ナラタージュのレビュー・感想・評価
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閉塞感漂うこのご時世への警鐘か
最近の、効率重視、分かりづらいもの、正しくないもの、役に立たないものを寄ってたかって糾弾し、排除していくこの情勢の中上映された、意欲作だと感じた。
映画の内容はただ、泉の回想録だ。
泉の目線からのみ語られる回想ゆえ、葉山先生の本当の感情は、彼女にも、こちらにも分からない。
その空白が、鑑賞後、とても強い余韻となって心を支配する。
彼の本心を知りたい気持ちが、彼の一瞬の目線を、その表情のゆらぎを、その瞳の揺らめきを、一瞬たりとも見逃したくない気持ちとなって、固唾を飲んでスクリーンを凝視した。
心の奥の奥に、誰にも見せずに封印している何かがある、そういった人には、間違いなく響く映画だろう。
他人の恋愛
他人の恋愛模様に是非を問う世相には辟易しているし、観た後自分が何を思うか知りたくて観に行った。
共感しない、涙もない(部室?で泣き崩れる友達の告白を見た部員の涙には何故か泣けた)。が、終わらせずにおいた愛の根拠や依存にも似た補完のし合いには各々の筋が通っていて、無責任に否定したくなくなるほどの想いを抱いた人間の人生のある期間を見せつけられたと感じる。松本潤の目は饒舌だし、ほぼずっと怒ってるように見えた有村架純のラストの笑顔が希望的で、坂口は素晴らしいことに怖ろしい。
切なさより清々しさを得た自分には満足していて、大人が眺める映画としてなかなか良かった
不思議な映画
この映画1度目は泉に感情移入して自然と涙が出て、2度目も涙。3度目なぜ葉山先生が好きだと一度も口にしなかったのか?あのとき彼は何を思っていたを考えてみた。久々に社会科準備室に泉が入っていくシーン。もしかして葉山先生は泉に扉を開けさせたんじゃないだろうか。ゆっくりしまる扉が2人だけの世界に入っていく。葉山先生の手と瞳に明らかに意思が見えたのは泉が卒業する日あのキスシーン、そして泉が風邪を引いたときにすりおろしたリンゴを食べさせるシーン、はじめ食べさせてもらうのを拒んでいた口を自然と開けさせて食べさせる行為で恥ずかしいような嬉しいような顔をしてリンゴを含む泉を見下ろしている葉山先生の中にある静かな欲情を感じた。そして酔って泉を呼び髪をきってもらう前のシーン。あのときも泉を手で引き寄せ抱きはしないのに瞳で泉の心をつかんだ。
これはとても不思議な映画で実は語っていないところにいろいろちりばめられたものがありすぎる。二人のすきな映画や高校の劇につかわれた真夏の夜の夢もそうだ。
ただの恋愛映画ではない。
何度も見たくなる映画です
良さがわからず残念
この映画、期待していたけど、眠たくなる程ゆっくりな展開で、内容が薄い。4とか5とかの評価あり得ない。今まで観た映画の中でもワーストに入る。役者が悪いわけではないと思うが、内容が浅い。めりはりが無い。残念。
刺さる人には刺さるのでしょう
僕には全く刺さらなかった。逆に刺さる人はこれまでどんな経験、恋愛をしてきたのか聞いてみたい。
長尺の割に内容も薄く感じ、途中で退屈になった。ナレーションもくどかった。
俳優陣の演技はとてもよかった。特に松潤の静かな葉山役が意外とはまっていた。ジャニーズだからと言って敬遠するのは勿体無い。
もっと人生経験積んでからもう一回観たら感想も変わってくるんでしょうか。
演技がよい
正直言って、見る前は松潤のキャスティングが最も気に入らないと思っていたのですが、思った以上にドはまりだったんで、不満が拍子抜けした感じです。
登場人物への感情移入は全く出来ません。二人の男性は本当にダメ男で腹立たしい。ただ、美化しない分、実は実際に有りがちな男なんじゃないかなとも。
有村架純をこんなに簡単に脱がさなくてもとのスケベな監督や映画関係者への反発は引っ込みません(-1)が、そんなことは全てぶっ飛んで、観いってしまう程に素晴らしい演技でした。
