白河夜船

劇場公開日:

白河夜船

解説

よしもとばななの小説「白河夜船」を映画化し、深い眠りに落ちていくヒロインの姿を通して、生きて愛することの切なさや喜びを描いた。安藤サクラが主演を務め、「かぞくのくに」で安藤と兄妹役を演じた井浦新が恋人役で再共演。俳優や女優の写真を多数手がけるフォトグラファーで、2007年に「星空ワルツ」で映画監督デビューも果たした若木信吾がメガホンをとった。植物状態の妻を持つ恋人・岩永と不倫関係を続ける寺子。ある日、男たちに添い寝をしてあげる「添い寝屋」をしていた親友のしおりが死亡する。親友の死に深く落ち込み、不毛な不倫関係による不安とさびしさにも襲われる寺子は、日々、深い眠りに落ちていく。

2015年製作/91分/PG12/日本
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2015年4月25日

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(C)2015 よしもとばなな/「白河夜船」製作委員会

映画レビュー

3.0今どき珍しいくらい原作に忠実

2015年5月14日
iPhoneアプリから投稿

引越しが多いので、かなりの本は処分してしまったけれど、たぶん、原作本はまだ実家にあると思う。黒い表紙の、シンプルな佇まい。本作は、あの本を久しぶりに棚から取り出し、読み返したような気持ちを味あわせてくれた。
確かに、余韻というには長すぎる、間延びしたシーンが全体に多い。70〜80分くらいのほうが、収まりよかったように思う。また、「…だわ」が語尾につく話し言葉だとか、外出時の荷物の少なさだとかも、どこかぎこちなく、現実離れしている。けれどもこれは、すでに現実と虚構のはざまに潜り込んだような物語だ。違和感は確かにあったが、それが、映画自体の持ち味までも失わせているとは感じなかった。
むしろ新鮮だったのは、文字からは聞き取れずにいた「音」だ。聞こえるとも聞こえないともつかないバイブの着信音、寺子の部屋に唯一生活感をもたらす、規則正しい洗濯機の音。ふわふわと流れかねない物語を繋ぎ止める、重要な役割を担っていたように思う。
そして、寺子の親友・しおりを演じた谷村美月の存在。久しぶりに透明感のある役柄で、彼女の魅力が際立っていた。(この頃は、変わった・しっかりものの職場の先輩、といったコミカルなものが続いていたような…)これからも、本作のような役どころをたくさん演じてほしい。主役の二人は、もちろんイメージ通り。あえて言えば、岩永にはもっと後ろ暗い影がほしかったけれど。
花火を二人で見た寺子は、自分の心の穴を埋めるのは自分自身であり、どんな人であっても他人では埋めようがないのだと、くっきり悟ったように思う。そんな覚悟を持った寺子と、無邪気とも覚悟済みともつかない岩永を照らす花火は、原作で思い描いたとおりに美しく、力強かった。
文字でできないことを語ってこそ映画、ということに異論はないが、原作にここまで忠実な本作に、私は好感を持った。

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cma

4.0わかる

2022年5月4日
iPhoneアプリから投稿

他のみなさん、さんざんなレビューですが、わたしは好きです。
現実味があるかどうか、ファンタジーかどうかではなく、1人の女性の感情を描いた映画だと思います。
一般的な幸せと定義されている結婚という指標ではなく、ただただひとりの人と繋がっていたい気持ちを真っ直ぐに描いています。

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poooL123

2.5寝てた

2022年2月5日
iPhoneアプリから投稿

気づいたら私も寝てた
原作がすき

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namakemono

4.0懐かしかった。

2021年3月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

萌える

学生の頃かな。古本屋で文庫本を買って読んでました。

ばなな作品は、その前に、姉のお下がりの『キッチン』を中学の頃にヘビロテ的に読んでました。雄一(ゆういち)って名前が読めなくて、難渋した記憶がある(笑)

白河夜船は、キッチンと同じぐらいかそれ以上に映像化しにくいと思う。キッチンの解説にもあったが、当時のばなな作品は死別が多い。キッチンはまだ「(男女二人が)くっつくかな?」っていう動きがあるけど、白河夜船は初めからだらだらした不倫で、そのうえに親友の喪失を抱えなくちゃいけないので、まぁまぁ重い。

「かぞくのくに」の主演二人が再タッグ!ということだけど、先にこっちを観てしまった(笑) 原作で確かシオリは目が細めで、割といつもにこにこ笑っている感じで。私のイメージでは、どっちかって言うとサクラがシオリなイメージでした。(で、谷村美月とかが寺子)
でも実際、観てみると、、
まず、井浦新は岩永さんピッタリでした。一度観てしまうと、もう、岩永=井浦の図式が出来ちゃう。
原作は'89年とかなので、まぁまぁ古い。だから、語尾も「~わよ」とかが多い。サクラはけっこう、黒髪にパーマ当てると昭和レトロな趣があるので、違和感なかった気がする。あ、谷村美月もか。うまいな、配役。

中華料理屋のシーン。いつもよりテンション高めな岩永さんが卓をくるくる回すもんだから、寺子が「回ってちゃ食べられないわよ」と笑うところ。サクラ=寺子で、かつて活字で読んでたものを懐かしく思い出すなんて、贅沢。
でも、たぶんこの時の二人ってちょうど過渡期というか、ターニングポイントに来てるよね。だから、そのすぐ後に、斜め上からフカンの図で、寺子の心の声が流れる。
このシーン、良いですね。またサクラですからね。ばななの透徹したまなざしで描かれる寺子の心情。抑制のきいたサクラの言葉。間違いないです(笑)

小声と大声の落差が激しいので(たぶん録音の問題なんだけど)音量設定に困るのと、やたらサクラの裸が多い気がする…ぐらいかな。難点は。
ものすごく、懐かしかったです。「息を吹き込む」とは、こういうことですね。

そういや、ソフレ(添い寝フレンド)って今やレンタルサービスとしてやってる会社もあるよね。ばなな、いやシオリはかなり時代を先取りしてんな。

長々書きましたが、原作ファンには懐かしい映画だと思います(逆に原作知らないとキツいかもしれない(汗))

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yolanda