湯を沸かすほどの熱い愛のレビュー・感想・評価
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宮沢りえに説教し続けられる2時間。この銭湯、そのうち都市伝説として語り継がれそう。
余命宣告を受けたことをきっかけに、家族の再生に挑もうとする銭湯の女主人の姿を描いたヒューマン・ドラマ。
監督/脚本は『チチを撮りに』の中野量太。
主人公である幸野双葉を演じるのは『紙の月』『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』の、名優宮沢りえ。
双葉の娘である幸野安澄を演じるのは『トイレのピエタ』『MOZU』シリーズの杉咲花。
ヒッチハイク旅行中の青年、向井拓海を演じるのは『エイプリルフールズ』『ピースオブケイク』の松坂桃李。
双葉の夫、幸野一浩を演じるのは『舟を編む』『渇き。』のオダギリジョー。
いわゆる「安心して泣ける」系の映画(クライマックスまで観れば、単純にそうとは言えないことはわかるのだが…)。
①不死の病の主人公。
②登場人物は全員家庭環境に問題がある。
③登場人物がとにかく心境を吐露して泣きまくる。
④ここぞというところでポロロンとピアノで感動系BGMが流れる。
⑤「血は繋がっていないけど、俺たちKAZOKU👩👩👦👦」
これぞTHE・邦画の満漢全席や〜♪
世間の評価の高さは分かっています。そして自分がマイノリティであることも分かっている。これに感動する人がいるのも十分わかる…。
しかし!申し訳ないがまっっったく感動できなかった。
というか、所々結構大笑いしてしまった🤣
まず凄く笑ってしまったのは、双葉が安澄に対して、実の娘ではないことを告白。動揺する安澄に向かって、実の母親である酒巻君江へ挨拶をしにいきなさい、と諭す場面。
嫌や嫌や、早よ行け早よ行け、というやりとりがまるでコントのようだった。
いや、そんな大事なこと直前で言うなよ💦
旅行の前にちゃんと説明して、安澄に心の準備をさせてあげるのだって大切なことだと思うんだけど。
次に大笑いしたのは、病状の双葉の為に一浩たちがKAZOKUピラミッドをしてあげたところ。
そこで、何故か参加している探偵のおっさんが、「私は人数合わせの助っ人です!」と言ったとき、「確かにそうだよな。このおっさんただのクライアントの為に体張るなぁ。」と思ってしまい、笑いをこられられなかった🤣
これらのシーン、監督がコメディとして描いているのであれば、凄く成功していると思う。緊張と緩和のツボを押さえた、ついついツッコミを入れたくなる名ギャグシーンだと思う。
しかし、多分監督はここで感動させようとしていますよね。
この監督、本作のクライマックスもそうなんだけど、恐ろしくぶっ飛んだ行動を良い話風に、バカ正直に描きすぎていて、感動すればいいんだか笑えばいいんだか分からんようになる。感情が迷子。
これって中野作品の特徴なんだろうか?ちょっと他の作品も観てみたくなった。
「心の強さと家族の絆」。
これこそ、監督の描きたかったものだったのだと思う。
とはいえ、正直言って主人公の幸野双葉に全く共感出来ず、終始「タラタラ生きてんじゃねえ!」と説教をされ続けている気分になってしまった。
タラタラ生きてすみませんでした〜😭
「昭和の肝っ玉母ちゃん」みたいなものを描きたかった、というのは凄くよくわかる。
しかし、子供のイジメに対して「逃げるな!」っていうメッセージ、それって本当に正しいの?
明らかにイジメを隠蔽している学校の態度はクソだし、実態もわからないのにただただ「逃げんじゃねぇよ!」という態度を取り続ける双葉もクソだと思う。
親として取るべき態度は、イジメの加害者やそれを隠蔽する学校に対して頑として立ち向うことなんじゃないの?
