アウトレイジ 最終章

劇場公開日:2017年10月7日

アウトレイジ 最終章

解説・あらすじ

北野武監督・主演で裏社会に生きる男たちの抗争を壮絶に描いたバイオレンス映画「アウトレイジ」シリーズの最終作。関東最大の暴力団組織・山王会と関西の雄・花菱会との抗争後、韓国に渡った大友は日本と韓国を牛耳るフィクサー、張会長のもとにいた。花菱会幹部の花田は取引のためやって来た韓国でトラブルを起こして張会長の手下を殺してしまい、張グループと花菱は緊張状態へと突入する。激怒した大友は日本に戻り、過去を清算する好期をうかがっていた。その頃、花菱会ではトップの座をめぐる幹部たちの暴走がはじまっていた。ビートたけし、西田敏行、塩見三省、白竜ら前作からの続投組に加え、大森南朋、ピエール瀧、岸部一徳、大杉漣、原田泰造、池内博之らが新たに参加。

2017年製作/104分/R15+/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野
劇場公開日:2017年10月7日

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(C)2017「アウトレイジ 最終章」製作委員会

映画レビュー

4.0 バイオレンス群像劇に引導を渡した北野武監督、新たな挑戦に期待

2017年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

北野武監督作では「アウトレイジ」が唯一の連作。第1作は続編を想定していない終わり方だったし、第2作も“完結”を謳っていた。ヒットに気をよくした配給からもう一本、もう一本と頼まれたのか、当初のさまざまな拷問や殺し方を見せるというコンセプトは2作目以降次第に薄れ、2大暴力団の抗争、さらに韓国勢力も加わって、話のスケールが大きくなりすぎた印象も。

とはいえ、ベテランから中堅まで演技派俳優たちによる啖呵の応酬はテンポが良く楽しめるし、義理人情に厚い古臭いヤクザ・大友のキャラクターも哀愁があり、失われゆく男の美学を漂わせる。北野監督による暴力映画の総括と位置づけられるかもしれない。

北野監督はどこへ向かうのか。「龍三と七人の子分たち」で見せたヤクザ者のコメディを発展させるのか。久しぶりにピュアで繊細なドラマも観てみたい。あるいはキュービズムを意識した実験的な路線を再開する可能性もあるだろうか。

