きだが、原作には無い下ネタをふんだんに散りばめた辺りはヤクザ映画のパイオニア、東映らしい。
時代が昭和だし実際に抗争事件の多かった広島が舞台だから妙にリアルぽさがありましたが、下ネタと暴力のてんこ盛りの演出にはちょっと引いてしまいました。まあ、警察にも色んなタイプのデカ(刑事)が居ても不思議は無いがニュースなど観ていると丸暴の刑事は見かけもまるで暴力団と見間違える風貌の人も多いから類してくるのは郷に入れば郷に従えではないが職業病的な側面もあったのかと思いました。見どころは役所さんの圧巻の熱演かな・・。
深作欣二の継承としては惜しい作品
柚月裕子の原作は読んでいないが、おそらくは素晴らしい本だと伺える。池上純哉氏による脚本がよく練られており、人物描写や展開、ヤクザの抗争と警察の腐敗がよく描かれているからだろう。
白石和彌監督については「十一人の賊軍」で知ったくらいであまり観たことはなかったが、本作を観たら誰しもが思うように、深作欣二監督への敬愛と尊敬が感じられる。演出も東映伝統の実録やくざ映画路線を明らかに踏襲し、深作的なテロップやナレーションの多用により、第三者目線の実録感はよく出ている。
役者達の演技も素晴らしく、役所広司演じるヤクザと癒着した(実は人情深く市民を愛する)悪徳刑事と、そのバディを組むエリートで正義感溢れる(実は潜入捜査官)松坂桃李演じる若手刑事の組み合わせは素晴らしく、役所の水を得た魚のような演技と、松坂の新人から成長し、捜査途上で亡くなる役所演じる刑事が憑依したかのようなラスト近くの演技は、その後の活躍を予感させる。バイプレーヤーについても挙げればきりが無いが、石橋蓮司の言わずもがなな悪役ぶり、ビエール瀧のヤクザものに欠かせない演技巧者ぶりに加え、顔つきの引き締まった江口洋介の迫力等は、特に印象に残った。
にも関わらず、スコアが3点に留まっているのは、一重にキャメラワークの不完全燃焼さと、画面の明るさ等による。
とりわけテレビ的なショットの早急さは、確かに観客を飽きさせず、切れ目のない展開を約束するものの、映画的な感興をやや削いでおり、深作欣二の演出に見られる、エンタメに徹しながらも徹底した暴力性には及ばず、腐敗した警察組織の丁寧な描写に対して、広島やくざの暴力性が描ききれてないように感じた。その点では、白石和彌が意識していると思われる、北野武の「アウトレイジ」に見られる、今日的な乾いた冷たい暴力の方が深作演出のアップデートとしては長じている気はした。とはいえ興味深い監督なのは間違いなく「碁盤斬り」も観たいと思う。
邦画における、今日的な暴力描写を可能とする監督として、観客として今後も愉しみにしています。
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