イジメを苦にして子供が自殺した、というニュースが毎日のように報道される現代で、よくこんな無神経なイジメ描写を描いたな、と逆に感心した。
大体、「下着姿になってゲロ吐いたらイジメられなくなりました」という帰着、全く意味わからん。
もっと学校に居場所なくなるでこんなん。
出会ってせいぜい2〜3時間のヒッチハイク青年があんなに懐くのもよくわからんし、仕事の上での繋がりに過ぎない探偵のおっさんが「この人にはなんでもしてあげたくなる。」とか言い出すのもさっぱりわからんかった。
本当に、この映画一から十まで自分とは感性が違う。
基本的に全く裏切りのない、「安心して泣ける」映画なんだけど、君江さんに突然ビンタをかましたあたりからちょっと面白くなる。
特に、双葉の生き別れになった母親の居場所がわかり、彼女に会いに行こうとする場面。
ここはめっちゃドキドキした!
というのも、その前に双葉が「お母ちゃんはもうこの世にはいない気がする」と発言しており、さらに安澄に向かって「お母ちゃん、ちゃんとした人に見える?」といって身嗜みを整えるという場面があったから。
自分を捨てた母親と再会。
身嗜みを整え、綺麗な姿になった双葉が、母親と数十年ぶりに顔を合わせる。
感動の再会…、かと思いきや、いきなり双葉が包丁を取り出して母親をぶっ刺す!🔪🩸
…みたいな、とんでもない展開になるんじゃないかと勝手に想像してしまった。
だって「お母ちゃんはもうこの世にいない」とか思わせぶりなことを言うんだもん。「まだやり残したことがある」とか言ってたし。
恨んでいた親をぶっ殺す伏線かと思うじゃん。
噴き出る鮮血をバックに「湯を沸かすほどの熱い愛」というタイトルが画面にバーンっ!と大写しになって、そこできのこ帝国のED曲が流れる…!というクライマックスなら、★★★★以上は確実でしたね。
自分が妄想していたEDとは全く異なっていたが、本作のラストも自分の妄想と負けず劣らずな、めちゃくちゃ気持ち悪いものだった💀
こういうインモラルな展開、個人的にはめっちゃ好きなんだけど、感動は全然しないですよね?他の人はするのかな?
そのうち、「死体を燃やした熱で風呂を沸かす銭湯」という、街の都市伝説の一つになりそう。
ここは感動シーンとして描いたのか、それとも観客を怖がらせようとして描いたのか、本気で監督に聞いてみたい。
良かった点としては、宮沢りえのガリガリさ。
彼女の痩躯は確かに末期癌の患者にみえ、双葉のキャラクターにリアリティを生み出していた。
双葉の「真っ赤な花が好き」という設定は、ブルーハーツのファンである宮沢りえが彼女を演じたからこそだろう。同じブルハ信者としては嬉しいところ😆
エンディングのキレの良さも光る。
「湯を沸かすほどの熱い愛」が画面にバーンっ!からの「きのこ帝国」のエンディング曲♪
このスッパリしたエンディングはかなり気持ち良い。
双葉のことを全く好きになれなかったので、かなりシンドい観賞体験となった。
今の邦画界で、最注目人物の1人である中野量太。
一作くらいは観ておかなくてはいけないだろうと思い本作を観賞したが、とんでもなく珍奇な作家性を持った監督であることは理解できました。
いやぁ、やっぱり邦画って苦手かも…😅
作られた感、演じている感
正直に言うと、作られた感や演じている感が至る所に見えてしまって少し興醒めしたところはある。
具体的には、いじめの場面や、松坂桃李とのやり取りの場面はどうも演技している感じ、非現実な感じがあってのめり込めない。最後の火葬の場面も、常識的にそれはないだろうと思ったが、フィクションだからと割り切った。
とは言っても、特に下の子が、ここにいさせてください、と泣きながら話す場面は、なかなかの演技で胸を打つものがあった。
しかし、全般的に見る人を感動させようと上手くない小細工が散りばめられている印象で、アカデミー賞ですか、、、というのが正直な感想。
双葉
愛情を受けてこなかった女性が、こんなにも周りの人達に愛情深くなれる...