こんな、下手をすると眠気を誘いかねないテンポ、抑揚ですが、全く退屈しませんでした。
人によっては…
かなり見た感想が変わる映画だと思いました。
まず恋愛で傷ついた事があるか、誰に感情移入してしまうのか、誰にも感情移入しないのか、映画自体も最近のありきたりな恋愛映画を期待すると時間の流れから違うし見た人それぞれの感じ方を大事にしてるであろう撮り方だったので何も感じない人もいるだろうなとは思いました。
昔からの映画ファンやフランス映画などに慣れてる人はなんとなく監督がやりたかった事がわかるかと思います。
私自身は恋愛映画は好んで見ませんが誰がどう見ても反対するような恋をした事があり別れる時も辛くて結婚した今もたまに思い出す人がいるのでこの映画のキャッチコピーに惹かれて久しぶりに恋愛映画を見て見ましたが何故か泣く場所ではないような何気ないシーンで泣いたりラストの方は号泣でした。
その日はしばらく余韻が抜けずいい映画だけど辛くてもう見たくないと思ってました。
でも少したってセリフに隠された本心やどんな思いで放たれた態度だったのかと色々考えたらもう一度見たくなりました。
マスコミではすぐ濡れ場などが取り上げられますがこの映画の濡れ場はある意味一番はっきりとした感情が捕らえられる部分でありどうしても必要な表現で濡れ場でドキドキするという感情はありませんでした。
忘れられない人がいない人は今一度見ておいて何年か後そんな恋愛をする事があった時もう一度見て見るって楽しみを作ってもいいと思います。
私的には観客に委ねるというか色んな捉え方が出来る映画だなと思いましたし映画って見た後その映画について語り合うのも楽しみだと思ってますのでそういった意味でも最近のはっきりした映画よりぼんやりしたいい意味で語りがいのある映画だと思いました。
恋愛観によって感想が異なるでしょうね。
すごくよかったです。
有村架純ちゃんが本当にぴったりでした。
めちゃくちゃよかったです。
松本くんもいい感じに影があって、適役だったと思います。葉山先生のイメージ通りでした。
人のものになってしまっているひとを、好きになったことがあるとかないとか、感情移入できるとかできないとか。そういうのじゃなくて。
うまく言えないけど、どんな恋も自分にとっても相手にとっても、意味のあるものであってほしいと思いました。
でも人によっては、こういうストーリー、
まったく受け付けられない人もいると思います。
確かに目線を変えたら、自分勝手で身勝手なのかもしれないけれど、そんなのは当事者達がいちばんよく知っているしわかっている。
第三者からしたら、くだらないと言われるのかもしれないけど、それでも彼等にとっては大切な時間だったはず。
あまりに切なくて、純粋な想いだったから、大切にしたい。ずっとずっとこのストーリーを愛してあげたいと思ってしまいました。
葉山先生もいづみも、すごく人間的でした。
クライマックスは素晴らしかったです。
140分の中でいちばん切なくて悲しいシーンのはずなのに、140分の中でいちばん光が射していて、いちばんキレイな映像で。言葉でうまく表せれないけれど、この恋の純粋さ、まっすぐさ、想いの深さ。
すべてがあの数秒に凝縮されていました。
結婚している教師と教え子。
それだけ聞くと、純粋さなんてなさそうなのに、不思議なくらい胸がしめつけられるストーリーでした。
映画。
想像以上にフランス映画(そんなに見たことないけれど)っぽいというか静かに時の流れる映画。登場人物の男性たちには、苛々するけれど、有村架純の表情や空気感がとてもよかった。
少し長さも感じてしまったが、最後の有村架純が屋上で空を見上げる表情をみたときから急に、すっと空気感が澄みわたったような感覚に襲われ、ラストの懐中電灯が動き出したシーンと最後の主題歌で全てが腑に落ちた感覚。途中は、家でゆっくり見たほうがよかったかなーって思ったりもしたけど、最終的にはやはり映画館でみてよかったと思いました。
