ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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絶望を経てKが見つけた希望
一度では理解できず、どうしても理解したかったので二回目の鑑賞。パンフレット、その他の映画評論をできる限り読みあさってからの鑑賞。謎だった部分もやっと解決したり、また新しい解釈が生まれたり...同じ作品を二度劇場で見ることは初めてでしたが、この作品は行けてよかったなあ。
まず映像は終始美しかったです。前作の雰囲気をキープしつつも街のホログラムや看板、セットは今の技術でよりリアルに進化していました。雰囲気は同じなんだけれども、新たな世界観。2019年の延長戦と呼ぶには申し分のない映像でした。そしてその世界で描かれるキャラクター達。ほとんどが新キャラですが、どこか古典的で個性が強い。そして続投しているのはデッカードだけではありませんでした!うん、これは意外だった。二回目でやっと「彼」が折り紙で何を作ってるかもわかりました。ここはファンサービスですね。
Kはとことん可哀そうな男ですよね。二度目だとKがレプリカントだとわかってる前提なので本当につらかった。レプリカントである自分の存在、自分の愛する者、かすかに見えた希望がすべて打ち砕かれるのでずっと応援する気持ちで見ていました。不思議なものです。前作の人間のデッカードよりもレプリカントのKの方が明らかに感情移入しやすいというのですから。この点からも「人間らしさ」とは何かという問いがどれほど難解なものかがひしひしと感じました。ヴィルヌーブ監督、相当考えたんでしょうね。素晴らしいです。
ゼロから自分探しを始めた結果、本当の自分の存在意義を知り、絶望します。それでも己の意味を再認識し、そこから自分らしく生きようとするKを見出したことで、他の評論家が「泣ける!」と評する所以を初めて汲み取ることができました。
他のキャラクターも好きですが今はKの映画中の役割のことしか考えられません。こりゃあ、もう円盤買いかくていですわ。
好き嫌い別れる分野ではあると思いますが、もし気になったのならばスクリーンで見ることを強くオススメします!一部エリアならまだ間に合うかも
最終評価100点!
追記
どちらの回も50~60代の男性が多かったですが、全国的に年齢層は限られてたのでしょうか?
あとショーン・ヤングさん、再登場ありがとうございました。感動した点の一つです。
予想外の展開に、あり得ないと思いつつ…引き込まれてしまった…
上映時間が長いので、なかなか時間が合わなくて観ることができなかった。でもどうしても、ビデオではなく劇場の大画面で観たかった。近くの劇場の最終上映日にようやく観ることができた。想像を超えた展開で、頭ではあり得ないと思うのに、物語に引き込まれていった。記憶は本物の記憶か、それとも植えつけられた記憶なのか? 表情が豊かとは言えないライアンが悩みながら、真実に近づいて行く姿がよかった。記憶って、自分の中でもいろいろあると思う。本当に映像として蘇ってくるものと、両親などから繰り返し聞かされてきたことがあたかも自分自身の記憶かのように思えるもの、それからそこまではっきりとはしていないものなど…観ていて、そんなことを考えた。前作から30年後の世界は、暗くて酸性雨が降る世界ではなく、白くて乾いた砂漠のような世界だった。スタイリステックで、かっこよかった。そんな世界が、CGを使わないで描かれていたのに驚いた。あまりヒットしなかったのは、その展開のせいかなと思う。この作品も前作と同じように、カルトな作品となってゆくのだろうか?
自分探しの物語!