誰しも母性を求めている。
ラストシーンでお母ちゃんを燃やした熱で沸かしたお湯に包み込まれる登場人物達。誰しも母性を求めてる。
観終わった後にタイトルを見ると、そのとおりの表現。
良い人ほど早く死んでしまう。
脚本そのものは、フィクション。よその子を勝手に育て始めて役所手続きはどうなるの?と気になるし、出棺すると見せかけるために、遺体を銭湯に放置してみんなで喪服に霊柩車でピクニックに出かけ、戻ってから自宅で火葬?!びっくり仰天プラン。お骨はどうしたのだろう、お墓はどうするのだろう?疑問は尽きない。
でも描かれているのはそこではなく、強くて愛情深いひとりの女性幸野双葉と彼女の母性を求め救われる人達。
途中までは、オダギリジョー扮する夫が蒸発しても気丈に振る舞い、子供がいじめられていても逃げずに立ち向かうよう明るく諭す優しく元気なおかあちゃんなのだが、徐々に相関図の複雑さが見えて来る。
余命を知り探偵を使って連れ返した夫が、自分はもちろん夫の血する流れているか怪しい浮気相手の子供、鮎子を連れて来た時も、すんなり受け入れ我が子のように接する。
良くできた人だなぁとは思うが、我が子の安曇すらも、夫の前妻の子供だったとは。
実はおかあちゃん自身が、安曇や鮎子のように、母が帰って来なかった過去を持つ。夫の前妻が聾唖者で子供の声が聞こえず出て行った時も、子供側の気持ちが痛いほどよくわかるから、安曇を我が子のように育てられたのだろう。
虐められている我が子を無理矢理にでも学校に行かせるのは今の世の中だと最適ではないのかもしれないが、親が育ての親だった事実、親が末期癌で死ぬ悲しみに今後安曇は立ち向かわなければならないのだから、強く育てなければならないと思ったのだろう。
「おかあちゃんとは違う最下層の人間だから」
「安曇とおかあちゃんは何も変わらないよ」
この返答の意味が、後々よくわかる。
刻々と命の最期が迫る中でも、自分の事ではなく、安曇を実の母に合わせに行くために鮎子も連れて旅行に出るおかあちゃん。
旅行中に出会うヒッチハイクの青年拓海くん。彼もまた、父親がころころ母親を変え、転々としながら生きていた。
彼に運転手を頼めば良いのにとも思うが、自力で頑張るおかあちゃん。末期癌のことを子供達に隠して、宿のお手洗いで吐血に苦しむところは見ていられない。
それでも、安曇を実の母に合わせるまでは頑張るおかあちゃん。翌日タカアシガニのお店でも食欲はなくぐったりしているのに、食後子供と揉みあいになってでも実母に合わせる使命を果たす。
ひとりになって、「疲れた」と言葉を吐き出すお母ちゃん。19歳で安曇を産んだ母親が会ってみたら若くて綺麗で、後からオダギリジョーに出会ったけれどそのオダギリジョーには蒸発された事もあり、病身で疲労した「疲れた」に追い討ちをかける心のダメージの「疲れた」、更には、生い立ちも合わせての「疲れた」。
いつも人の気持ちがわかるから人のために生きて。
疲れたよね。
どうしてそんなに頑張れるのか。きっと心のどこかでは、迎えに来ると言って消えた母をずっと待っていたからなのかも。その期待すらも打ち砕く、実母が都内で大きな家を構え別の家庭で孫までいて幸せいっぱいだった残酷な事実。鮎子の母の書き置き同様、新しい幸せな暮らしを、母親だけが掴んでいたなんて。天国ではやっと親が迎えにきてくれると夢にまで見ていたのに。
それだけ、人間が母親からの愛を求める気持ちは大きいのだなと気付かされる。
途中出てくる探偵父女も妻を亡くして男手1人で子を育てているが、双葉の優しさを求めている。
父親が連れてきた子供、鮎子も。誕生日までに必ず迎えに来ると話した母の言葉を信じ誕生日には元の家に戻るが、母は来てはくれなかった。待ち続け期待を裏切られたどん底の絶望感から一転、知り合ってわずかのお母ちゃんが気付いて迎えに来てくれた。冷えと安堵のおしっこは、1人で抱えてきた寂しさをも放出しているよう。
心細かったね、いい子でいたら帰ってくるかなと頑張っていたんだよね、寂しかったね。と無言でも気持ちを全てわかってくれるおかあちゃんにやっと出会えたのに、鮎子は再び母を亡くす。でも鮎子には父親がわりと母親がわりの姉ができたのが救い。鮎子もいつか双葉みたいになるのかな?