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高森郁哉

4.0 映画終活シリーズ

2025年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

2017年度作品
昨日のまたまた続編
やっぱやっぱ、面白いw

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あきちゃん

4.0 【81.9】アウトレイジ 最終章 映画レビュー

2025年9月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画『アウトレイジ 最終章』(2017)批評
作品の完成度
シリーズの最終章として、前2作で描かれた暴力の連鎖と権力闘争の結末を描き切ることを試みた作品。しかし、その完成度は前作に及ばない。緻密な策略や駆け引きに満ちた前作の魅力が薄れ、暴力が無秩序かつ無軌道にエスカレートする展開が目立つ。この変化は、ヤクザ社会の論理性を放棄し、暴力そのものの虚しさを描くという、北野武監督の作家性の集大成と解釈できる一方で、物語としての説得力を損なう要因にもなっている。大友の「生きる」ことへの執着と、それがもたらす悲劇的な結末は、シリーズ全体のテーマを締めくくるにふさわしい。しかし、作品全体を覆う無味乾燥な暴力の連鎖は、観客を置いてけぼりにし、シリーズの有終の美を飾るには至らなかった。
監督・演出・編集
北野武監督の演出は、無駄を徹底的に排除したミニマリズム。余計な説明を排し、表情や仕草、視線によって登場人物の感情や思惑を表現する手法は健在。特に、登場人物たちの沈黙や間が、張り詰めた緊張感を高める。暴力描写は、前作までの「計算された不意打ち」から、「唐突かつ一方的な殺戮」へと変貌。この演出は、権力闘争の滑稽さを表現する装置としては機能するが、観客に予期せぬ衝撃を与える緊張感は後退した。編集は、カットとカットの間に生じる余白を重視するスタイルを維持。これにより、観客は登場人物たちの心情を推測する余地を与えられるが、物語のプロットが単純化したことで、その効果は限定的となっている。
キャスティング・役者の演技
• 北野武(大友)
シリーズを通しての主人公として、一貫して寡黙で感情を表に出さないヤクザを演じ切る。老いや疲労をにじませながらも、根底に宿る狂気と暴力性を垣間見せる演技は圧巻。特に、韓国で静かに暮らす姿から、再び暴力の世界に引き戻される過程での、表情の微妙な変化が秀逸。セリフに頼らず、眼差しや佇まいだけで、大友の背負ってきた因縁と悲哀を表現。彼の存在感は、シリーズ最終章の物語を牽引する重要な要素。長年にわたり自身のヤクザ像を追求してきた集大成ともいえる、深みのある演技。
• 西田敏行(西野)
山王会から花菱会へと勢力を拡大したヤクザの会長を演じる。前作から引き続き、狡猾で計算高い一面を見せつつ、時折見せる人間味や滑稽さが魅力。特に、花菱会内部での権力争いに巻き込まれる際の、焦りや苛立ちを表現する演技が巧み。強大な権力を手にしたはずの男が、自身の欲望や老いによって追い詰められていく様をリアルに演じ、物語に深みを与える。北野監督との掛け合いは、長年の信頼関係が感じられる見事なもの。
• 大森南朋(市川)
花菱会の若頭補佐として、組織の中枢にいながらも、どこか冷めた視点を持つ男を演じる。表情の変化が少なく、何を考えているか読み取りにくい役柄でありながら、その存在感で観客を引き込む。暴力的な世界に身を置きながらも、一歩引いた冷静な立ち位置を保つ独特な雰囲気が、物語に緊張感をもたらす。権力に固執しない姿勢や、常に状況を俯瞰しているかのような佇まいは、ヤクザ社会の虚無を象徴するかのよう。
• ピエール瀧(花田)
日韓を股にかけるフィクサー、チャン会長の側近を演じる。韓国人でありながら日本語を流暢に話す設定で、その威圧的な存在感が物語に重みを与える。チャン会長への絶対的な忠誠心と、それゆえに大友に対して見せる敵意を、無表情ながらも鋭い眼差しで表現。暴力に慣れ親しんだ男の不気味さや、冷酷さを巧みに演じている。
• 塩見三省(中田)
元山王会の会長、関内の側近として登場。シリーズの序盤から登場し、老練なヤクザとして存在感を発揮。病を患いながらもヤクザの世界から抜け出せない、悲哀に満ちた男の姿を演じ切る。特に、かつての組長である関内との再会シーンでの、表情や言葉の節々に表れる感情の機微が、観客の心に深く響く。老いたヤクザの哀愁を体現した、印象的な演技。
脚本・ストーリー
前2作で描かれたヤクザ社会の権力構造と、それに伴う暴力の連鎖を収束させる物語。しかし、警察の描写はありきたりなものに終始し、前作までのヤクザと警察の「共犯関係」という多層的な構造は失われた。また、新規に登場するキャラクターたちの背景や動機が十分に掘り下げられていないため、彼らの死や裏切りが、物語の必然性ではなく、単なる「犠牲」に映る。ヤクザ社会の「仁義なき戦い」というテーマを継承しつつも、終盤の一方的な銃撃戦は、それまでの駆け引きの重みを軽んじ、物語の説得力を弱めている。
映像・美術衣装
ヤクザたちの日常を、リアリティを追求した映像で表現。特に、組事務所や高級料亭、韓国の風景など、それぞれのロケーションが物語の雰囲気を一層高める。美術は、ヤクザたちの権力と欲望を象徴する調度品や、彼らの荒んだ生活を暗示するような小物類が巧みに配置されている。衣装は、登場人物の階級や性格を反映した、細部までこだわったスーツや和服。暴力シーンにおける血の表現も生々しく、観客に強い印象を残す。
音楽
『アウトレイジ』シリーズの音楽は、久石譲が担当。主題歌は特に設定されておらず、スコアが物語を彩る。久石譲によるミニマルで緊迫感のある音楽は、登場人物たちの葛藤や、これから起こるであろう暴力の予感を見事に表現。特に、低音を多用した重厚なサウンドは、ヤクザ社会の不穏な空気を醸成。静寂の中に響くピアノの旋律は、大友の孤独や悲哀を際立たせる。音楽は物語のテンションをコントロールする重要な要素。
受賞歴
第74回ヴェネツィア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品。主要な映画賞での受賞やノミネートの事実は確認されていない。
作品
監督 北野武
114.5×0.715 81.9
編集
主演 ビートたけしA9×3
助演 西田敏行 A9
脚本・ストーリー 北野武
B+7.5×7
撮影・映像 柳島克己 A9
美術・衣装 美術
磯田典宏
衣装
黒澤和子
A9
音楽 鈴木慶一 B8

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honey

4.5 シリーズ見てきてるなら見るべし

2025年7月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

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laika

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