一応復習のために、若いハリソンフォードをhuluで見た後に、新作を遅ればせながらようやく映画館で鑑賞。パート2は普通だと、一作目を超えることはなかなか難しいと思われているが、これは軽く前作を超えたと感じた。さすが、「メッセージ」の監督さんであります。
一作目で感じたモヤモヤ感が見事に本作では昇華された感じでしょうか。30年前の作品は、正直、SFの体裁で語られた、ちょいとおセンチな人間ドラマという印象の割には、一人一人の内面の掘り下げが浅いように思えた。そのため、どのキャラクターにも思い入れは生まれなかった。デッカードしかり、レイチェルしかり。敵役のレプリカントの悲哀もよくわからなかった。しかし、本作では、それぞれのキャラの造形がよくできている。主人公Kの無表情でいて、眼だけで物語る哀しさやそれを象徴するAIホログラフィーとの恋愛模様。敵役のレプリカント秘書殿が何故あそこまで冷酷なのかは、それを産んだ親分社長のサイコパスぶりがよく語ってくれる。前作では、単に一時の激情に駆られただけと思えたデッカードも、今回は長年の逃亡生活の疲れや最愛の人を失わざるを得なかった哀しみを漂わせることに成功している。そしてまた、ラストシーンで見せる父親としての表情が素敵すぎる。スターウォーズも父親としての悲哀を出していたが、あちらはストーリー上無理やりのとってつけた感が強く、懐かしの俳優想い出コーナー的な登場のハリソンフォードだったが、本作ではそんなことはなく、主人公Kの支援者として、また、混乱させるものとしての役回りをしっかり演じている。
主役の自分探しの話しがメインになっていてつまらなかったという声が時々聞こえるが、それはそもそも前作を誤解しているだけなのではないか。前作は、レプリカントの自分探しを背景に人間が翻弄されるドラマを描いた。今回は、まっすぐにレプリカントの自分探しそのものを描いており、前作の構造をよりシンプル化しただけに過ぎない。もともとから、ブレードランナーとは自分探しの物語なのだ。この試みはとても成功しており、主人公Kの孤独な想いと自分探しの結末の哀しさが静かだけど確実に鑑賞者の心を捉える。ラストシーンにおける、Kとデッカードの対照的な描き方は2作に渡る自分探し物語の一つの結末であるように思える。
今年も終わりになって、秀作を続けてみることができ、幸せです。女神の見えざる手→IT→本作の3作連続の質の高さはなかなかのあたりでありました。来年も素敵な作品に会えますように。
前作と同じスピード感 迫力 緊迫感無し
テンポも遅く背景がよく分からない前作と同じでキューブリックの様にダラダラ長たらしい やはりシュワちゃんの様にスピード感あるトータルリコールみたいな作品が観たい!
人間とレプリカントの違い
前作を観てからの2049だったのでデッカード、レイチェル(過去映像)が出てきた時は興奮した。
続編の作品(主人公が別の人に変わった作品)で前作の主人公が出てくる瞬間ってのはたまんないものがある。
レプリカントが旧型、新型で取り締まるようになった世の中は前作から進んでいる感じがあったし、色々設定を帳消しにする大停電はスピンオフ的な感じで映画化してくれてもいいかもしれない。
未来はこんな感じになるのか……いや、千年くらい経ったあとかな?とか思うこともあったし、内容ではデッカードとKとの関係を考えたりもしながら観たのでレンタルが出たらもう一回観てみようと思う。
やっぱりハリソン・フォードかっこいいわー。
人間VS人間以外の戦い・葛藤~人間らしさとは?~
「ブレードランナー 2049」70点。
使い古された・永遠のテーマである「人間VS人間以外のものの戦い・葛藤」パターンです。
必ず出てくる壮絶な戦いに、主人公が必ず陥るこころの葛藤を描きます。その原点でもある作品でしょう。
壮大なVFXを用いた「未来革命的SF大作」の金字塔でもある作品でしょう。
長いです。165分以上に長く感じます。
この監督、間を重視しすぎです。「メッセージ」の時も同様でした。テンポがあれば2H程度に収まるのでは?
1シーンずつが長い。間延びしています。と感じます。
しかもテーマは「人間とは?」「人間とレプリカントの境界線は?」です。哲学的です。ム~ン。
人との境界線が崩れる?そこは何に於いて?なるほど。
悪はどーしても傲慢な人間になり、利益重視の企業パターンとなりがちです。「猿の惑星」パターンです。
人間の方からの視点で製作するので仕方がないことでしょうか。
男性目線ですが、女性のありがたさ・偉大さも描いています。
女性にはこれができる限り、男性はどうしょうもない?