印象に残ったのが制服を返してと訴えるシーン。
制服を隠した子達は成敗されないし、かなり奇特な方法のだが、虐めた子が教室で下着を晒してまで訴えたのなら、普通は2度とやろうとは思えなくなるはず。水色が好きと言ったらおかあちゃんが用意してくれた水色の下着で、彼氏なんかより全然大事な時に勇気を出せたんだね。男性監督がやらせているシーンと思うとちょっと気色悪さを感じるのだが、みんなの前で脱ぐという辱められた気持ちを観ている側も味わわせる演出であり、杉咲花ちゃんは月齢以上のポルノ感は感じさせていない。
作中に、小学生の鮎子がお漏らしをしてしまうシーンもある。でも女の子が足を出してトイレにも行かず長時間外にいたら、冷えるし、幼少期には安堵の瞬間おしっこなんてよくある。あのシーンで、小学生の鮎子がそういう子供らしい反応すら我慢してきた気持ちを、母親のように来てくれたおかあちゃんに対して一気に放出させる描写にもなっている。
牛乳を吐くのも、安曇が言い返せず心に溜まっていたものを、ワーっと言い返すのではなく、吐き出せたあらわれにもなっていて。
おかあちゃんの吐血も、いつも平気な顔でも、血が出るくらい、心が傷ついてきたのを視覚的に見せられていると感じた。
監督が変態だのというレビューも見かけるが、女性を性の対象としてしか見られない視点に、女性こそ男性や子供を産み出す存在であり、誰しもが求める母性を持つ存在なんだという視点を加えたいように感じる。男性同様パンツも干す。漏らして不要になったパンツをびしょびしょで持ち歩くのを避けて、捨てて帰っただけ。そこにポルノ要素は何もない。
花ちゃんが成長に合わせブラジャーを変えたのは、子供から、母性を持つ女性に成長した描写でもあり、実際鮎子の姉がわりとして変わっていくと予見される。
観客の見方を想定してかのように、ヒッチハイク青年拓海が、出会ってすぐは「50代女性の車に乗ったらホテルに連れて行かれて綺麗でないこともなかったけど逃げ出した」などと女性を性対象として見ている24歳男性の視点を話すが、おかあちゃんに抱きしめられた後、もう一度自分から抱きしめられにいく頭は、ずっと母親にそうされるのを求めていた男の子そのものである。
その拓海が「あんなお母ちゃんの血が流れてる君達羨ましい」と言った時の、鮎子の顔。嬉しそうな安曇もまた、お母ちゃんの血ではないのを翌日に知るのだが。その事実を知らされた時の、車内から安曇を泣いて見つめる鮎子の表情も印象的だった。たとえ小学生でも感受性は強くあって、気持ちそのものを理解しているからこそ演技でも表現できるのだと思うと人間の深みを感じずにはいられない。
どんな人間も女性から。自分の子でもまともに育てない女性もいる一方で、自分が産んだ存在にでなくても、母性を注げる人もいる。その母性は、男性も女性も子供も、誰しもが求めているもの。
これが監督の真意ではないかなと感じた。
問題点の方が苦しく感じた。
辛い映画だった。 もちろん涙は出たし皆さんのいうように 良い映画って思ったりもしたけれど、あれ??なんか変じゃない?が多かった。
辛い気持ちを煮詰めて、それでジャムにしてパンに塗って食べたような気持ち。
どうして採点が低いかというと、いじめられて絵の具まみれになっても告げ口せず耐える様子。
制服を盗られて 男子生徒がいる前で下着姿になった様子。
あれが勇敢にいじめと立ち向かう姿なら、誰もいじめに立ち向かえられない。非現実すぎる。