終わった後、女子高生か女子大生くらいの女の子たちが"でてくる男がみんなクズすぎ!!純愛っていうかさ。。"と叫んでいて、ごもっとも、と笑いそうになってしまった。
でもまたいつかもう一度みたいです。
青い炎のような映画
原作ファンです。
静かだけど、すごい強い執着心や、人間の複雑な気持ちが表れている映画だと思います。
優柔不断だって意見もあると思うけど、人間の心って本当に複雑で、葉山さんの気持ち分かるなーって思います。
関係性って恋人以外にも名前のつけられない様々な形があっていいんだと思う。
本当の恋愛って甘いものばかりじゃなくて、こんな映画みたいに生々しいものなんだろうなと思います。
私もこの本に出会った時に、すごく大好きな人がいて、その好きだった人に会いたくなる映画でした。
静かな恋愛映画。
10年ほどまえに出版されてから、ずっと愛読してきた物語です。
映画化されると知った時から、ずーっと楽しみにしてきました。
松本潤と有村架純の主演とのことでしたので、それも期待していきました。
・・良かったです。
へんなありきたりなアイドル仕様な恋愛映画ではなく、島本理生の世界観を表現しようというのは、伝わりました。
でも、原作を読んだ人しかわからないのですが、プロローグとエピローグにあたる部分が省略されたように思えました。
長いお話なので、仕方がないのかもしれませんが、個人的には、この二つが揃って、泣きました。
映画を見て、感動された方は ぜひ 原作を読んでいただきたいと思います。
もう一度観たくなりました。
昨日、夫と高校生の娘と観に行きました。
良い意味で裏切られた、美しい映画でした。
長いと聞いてたので、寝るだろうと思っていたら、最後まで一気に。学生時代に観たビクトル・エリセ監督やトリュフォー作品を又観たくなりました。忘れてるし、詳しくないので分からないけど、きっと何か意味してるんだろうと。
途中、松本さん演じる先生にイライラしたと話したら、娘はホンマ、松潤上手だよねー、と。そうか、まんまとハマってしまいました。
有村さんはさすがです、坂口さんも良くて、この3人だから良いのかな?
劇中劇も面白くて、久々にもう一度観たくなる映画でした。
つまらない。長い。
少なくとも僕には、
つまらない。だらだら長い。
有村架純ちゃんの濡れ場がどうのこうので、あんまり見たくなかったんですけど、行きました。ファンなので。
噂ほどのシーンはなかったけれど・・あーいう濡れ場やってやっと大女優とかいう風潮、ありませんか?やめてほしいです。
影のある架純ちゃん自身はかわいかったけど、、ほんとこんな役はだめ。
まあ、ナラタージュ⇒関ケ原⇒ひよっこ(撮影順)で、架純ちゃんは浄化されたのでよかったです。
なんてね。
ただの文句です。
傷つき闇を抱える2人が救いをもとめる
禁断の恋ではない。大人な恋愛でもない。
駆け引きもなく、互いに胸がときめくなんて瞬間すら無いに等しい。
救われたい、救いたい(救うことで救われたい)という想いが強い。
葉山は妻が同居していた義理母と上手くいかずノイローゼで家に火をつけ放火及び殺人未遂(実際は家の倉庫のみだが義理母ごと燃やす気だった)。
妻の親族たちに攻められ会うことも許されず手紙も握り潰され、罪悪感や後悔に苛まれサイレンの音を聞くと吐くほど苦しみ進めずにいる教師。籍は残ったまま。(妻の意志次第)
泉は自殺を考えるほどいじめられ辛いところを葉山に救われ、演劇部や社会科準備室(葉山)という居場所を与えてもらえたことで次第に心惹かれていく。在学中、葉山の過去を知り「あなたを助けたい」と申し出たが断られる。
その後も泉に何度も救いを求めるくせに、泉の想いを受けいれない葉山の弱さやモロさは確かにズルい。拒絶したくせになぜキスをしたのか。なぜ電話をするのか。なぜ優しくするのか。
