フレンチアルプスで起きたこと

ALLTIME BEST

劇場公開日:

フレンチアルプスで起きたこと

解説

フランスのスキーリゾートにやってきたスウェーデン人家族の状況が、ある事件をきっかけに一変する様をブラックユーモアを交えて描いたドラマ。2014年・第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞するなど、各国の映画祭や映画賞で高い評価を獲得。日本では第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で「ツーリスト」のタイトルで上映されている。スマートなビジネスマンのトマス、美しい妻のエバ、そして娘のヴェラと息子のハリーは、一家そろってフレンチアルプスにスキー旅行にやってくる。しかし、昼食をとっていた最中、目の前で雪崩が発生。幸い大事には至らなかったが、その時に取ったトマスの行動が彼のまとっていた「理想的な家族の父親像」を崩壊させ、妻や子どもたちから反発や不信を買って家族はバラバラになってしまう。

2014年製作/118分/G/スウェーデン・デンマーク・フランス・ノルウェー合作
原題または英題:Turist
配給:マジックアワー
劇場公開日:2015年7月4日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第72回 ゴールデングローブ賞(2015年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第67回 カンヌ国際映画祭(2014年)

受賞

ある視点部門
ある視点部門 審査員賞 リューベン・オストルンド

出品

ある視点部門
出品作品 リューベン・オストルンド
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3

(C)Fredrik Wenzel

映画レビュー

4.5Introspective Art Thriller

2020年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

興奮

This story of a family's deconstruction in a mountain resort is a Neo-Shining master work with all the finer points of European arthouse. A literary observation of the human psyche when confronted with a life-threatening event. There's humor and sarcasm in its pessimistic tale--a stalker-like hotel janitor feels like a caricature of the director's own insecurities. It makes lemonade out of lemons.

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Dan Knighton

5.0人間の本性をあけすけに暴くユーモア

2018年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

知的興奮、というのはこういう映画のためにある言葉だと思う。人間は追い詰められた時にその本性を現すが、まさに本性を表してしまった人間への見方が一変する体験を見事に描いている。

頼れる父親だったはずの男が、いざ雪崩という危機が起きると家族を置いて一人で逃げてしまう。そこから家族の絆に日々が入る。おそらく本人もそんな危機に直面するまでは、自分がそんな人間だと思いもしなかったのだろう。良き父親、良き夫という「仮面」を生命の危機によって強引に剥がされてしまった男の惨めな姿。観ていてつらく滑稽だ。

リューベン・オストルンド監督の観察眼は、まるで人間を昆虫を観察するかのように見つめる。何かの実験をするかのように、こういう状況に置くと人間がどんな行動を取るのか、というような冷徹な視線がある。この距離感がコメディに最適だ。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
杉本穂高

3.5「男はいざとなったら女を守る」なんて嘘っぱち

2024年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
Jax

3.5夫の立場で観てしまう

2024年9月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

危機に瀕した時、咄嗟に自分の身を守る行動を取ってしまう。理性では家族を守らなければと判っていても。
本能で行動してしまったことに戸惑い、誤魔化そうとして自己嫌悪に陥る夫トマス。家族を守らなかった夫に幻滅する妻エヴァ。両親の微妙な空気に戸惑う息子ハリーと娘ヴェラ。家族間に漂う緊張感のある心象は、生方美久脚本に毒気を垂れ流したよう。
いざという時に脊髄や小脳で行動してしまうのは仕方ない。理性は本能的な行動にブレーキを掛けて危険な場合もある。だから「まず自分の安全を最優先にしろ」という。家族や周りの誰かを見捨てたとしても責めてはいけないのだ。
この映画を観て、夫を非難する感想を持った人は大いに反省してほしい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あらP★