夫が蒸発、新しい子供を連れてきて、それもサクッと耐えている姿を美徳としている感じ?「どれだけ女が耐えること設定ですすむねん!」とツッコミをいれずにはいられない。それが愛??。
そして連れてきたその子は実のお母さんを待ちおもらしをする。もう小学校2年生くらいと思う。その映像 宮沢りえパンツ脱がす。姉がそれをドアノブにかける。 妹の存在をここにあり??? えっとそれは、「いつか漏らして乾いた後のパンツを母親が見つけて心を痛めたらいいさ」くらいの 小さな仕返し?
あの子役は役を演じていたけれど、辛かったのではないだろうか。
あんな辱めは、映画という芸術の中でも子供にさせるべきことではないと思う。
例え実際には違う液体を使ったとしてもあれって必要???
ヒッチハイクにきて乗ってきた松坂桃李のおばさんにホテルに連れて行かれて逃げた話は 思春期の娘たちに聞かせたらはっきりいいって気持ち悪くて笑えないし 例え乗せた子が心が壊れていると悟っても、娘を守るために危険なことって母親はしない。非現実すぎて、ハテナ。
どこか無責任で なんでも受け入れる大きな愛 と勘違いさせられて見ていたらなんとなくクスッと笑ってしまう下りが怖い。自分とは違いすぎて、「こんな境遇なのに愛を与えてすごい」みたいな感動をうっかり与えてくれるけれど、あれれ? おかしくないかな?って。 疑問の方が勝ちました。
大人の無責任で、子どもが痛々しい。その子どもが大人になった姿で湯を沸かすほどの熱い愛を注いでいる話ということでまとまっていて 泣いて感動して、いい映画ーー!とはなりませんでしたが、子役たち、素晴らしい演技でした。
もちろん 母と再開して手話で会話するところとかは、なんとも感傷的になったけれど、何かがおかしいなっていう映画でした。
業が煮えるほどのひどい作
最低最悪の映画。
観たのはもうだいぶん前のことだけど、芸術に携わる者、映画を愛する者としてこれだけは言っておかなくてはならないと思いレビューを投稿します。
これは、僕が今まで観てきた千本ほどの映画の中で最低最悪の一本です。
観ていて、これだけ腹の立った映画もない。
いま思い出しても、怒りがわいてきて、気分が悪くなる。
一見、人生の奮闘やら、深い愛やらを描いているかのようだが、ちゃんちゃらおかしい。
ウソ臭いんだよ、すべてが。
主人公とその家族には、まったく共感できず、ずっと違和感、不快感……そして、ラストはただただ不気味である。
音楽のつけ方もわざとらしい。「ここ感動するとこですよ!」「ここで泣いてくださいよ!」みたいな。
とにかく、不潔な感じすらするひどい映画だった。
「この監督はちゃんと生きてきたのだろうか?」とさえ思った。
本来ならこんな愚作は黙殺するところだが、問題は、この映画を称賛する人が多いことだ。映画賞まで与えている。
これは由々しき事態だ。
「泣ける」などと感想を寄せている人が大勢いるが、「わが国の文化レベルもここまで墜ちたか」と、僕はべつの意味で泣けてきますわ。
ヤバイよ、日本。ほんとうに。
チャップリンとかヒッチコックとか小津とか黒澤とか『ローマの休日』とか『ディア・ハンター』とか『たそがれ清兵衛』とか『わが母の記』とか『ラ・ラ・ランド』とか、古今東西の名画をたくさん鑑賞してきた人なら、決してこんな気持ちの悪い映画には感動しないはずなんだけどなぁ……。
全く感情移入出来ない。