生涯「おかあちゃん」には勝てません。
私は、「人間らしさはこころ」と思っています。いい意味でも逆の意味でも。
「こころ」を「ITベンチャー企業のデジタル的マネーファースト的発想」に洗脳されてしまうと…。映画が示しています。
「SF映画」の草分けも今ではマンネリ感をぬぐえません。
でも作品自体は面白く評価できます。
H.フォード頑張るが、ヒットはムリでした🍀
歳を重ねてからまた観てみたい
視聴:1回目
推薦:映画マニアのみ
感想:前作は鑑賞必須ですね。映画館でじっくり観る映画で家で見るものではないなと。レプリカントの反撃を描かずに個に絞って描いてたのは前作からの踏襲ですが、もう少し味付けが欲しかったです。ホログラムの女の子が目立ってたので。ブレードランナーは10年以上空けてから見直すとまた印象が変わったので、今回も同じようによりオッサンになってから観てみたいと。
前作鑑賞後がオススメ
未来を思わせる映像はすばらしいです。街や廃墟を俯瞰するような映像も、そこへ降り立った時の情景も、すべてが緻密に描かれていると感じました。そして、そこで見せるライアン・ゴズリングのちょっとした仕草、表情、生き様がこれまたかっこいいです。しかし、劇中何度も突きつけられる、人間とレプリカンとの違いを考えさせられると、なんだか切なくなります。
本作では、人間とレプリカントの違いを考えさせる中で、人間とは何か、何をもって人間たらしめているのかと、難しい問いを突きつけられているようでした。これは決して荒唐無稽な夢物語ではなく、現実世界の行きつく近未来を予感させる、避けては通れない問題だと思いました。
ただ、前作未視聴だったため謎解き感が難しく、本当に理解できたのかどうかも怪しいので、機会があれば、前作もあわせてもう一度見てみようと思います。
アメリカに横たわるレイシズム
アメリカではドナルド・トランプが大統領になったことで白人至上主義者が勢いづいているという話だ。人種の坩堝、多様性の集積みたいな国であるアメリカで、民衆の精神が全体主義、画一主義に傾いているというのは、まさに不穏な現代という時代を象徴している。
本作品は白人と黒人の対立図式のように、人間とレプリカントの差別構造を描く。小競り合いが長期にわたって延々と続くような中途半端な対立ではなく、どちらが生き残るかという究極の争いになるところがアメリカらしい。アメリカという国は精神性の深いところにレイシズムが横たわっていることがよくわかる。
ヴィルヌーヴ監督は「メッセージ」という思索に満ちた傑作で哲学的な世界観を披露した。この作品でも人間のアイデンティティについて最終的な問いかけをしている。
その答えが、家族や血の繋がりといったアメリカ人の大好物に近づいていくところは不満だが、必ずしも主人公の目的や行き先がはっきりしておらず、ベクトルのままでストーリーが終わるところは「メッセージ」の手法と似ていて、観客に多様な解釈を許す。「メッセージ」には及ばないものの、こちらもスケールの大きな傑作である。
役者が偉大過ぎて
前作のブレードランナーを観たのは30年以上?前の新宿コマ劇場だった。あまりも衝撃的だったので良く覚えている。まだ観てないのならすぐにTSUTAYAに行け。そしてその後この作品をもう一度観るべし。この監督の作品に対する愛とリスペクトがわかるだろう。これだけ観ての評価は愚の骨頂だ。
いまいち
前作や本作の評判がよかったので、レイトショーで観ましたがイマイチでした。
人造物が人間の心を持つのかというテーマは、手塚治虫が鉄腕アトムなどでライフワークの1つにしてきたもので、それに比べるとこの映画での取り扱い方は薄っぺらとの印象を受けました。
人間として認められないもの、差別を受ける側のものの哀しみを私が期待していたほどは描ききれておらず、残念でした。
久しぶり…35年ぶりだね
