セッションのレビュー・感想・評価
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JAZZは死んだ
大概強烈なコーチと言えばスポ根物に登場してくるキャラクターだが、今回は音楽の世界での鬼コーチ。ここに描かれるJ・K・シモンズは自分にとってはタチの悪いキャラ。映画全体通しても見えてこない部分がある。それを補う形で主演のマイルズ・テラーは執念のドラマーを演じる。
ただ、彼が求めていた物は何だろうと思ったりする。1度の挫折で一旦自分のドラムセットを物置に封じ込めたり、名門音楽大学から別の大学へ進学してみたり・・・
J・K・シモンズの演じた役も本当に彼を育てたかったのだろうか?彼を煽って精神状態を過敏にさせ、彼の持つ才能を引き出したかったのだろうか?
すべての疑問は終盤で「無かった事」となる。
この時点ですべての雑音は消え、本当のジャズを作りたかった2人が見えてくる。
70年代に登場した主なパンクバンド達は口を揃えて「ロックは死んだ」と言っていたが、デミアン・チャゼル監督は今作と「ラ・ラ・ランド」で「JAZZは死んだ」と登場人物に語らせてる。
彼のジャズに対する思い入れとチャーリー・パーカーに対する憧れはこの2作に共通するが、映画としては別の匂いがする同監督の異母兄弟的作品の一本。
衝撃。
音楽とはこんなに血生臭いものだったろうか。ジャズとはこんなにヒリヒリするものだっただろうか。
衝撃的な作品だった。
観ている側が息つく間もないような緊張感、役者さんの気迫。
ただただ圧倒され戦慄した。
ファッキン連呼するフレッチャー先生の鬼軍曹っぷりもすごかったけど、ニーマンくんもなかなかの鬼畜。
てかフレッチャー先生が怖すぎてむしろ笑えてくる。軍隊学校の鬼教官にしか見えない。笑
駆り立てられ、挑発され、追い込まれることで開花する何か。
相手への憧れや期待、憎しみと親愛、突き抜けた者がたどり着く楽しさや恍惚。
ニーマンとフレッチャー先生のそれらがぐちゃぐちゃに溶け合って竜巻のようにうねりとなり、音楽の高みへ向かっていく。そんなラストシーンの演奏はしびれた。
ウィップラッシュ
ラストで泣けました
映画好きなら観てなきゃダメでしょと言われるだろう
狂気の果ての師弟愛
名ジャズドラマーを志す青年と教授の猛特訓の話
鑑賞後しばらく動けなかった。
ジャズに詳しくはないが、それでもとんでもない演奏を聴いたと思ったし、最後の二人の掛け合いは見事でゾクゾクした。
音楽映画の歴史に大きな爪痕を残す作品だとは聞いていたが、正にその通りの傑作。
教師や部活の顧問、職場の先輩に、理不尽で厳しい態度をとられた人なら少なからず共感する箇所がある映画だと思う。
劇中の舞台である音楽大学は最高峰なのでそれなりに厳しいのはわかるが、プロを目指す現場の緊張感、ストイックな姿勢など説得力のある演出だった。
主人公のマイルズ・テラーの気弱ながら内に秘めた野心、憑りつかれた様に練習に没頭する演技は最高だった。
J・K・シモンズの鬼教授の迫力も素晴らしい、飴と鞭を使い分け、何処か期待している雰囲気を出しつつも厳しく罵る演技は最高に怖かった。
狂人に魅入られ、憧れてしまった主人公の狂気へ落ちていく姿は目を覆いたくなるが、何故か目が離せない。
いつの間にか自分も物語に憑りつかれて先が見たくてしかたがない感覚に落ちてしまった。
最後の展開も素晴らしく、ある意味殴り合いながら認め合うような信頼関係をセリフなしの演奏と演技で見事に表現していた。
誰もが驚き、胸が熱くなる事だろう。
ただ、それが感動なのか、狂気に落ちる瞬間の熱に当てられたからなのかはわからない。
教授は狂ってるし、実際身近にいたら嫌だが、彼と真の絆で結ばれた主人公がカッコよく見えた。
映画は絶対安全圏にいるからこそどんな恐怖でも楽しみに変えられる素晴らしいものだと実感した。
こんな狂った世界を客観的に見れる幸せを嚙みしめる作品でした。
下手なホラーヤやスリラーよりも怖く、実在するであろう現実感、全てが刺激的な作品です。
劇中セリフより
「戦って勝ち取れ」
最高峰に立てるのは一握り
目指すなら頂きを、そう思える強い意志が一番重要。
才能を上回る努力、野心を捨てないで生きていきたいと思った。
音大バンマスとドラマーのスポ根もの。やがて狂気をはらみ加速してゆく...
いい加減にしろ!
これから鑑賞する方へ
爽快!
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