自分自身いじめられた経験があるのと医療従事者である立場として全く感情移入出来なかった。何もかも浅い。虐められいるこどもの思いを傾聴しない上に自身は延命治療をしないという選択をしながらこどもには自分の考えを強要する。なんならその延命治療をしないという考えに至る心理描写もない。神経症状が出ている人間がドライブするなんていうエピソードも理解出来ない。加えて当方道民ですが北海道はほば標準語です。余命数ヶ月という設定を利用して家族愛?で涙を誘っているだけ。高評価の意味が分からない。
強い愛と優しさ
今までこの映画の存在を知らなかったが、口コミ等の評価が高く、おすすめとの事で鑑賞。
冒頭からいじめ被害やがん宣告とシリアスな場面が続いたが、その後は双葉のパワフルさや一浩のコミカルさが随所に見られ、ほのぼのした日常を楽しめた。各登場人物が複雑な人間関係を抱えていたが、それでも家族がバラバラにならないのは、やはり双葉の強い愛と優しさのおかげだと感じた。
それもあって、後半に双葉がどんどん身体が弱っていく姿に心が苦しくなった。
惜しいポイントとしては、双葉のお母さんとの関係がやるせなく、その描写は必要であったか疑問だった。
最後は幸せに逝ってほしいと思いながら見てたので、必要以上に印象的に映ってしまったのかもしれない。
また、安澄が制服を取り戻した以降、学校生活の描写が描かれてなかったので、その後どうなったのか少し気になった。
わからん
いい映画だと思うし、思いたいんですが、正直だいぶ違和感があって、でもそれ込み込みで、やっぱいい映画だったのかもしれないです。でも、やっぱりちょっとよくわかんないです。
他の人のレビューを読んで、違和感が私だけじゃなかったんだ〜と思いました。
安澄が教室で下着姿になるところ、鮎子が失禁したあとパンツをドアノブに引っ掛けるところ、拓海くんのラブホエピソード。
ちなみに私が感じたのは描写の性的な気持ち悪さというよりも、どちらかというと、この展開がべつに愛と正義に繋がらへんよな?という不可解さ。
私がもしいじめっ子だったら、あんなことされて怖くてもっとハブるし(笑)、
私がお姉ちゃんだったら、失禁して恥ずかしい気持ちの妹のパンツをドアノブにかけたりしないし(鮎子は嫌じゃなかったんか?)、
拓海くんとのシーンは単純に少なすぎてそこまでの距離の縮め方に観てるほうは追いつかなかった(嘘がバレたときの拓海くんの顔まじで犯罪者フラグくらい怖いからマジ見て)。
でも最後、お母ちゃんで湯を沸かして赤い煙が出て、キノコ帝国じゃないですか、めっちゃ衝撃的なラストですよね。
そしたらちょっとだけこの違和感にも合点がいくんです。
ただ泣かせるヒューマンドラマだと思って観ていたんですけど、実はこの映画はかなり挑戦的な、我々の価値観をぶん殴るような『愛の形』を提示したのかもしれないです。
正直、お母ちゃんで湯を沸かすって、え!?と思いましたよ、でも、それが故人への尊敬がないとか書いてる人もおるんですけど、その行為自体に尊敬がないかどうかって、べつに誰も決められないですよね(宗教のことはよく知らないし、関係ないので置いといて)。
他のシーンに性的な意図があるっていうのも、そう受け取る人にとってはそうなんでしょうけど、発信する側にそういう意図があるなんて決めつけられないし。
たしかによく考えたら、いじめから逃げるなってむりやり布団から引き剥がしたり、いきなりレジの店員の顔引っ叩いたり、戸惑う娘を車から引きずり下ろしたり、全部たしかに理由はあるんですけど、なんか変なんですよ。私たちに共感させないんですよ。
