IT イット “それ”が見えたら、終わり。

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解説

スティーブン・キングの代表作の1つで、1990年にはテレビドラマ化された「IT」を、「MAMA」で注目を集めた新鋭アンディ・ムスキエティのメガホンにより映画化。静かな田舎町で児童失踪事件が相次いで起きていた。内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。

2017年製作/135分/R15+/アメリカ
原題:It
配給:ワーナー・ブラザース映画

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(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画レビュー

4.0あの怪物は子供と大人の狭間で揺れ動く思春期の心を食いちぎるあの魔物

2018年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

S.キングの代表作にして最も映像化が難しいとされてきた本作を、まさかこれほど鮮やかに描き切るとは。キャリー・フクナガの名が脚本家として残っていることからも、これまで企画に携わってきた才能らが少しずつブラッシュアップさせてきた面も大きいと見た。

それにしてもよく言われるように、本作は陰と陽を使い分けるかのようにキングの『スタンド・バイ・ミー』的な側面と、ストレートな恐怖を感じさせる展開の数々を併せ持つ。さらにそのバランスに亀裂を生じさせるが如く、ホラー物における最恐キャラともおぼしきペニー・ワイズを、あの粘着的な発声法と驚異的な動きで具現化し得たことは大きな功績だ。ビル・スカルスガルドの怪遠はホラー映画史に刻まれるレベルのもの。どんな特殊効果にも増して、彼がその表現力や体の動き一つでもたらしたものはあまりに大きい。大人になった主人公らとペニー・ワイズとのさらなる対決を描く続編も楽しみだ。

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牛津厚信

4.0通過儀礼をモチーフにした青春ホラー

2017年12月25日
PCから投稿

楽しい

怖い

ホラー映画としての恐怖感もさることながら、青春映画としての完成度が高い。原作者スティーブン・キングの恐怖要素とジュブナイル小説の要素がバランスよく合わさった作品で、ホラーが苦手な人でも鑑賞可能なのではないか。

ルーザーズ・クラブ(負け犬クラブ)と銘打った少年たちのグループが街を恐怖に陥れる超常的な怪物、ペニー・ワイズに勇気を持って立ち向かい成長していく姿に恐怖よりも爽やかな感動が勝る。ペニー・ワイズは、どもりやぜん息など様々なコンプレックスを抱えた少年少女たちの、克服しなければならないものの象徴であり、通過儀礼をモチーフにしたホラー作品といえるだろう。

前回映像化されたのは1990年、作品上での設定同様27年後に公開されたというのもニクい演出だ。

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杉本穂高

4.0良くも悪くも今様のホラーということか

2017年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

米国ではホラー映画として異例の大ヒットとのこと。元々欧米文化圏にピエロ恐怖症というものがあって、そうした部分を刺激する要素と、CGと派手な音響を駆使した盛り沢山な今どきの映像体験がうまく当たったということか。

気になったのは、ITの高すぎる特殊能力。相手の子供の怖がるモノに姿を変えるのは、まあありだ。心に直接働きかけて、相手に幻想を見させるのならそう難易度は高くない。だが、ある子にとって恐ろしい姿が、別の子にも見えるのはやりすぎ。魔法使いか悪魔みたいな存在になってしまう。

もともとS・キングの小説には想像力豊かに恐怖を描く魅力があるのだから、ばかでかい音で驚かせる凡庸な演出に頼ってほしくなかった。

ただ、ペニーワイズ役のビル・スカルスガルドの端正な顔立ちは凄みがあった。あと、眼球をぐるっと動かして斜視のようになるシーン、あれはCGじゃなくて自分で動かしているそう。なんという能力!

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高森 郁哉

3.5どうしてR15?トラウマになるから?

2021年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

いくつかのショッキングなシーンはあるものの、怖いとは思わなかった。精神的に追い詰められる「セブン」とか、ドキュメンタリー映画っぽくて妙にリアルだった「ブレアウィッチ・プロジェクト」なんかが私のツボで、この映画に差し込んである「恐怖」の演出はこれといって怖さを感じない。

それよりむしろ、少年たちの成長と結束、青くさい性の目覚めなんかが実にていねいに描いてあり、そこが大人の鑑賞に堪え得る内容になっていて、誰でも共感できる。

ピエロとの対決というクライマックスで、すべてをチャラにできるとも思えないが、それぞれに問題を抱える少年少女たちは乗り越えるべき障害をピエロに転嫁して成長していく。

たとえば父親から性的虐待を受けている少女。小児ぜんそくその他ハンデ持ちで、薬が手放せない少年。詩が好きで図書館に入り浸り、友達が出来ない肥満児。精肉業者の実家を手伝い学校に行かせてもらえず重労働を強いられる黒人の男の子。弟が雨の日に行方不明になったことから立ち直れない少年。などなど、大きな問題ばかり抱えているが、彼らにしかピエロは見えない。

映画では、少年たちとピエロとの対決を派手に盛り上げ、随所に恐怖の演出が仕掛けてあるが、怖さは感じなかった。他のお客さんたちは結構ビビっていた様子だった。(デートのカップルにはうってつけの内容だ)コナン君を子供と一緒に見に行って、大人のほうがハマってしまうようなものか。

実は原作も読んだことなく、有名なTVシリーズの「IT」も未見で、今回が初体験だった。事前にレビュー等で得た情報で、ある程度の内容は知ることが出来たので、こけおどしのB級ホラー映画ではないということは知っていた。

続編の製作が決定したということなので、当然彼らが大人になって再会する様子が描かれるのだろう。それまでに、原作も読まず、ネタバレにも触らずにいられるかどうかちょっと心配だが、映画独自の解釈を加えて、内容は少しイジってあるそうなので、見ても問題は無いようだ。

ただし、この作品を子供に見せるのだけは考えたほうがいいと思う。

私にとってはクリストファー・リーのドラキュラ伯爵がそうであったように、確実にトラウマを残す内容だと思う。

2017.11.14

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うそつきカモメ
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