「恋じゃなかった」は本心とは思えない。たしかに愛されていたい、という弱さは人間にはあるけど…。この辺りは小説で読めば葉山の泉への想いもわかるのでしょうか。
賛否両論、ハマればドハマりのカオスな恋愛
先生と元生徒の恋愛と、題材としては昨今よくありがちな爽やかでキラキラした青春恋愛映画とは対極の、
生々しく甘さや飾り気の一切ない、人間の弱さや脆さを痛いほど感じました。
しかし痛いからこそ面白い。
夢の中のような儚さと美しさを感じる、生身の体温の残る作品でした。
登場人物全てが何かしら欠落していて、支えているようで支えられている危うい関係はある種のホラーで、
賛否両論あるのは納得の内容です。
ですが、ハマればどハマり間違いなし。
キラキラした恋愛映画に飽きた方や、苦い恋愛をいくつも経験された大人におすすめの作品だと思います。
心に残る作品でした
アイドルを使った胸キュンの映画になっていたら嫌だなっと思っていましたが、質感といい情景といい、映画でしか表現出来ない作品でした。夫婦で拝見しましたが、日本映画には辛口の主人が「日本映画もなかなかやるな」と言っていたのが、印象的でした。終始、真綿で締め付けられる感じでしたが、最後には色々抱えながらそれぞれ前に歩き出す感じがして、観終わって良かったと感じました。わかりやすい作品ではないし、全く派手さがないので興行的は難しいかもしれませんが、多くの方に観ていただきたい。私には心に残る作品となりました。是非、エンドロールまで客席で観て欲しいです。
呼ばれた気がして来てみたよ
お互いが心の助けを感じて
相手に気持ちを差し出すのが
タイミングと的を得ていて、
共感します。
こんな事をしてくれる人が
いたらきっと忘れられない、と。
初めは、
葉山が、
学校生活での居場所を
見つけられなかった泉に
仲間と演劇を。
次は、泉が
教え子が亡くなり、
救えなかった葛藤に
苦しむ葉山の側に駆けつけ
安心と励ましを。
それも裸足で。
小野の行為は、
自分から遠ざかる人へ
残虐な心理で吐いた言葉として
そのまま自分に帰ってくると
思います。
自分が愛した彼女の足を
痛めつけた自分に。
トラウマになって、
恐らく靴職人にはなれない
のではないでしょうか。
さておき
全てのシーンで、
淡いグリーンがかかっているような
色彩が素敵でした。
なにか、
記憶の海のなかで進行する
物語に入り込んだような雰囲気に
包まれます。
観客は、誰もが息をのむように
静かで皆違う世界にいっている
ようでした。
この色調の中で、
最後に葉山と泉の
二人が求め合うシーンでは、
エロさよりも、せつない痛みが
伝わってきます。
ここまでの刹那さを伴う愛し方は
人生でそんなに多くない場面だと
思いますし、
人によっては、経験できないで
終わる人もいるんではないでしょうか。
そんな経験ができるならということで
好奇心が勝るひとや、どうしょうもなく
ストライクな出会いな場合で、
相手が既婚者の場合には、
自らを追い込んでしまって、
不倫にはまってしまう心理が丹念に
描写されていると感じました。
だれでも可能性がある…
でも、この恋愛に共感するのは、
男性と10代の女子ではないかな。
誤解を恐れずに、
感想としては、
実際には、
愛していても、
自分のところに最終的にこない人
よりは、
半ば強引でも自分の事だけを
みてくれる男のもとに身を寄せる
パターンが多いように思います。
20代後半になればそういう
恋愛観になるんではないかなと。
そう。
やさしいだけの優柔不断は
本当に好きな相手からは
選ばれないんだよと。
まぁそんなことを思いながらも、
本編では、
そんなしょっぱいことに
ならない、
前向きなストーリーだったので、
気持ち良く見終わりました。
LaLaLANDみたいな
変な現実突きつけられる
ことなく、
甘い気持ちで、帰れます。
おすすめ。
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