極め付けはお母ちゃんも実は捨てられた身だったという、あまりにも出来すぎたオチで、これが、全部まあるく収まる共感しまくりのお涙ホッコリ展開で進んでたら、相当こすられまくったありがち脚本になっちゃいますよね。
映像内の至る所で、色々と『あえて』なのかな、と思わせるような『切実さ』が、俳優陣の演技も含めて、垣間見えたんです。
そういう意味では、自分の持っていない感受性について考えるきっかけになったので、いい映画だなと思いました。
でも人にはなかなか勧めづらいです。
何人の母が子を捨てたかクイズ
冷静すぎる大物かあちゃん
余命3ヶ月の家族物
お涙頂戴の暗い映画を予想してましたが、見事に予想を裏切る、暗さのかけらもない、ほのぼのとしたシュールな家族の映画でした
もし自分の余命があと半年無い事を知ったらどうするか?
慌てふためき、泣きわめき、落ち込み、周りに迷惑かけまくるだろう
そして落ち着いたら、間違いなく残ったお金で自分の生きたい所へ行き食べたい物を食べる
自分に問うてみたところで、出てくるのは自分の事ばかり
正直主人公のような、こんな大きな器は持ち合わせていない
残される家族の為に何かする心の余裕がある、こんな主人公のような死に際は格好良いよね
そんな自分を顧みることのできるとっても良い映画です
死ぬ間際こそ、こんな立派な自分でいたいですね
絶対無理だけど
色々無理矢理設定詰め込んだ感はあるけど、家で観るには悪くはないね
2021自宅鑑賞2
演じる役者によって完成度が上がっている
題名は有名で、一度は見ておきたい作品だと思っていた。
男女間のものだと思い込んでいた「熱い愛」が、母性の方の、何もかも包み込む愛だったのは良かった。
イジメや少女に対する描写に、かなり辛辣な意見があるのを
他の方のレビューで知ったが、見ていてそこまでの嫌悪感は持たなかった。
だが、いじめられている娘に、何がなんでも負けるなと
言い続けるのは無理があるしその解決方法は、もう夢物語レベル。
母親を待つ娘がおしっこ漏らしちゃう件は、そんなもので性的なものを連想する人がいるのかと、逆に驚いた。
我が家のbabyたちはつい最近まで日常茶飯事にやってた事でパンツ脱がせて上着でくるんで抱っこっていうのがそんなに昔の出来事ではなかったせいで、座って待ってた子が立ったきっかけで漏らしちゃうって言うのは時間の経過を表す上では効果あるとさえ思った。
んだけど、濡れたパンツは持って帰らないと、どんな変態に盗まれるか、それは心配にはなる。
癌患者を最近看取った身からすると
後半の病気の描写は、意外とリアルではあった。
もちろん全部ではないけれど、癌は部位によって症状も異なり一概に全部が同じではないので。
杉咲花さんは、 中華調味料のCMでメジャーになり、今では朝の連ドラの主役 おちょやん。
彼女と、宮沢りえさん、二人を軸に
情け無い父親と 不甲斐ない青年 そして興信所の親子。
まー オダギリジョーさんは 事実婚含め3人の女性と結婚しちゃうモテモテぶりなんだけど、
だらしなくて 小汚い風貌なのに 女性を惹きつけるという役柄はよく似合っていた。
松坂桃李さんの演技は、映画による振り幅が凄くて、本当の役者さんだよなあと感心する。
鶴瓶さんの息子さんは、なんとなく冴えない感じが悪くなかった。
役者に救われた映画であるのは間違いない。
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