映画は期待を裏切らない良いできでした。主人公のガールフレンド(設定はホームオートメーションシステム)はAIで、会話はもはや人間。ただ、生身の身体は持てないためホログラムで彼の前で振る舞う。ある時、主人公と仰せを交わすために、コールガールを呼びホログラムをその身体にダブらせて、あたかも彼女と交わるよう演出する様は、未来の新たなプレイを彷彿させました(笑)ありえるよね。
35年前は、僕のような一般人には、「クローン」という技術への認識が浅かった時代。作品のなかで、同義の存在を「レプリカント」という名称で描き、人間との確執をストーリーにした。
今や再生医療(人の細胞から増殖した皮膚や角膜の移植)は現実になったし、よりリアルに感じました。いずれは、臓器移植のパーツを供給するためだけに、クローン人間が生産される時代が来るかもしれないですね。
仮に出来た場合には、我々人間と同じように精神を持っているのかな…細胞を忠実に再現できれば、同じように感情を持つのだろか?(生理学的には、そうなるはずだよね)
クローン同士やクローンと人間との間に子供が生まれるなんて、まさに神をおそれぬ禁断の恋だよね。そんな事を考えさせる映画です。
2049年にはこうなるかもねー
SF映画らしい映画ですが、さすがリドリースコット監督っぽい作品でした✋🏻
派手なアクションに大きな時間を使っているわけでもなくて、それでもストーリーの謎がわかっていく過程があるので退屈もせず、作り込まれたストーリーと設定がすごいなーと思ってしまいました✨
SF映画のテーマは近未来が多いけど、「近い未来に現実化しそうなこと」がしっかり描かれてます💨
ほとんど全ての人に当てはまる普遍性を持った傑作
本当に見て良かった。この映画は自分がこれから生きていく上での一つの道標を示してくれたと思っている。
予習と思って前作をDVDで観た時は「全体の雰囲気を楽しむ映画なんだな」と感じて映画にあまりのめり込めなかったが、今作は映画にとことんのめり込めた。
この映画の色んなレビューを見ていると
映画のテーマは「差別」とか「人間を人間たらしめるものは何か?」とかそういった感じのスケールが大きくてあまり共感出来ないようなものみたくなっているが、私が感じたこの映画のテーマはそれらとは違った。
この映画のテーマは「いままで自分は他人とは違う特別な存在だと信じていたが、そうではないことが分かってしまったとき、それでも自分はどう生きていくのか?」という極めて普遍性の高いことだと感じた。
映画終盤で「誰だって自分が特別な存在だと信じたいものよ」というフレイザのセリフが放たれたとき、心を滅多刺しにされた感覚がした。
確かにそうなんだ。普段言葉に出さなくても自分は他とは違う特別な存在だと信じているからこそ、色んなことを頑張れたりするのだ。
ただふとした瞬間に、「自分は特別ではないんじゃないか?」と気付く時がある。それもそうなんだ。
そういう意味でこの映画は「例えそうだとしても、自分がいま正しいと思うこと、自分がいま出来ること、そして目の前にある自分がいまこの瞬間にやるべきことを為すだけだ。」という一つの生き方を提示してくれた。
たぶんこれは監督は関わったスタッフ陣の心の叫びが映像化したものではないだろうか?
つまりは「こんな伝説の映画とか言われてるものの続編作るなんて頭おかしいよ!けどいま自分が出来ることを精一杯やるしかないんだよ!やってやるよ!」という心の叫びである。
私は20代後半のいい加減いい大人だが、心の底から「Kのように、目の前にあるやるべきことを自分の力の及ぶ限りやろう。」と思った。
上映時間の長さなのか、マーベル映画に押されているからなのか、人によって抱く感想が違うからなのかよく分からないが、散々な興業収入だという現実を受け入れることが出来ない。
マイティソーも観に行ったが、あれはあれで愉快な映画だったが内容的には段違いでブレードランナー2049の方が全然上だろ!どうなってんだ興業収入!ということを最後に叫びたい。
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