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映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」 いつだってやめられる 7人の危ない教授たち
劇場公開日 2018年6月30日
解説
社会から弾き出された学者たちが、合法ドラッグでひと儲けしようとする姿を描いたイタリア製クライムコメディ。1981年生まれの新人監督シドニー・シビリアが、素人犯罪集団を待ち受ける運命を独特の映像センスでテンポ良く活写し、長編デビュー作ながらイタリアでスマッシュヒットを記録した。神経生物学者のピエトロは研究に人生を捧げてきたが、大学から研究費を削減され職を失ってしまう。新しい職も見つからず路頭に迷った彼は、自分の知識を生かして合法ドラッグを製造しようと思いつき、自分と同じく社会から不遇な扱いを受けている経済学、化学、人類学、ラテン語の専門家たちを集めて犯罪集団を結成する。日本では「イタリア映画祭2015」で上映(映画祭上映時タイトル「いつだってやめられる」)。18年、劇場未公開だったイタリア映画を特集する「Viva!イタリア vol.4」(2018年6月23日~ヒューマントラストシネマ有楽町ほか)で劇場公開。
2014年製作/105分/PG12/イタリア
原題:Smetto quando voglio
配給:シンカ
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2018年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
イタリアの大学の研究費削減で職を失った大学教授たちが、自らの専門知識を生かして犯罪で一儲けするというコメディ。監督は大学教授が込収集の仕事をしているというニュースに出会い、この映画の構想を思いついたそうだが、社会への皮肉を見事にエンタメに仕立てている。
大抵の犯罪は、貧困が原因であるわけだが、イタリア社会ではエリート研究者たちもが不況の煽りで職を失っている。専門分野の研究は、一般人にはそれらがなんの役にたつのかわかりにくい。だから世論に押されて大事な研究も予算削減の対象になる。
その果てに社会は大事な知の集積を失う。それは結果的には国力を失わせるだろう。本作はそこにとどまらず、研究者たちの能力が犯罪に活かされれば、こんなにも恐ろしいのだと警鐘をならす。皮肉なことに犯罪のほうが、彼らの専門知識のスゴさが一般人にわかりやすく伝わるのだ。見事な風刺コメディだ。
2021年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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リーマンショックやギリシャの負債でEUが不景気で大変だった時期、シビリア監督は首席の学者がごみ収集員に身をやつすというニュース記事を読んで本作のアイデアを思いついたそうです。
アメリカでもアポロ計画の終焉で失業した技術者が巷に溢れテレビゲームが生まれたという話を聞いたことがあります。日本でも研究開発費の削減で研究者が職を失う報道は耳にしますし、コロナの国産ワクチン開発の遅れの一因ともいわれていますね。
背に腹は代えられず、特技を生かすといってもゲーム開発ならまだしも危ない薬物商売では褒められた話ではありませんね。
テーマからすれば社会派ドラマなのでしょうが基調は風刺コメディなので役者に学者の知性が感じられないし、終始大声で誰かがわめいているばかり、うるさくて話に入っていけません。
シビリア監督、初の長編映画、ラテン系ならではのハイテンションが喜劇の芝居との理解なのでしょうか、音楽も騒がしい。流石に反省したのか続編では抑え気味になりましたが本作は酷かった。
2020年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ふう、つかれた。
ハードル低めで見たのに、その下をくぐってきやがった。最低に近い。失敗してるんじゃなくて、成功して完成した作品がこれということが問題。
まず映像がクソ。これだけで内容がよかろうが映画としては成立しない。もしかしてサングラス掛けて編集したの苦笑
2020年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
映画の感想以前に、まずはイタリア映画がなかなか輸入されない事実を強く感じる。
この作品も2014年本国公開が2018年にようやく日本へ輸入されたと聞く。
その「貴重な」日本公開のイタリア映画。頭はいいのにチャンスに出会えず、大学教授でありながら、現在は他の仕事に就いている7人の男たち。合法麻薬を製造して稼ぐ姿は笑えるが、個人的には「これ、イタリア映画?」と首を捻ってしまう。
ストーリー自体は面白いけど、7人のキャラが充分に活かせてない印象が強い。まあ、短い時間の中でそれを観客に伝えるのは無理かもしれないが、欲を言えば脇役の面白そうなキャラ(例えば考古学者の人)がもっと頑張ってくれたら面白かったのに。
更にテンポが緩く、クライマックスももっとスリリングでありながら笑えるシーンがあればよかったのに。
個人的にはイタリア映画が好きで、特に60年代〜70年代の作品を好んで観賞する。
フェリーニやヴィスコンティなど国際的に有名な巨匠がいる中で、何処かの国でヒットした映画の二番煎じな作品がウヨウヨあり、ある意味で本家を超えた面白さがある、それを見つけるのが楽しみの一つ。なんか下品にパワフルな感じがいい。(よく意味が判らないかもしれないが・・・)
そんな中で「黄金の七人」って映画を思い出した。これもコメディ寄りの犯罪映画で「七人」といいながら「教授」と呼ばれるリーダーとその情婦中心にストーリーが進み他の仲間は黒子並の扱い。只、音楽や奇抜な金塊強奪シーンはイタリア映画黄金期の娯楽作品の中ではトップクラスな出来だったと思う。今、この比較的最近(なにせ7年前の映画だもんなぁ〜)のイタリア映画を観て、音楽はロック、笑いも従来のドタバタでもなく割とクールにブラック風味な感じで、イタリア映画の「今」を観たような気がする。
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